受験生必見。“絶対落ちない”合格祈願の山が三重にある

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御在所岳の地蔵岩

涼しい風に、秋の深まりを感じるこの頃。今年もあっという間に夏が終わってしまいました。受験を控えた学生たちにとっては、そろそろ受験勉強も追い込みのシーズンなのではないでしょうか。

そこで受験生に朗報です。三重県には、“絶対に落ちない”合格祈願スポットがあるのだとか。

三重県・菰野町から滋賀県・東近江市へと連なる、標高1,212メートルの御在所岳 (ございしょだけ) 。登山やロープウェイでの自然散策が人気の山ですが、実は受験生にも人気が出ているようなのです。その真相を確かめに、いざ噂の山へ。

登山した人だけが遭遇できる “絶対落ちない”スポット

御在所岳はロープウェイで山頂まで行ける山ですが、合格祈願スポットがあるという場所は中登山道という登山ルートの途中。

岩場が続くルートのため、しっかりとした準備が必要です。登山が趣味の私。嬉々として、フル装備で挑みます。

御在所岳

道中には、数々の巨岩が。その迫力に圧倒されながら歩みを進めます。雨の日は滑りやすいので、天気の良い日を見計らって行くのがおすすめです。

御在所岳

中腹あたりまで登ったところで遭遇したのは、縦に積み上がったように連なる不思議な岩。

御在所岳の地蔵岩
提供:菰野町観光協会

見れば見るほど、なんとも絶妙なバランスを保っています。

御在所岳の地蔵岩
提供:菰野町観光協会

2つの岩の間に挟まるように、四角形の岩が斜めに乗ったその姿。「地蔵岩」と呼ばれるこの岩は、“絶対に落ちない”ことで知られています。

そう、こちらが噂の合格祈願スポット。

御在所岳には奇岩・珍岩として名前のついた岩がいくつもありますが、その中でも地蔵岩は特に有名です。受験シーズンになると、験を担ぎたい受験が親子で訪れることも多いのだとか。

岩場をよじ登り、くぐり抜け、汗を流さねば辿り着けない道のりは、合格へ向かって挑む受験の道そのもののよう。困難を乗り越えやっと出会うことのできた“絶対に落ちない”岩は、ありがたさもひとしおです。

縁起のいい光景をしばし眺めながら休憩したら、もちろん山頂へ。

御在所岳ロープウエイ

中登山道を登りきると、ロープウェイの山上公園駅に出ます。歩いて御在所岳頂上へ向かうこともできますが、観光リフトに乗ればラクラク移動。

山頂付近の景色

帰りは、体力があればまた下山もがんばりたいところですが‥‥上りだけで精一杯だった私はロープウェイを利用。登山慣れしていて体力に自信のある方以外は、行きは中登山道・帰りはロープウェイ、と考えておくのが良いですね。

あっぱれな景色を楽しみに、登山も受験も頂を目指しましょう!
あっぱれな景色を楽しみに、登山も受験も頂を目指しましょう!

カモシカ愛から生まれた、“落ちない”絵馬

御在所岳の合格祈願は、これで終わりではありません。もうひとつ、地蔵岩以外にも縁起の良いものがあるのです。

それは、御在所ロープウエイのお土産ショップや、菰野町のお土産や銘品を取り扱うウェブショップ「カモシカ商店」で購入することができる“落ちない”絵馬。

カモシカ絵馬

その正体を確かめるため、訪れたのは「カモシカ商店」を運営するNPO法人三重県自然環境保全センター。

「1960年から2007年まで、御在所岳の頂上に『カモシカセンター』があったんです。そこでニホンカモシカを飼育し、訪れた皆さんが見れるようになっていました。当時つくったのが、この絵馬なんです」

教えてくれたのは三重県自然環境保全センターのスタッフ、北岡沙彩さん。

“落ちない絵馬”こと「カモシカ合格祈願の絵馬」のモチーフになっているカモシカ。
どうやら、カモシカに“落ちない”理由が隠されている!?

その秘密について話してくれたのは、同センター理事長にして「カモシカ合格祈願の絵馬」生みの親、森豊さんです。

三重県自然環境保全センター理事長の森豊さん
三重県自然環境保全センター理事長の森豊さん

「“絶壁に立っても落ちない”のが、カモシカの習性なんです。なぜなら鋭い蹄を持ち、足裏が吸盤のようになっているから。敵から身を守るため、他の動物が寄り付かない岩場を縄張りにしていたんですね」と森さん。

なるほど、それが“落ちない”といわれる所以だったのですね。

現在も御在所岳には、ニホンカモシカが生息。仲間と群れることなく、孤高の存在として生息しているニホンカモシカは、なんと氷河期時代から進化していないのだとか‥‥!

氷河期時代から進化していないのは、世界的にもニホンカモシカとオオサンショウウオとシーラカンスだけ。氷河期時代をも乗り越えるその踏ん張り、受験生でなくてもぜひあやかりたいものです。

絵馬についているお札には、御在所岳に生息するニホンカモシカの足跡と、手書きの「合格祈願」の文字。こちらもご利益がありそうです。

合格のお札

さらに絵馬のカモシカをよく見ると、首をかしげているような仕草。

絵馬の細部にも注目です
絵馬の細部にも注目です

“山の哲学者”ともいわれるカモシカは、このように首をかしげる習性があるんだそう。

カモシカについて話す森さんからは、終始カモシカ愛を感じます。そんな愛と“落ちないパワー”あふれる絵馬は、自分用のほか、お子さんやお孫さんにプレゼントするため購入する人も多いんだとか。

“落ちない岩”、“落ちない絵馬”。

確かに三重県には、御在所岳という”絶対に落ちない”合格祈願スポットがありました。

縁起のよい山登りを終えた後は、御在所岳ふもとの湯の山温泉で癒やしのひとときを。温泉のパワーが受験勉強にひと役かってくれそうです。

赤穂浪士討ち入りの際に大石内蔵助が立ち寄ったエピソードも残されている、由緒ある湯の山温泉
赤穂浪士討ち入りの際に大石内蔵助が立ち寄ったエピソードも残されている、由緒ある湯の山温泉。御在所岳のふもとにあります

<取材協力> *アイウエオ順
カモシカ商店
https://www.komono-omiyage.com/

菰野町観光協会
三重郡菰野町大字菰野2256-10
059-394-0050

三重県自然環境保全センター
三重郡菰野町田口新田2449-2
059-325-6386


こもガク×大日本市菰野博覧会

工芸、温泉、こもの旅。

こもガク×大日本市菰野博覧会

10月12日 (金) ~14日 (日) の3日間、「萬古焼」「湯の山温泉」「御在所岳」「里山」など豊かな魅力を持つ町三重県菰野町で「こもガク×大日本市菰野博覧会」が開催されます。

期間中「さんち〜工芸と探訪〜」のスマートフォンアプリ「さんちの手帖」は、 「こもガク×大日本市菰野博覧会」の公式アプリとして見どころや近くのイベント情報を配信します。また、各見どころで「旅印」を集めるとプレゼントがもらえる企画も実施。多彩なコンテンツで“工芸と遊び、体感できる”イベントです。ぜひお越しください!

【開催概要】
開催名:「こもガク×大日本市菰野博覧会」
開催期間:2018年10月12日 (金) ~14日 (日)
開場:三重県三重郡菰野町
主催:こもガク×大日本市菰野博覧会実行委員会

公式サイト
公式Facebookページ
公式ガイドアプリ(さんちの手帖)


文:齊藤美幸
写真:西澤智子

住所
三重県三重郡菰野町菰野
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