【四季折々の麻】5月:涼しく軽い夏の定番「麻の夏布」

「四季折々の麻」をコンセプトに、暮らしに寄り添う麻の衣を毎月展開している中川政七商店。
麻といえば、夏のイメージ?いえいえ、実は冬のコートに春のワンピースにと、通年楽しめる素材なんです。
麻好きの人にもビギナーの人にもおすすめしたい、進化を遂げる麻の魅力とは。毎月、四季折々のアイテムとともにご紹介します。
涼しく軽い夏の定番「麻の夏布」

5月は「立夏」。きらめく日差しに目を細め、若葉の隙間からいよいよ夏の訪れを感じる月となりました。
今月お届けするのはこれからの長い夏にも心強い、涼やかで軽やかなリネン100%の服。かさばらず持ち歩きもしやすいので、旅の際にもおすすめです。
ラインアップは「チュニック」と「パンツ」。上下ともゆったりしたシルエットですがリネンならではの上品なツヤ感があり、きれいめに着こなしてもいただけます。
数年前からこの季節にお届けしている本シリーズでは、着まわしやすいシンプルな色とともに、毎年、夏の日差しに映える鮮やかな新色も登場。今年は「若竹」色がラインアップに加わりました。
【5月】麻の夏布シリーズ
今月の麻生地

細く繊細なリネンの糸を贅沢に使い、こまやかに生地目を詰めて丁寧に織り上げた生地。麻ならではの上品で控えめな光沢が美しく、カジュアルになりすぎないのもポイントです。
シャリ感がありつつもしなやかな肌あたりは、まさに麻特有の魅力のひとつ。さらりとした質感で、高い気温のもとでも快適に着ていただけます。薄手で涼しく、乾きも早くかさばらないので、夏旅のお供にもおすすめです。
また、広い生地幅を無駄なく使うデザインと、シンプルな縫製を採用したことで、麻の服のなかでは比較的お手頃な価格に抑えるようにしているのも、実はこだわっている点です。

お手入れのポイント
洗濯ネットを使用すれば、ご自宅の洗濯機で洗っていただけます。アイロンをかける際は少し生地を湿らせ、あて布を使用してくださいね。
麻のよさをそのまま感じられる、シンプルですっきりしたシルエット
ご用意したのは「チュニック」と「パンツ」の2アイテム。どちらもゆったりしたシルエットでシンプルなつくりですが、それゆえに素材のよさが引き立ちます。
色展開はベーシックで根強い人気の「紺」、透明感のある「灰白」、鮮やかな新色「若竹」の3色展開。ぱきっとした色合いは、リゾート感も演出してくれます。それぞれ別々にも着ていただけますが、ぜひ上下で合わせていただき、快適に夏を楽しんでいただけたらと思い企画しました。
同じ色で合わせてセットアップ風に着ていただいたり、上下違う色で夏ならではの色あわせを取り入れたり。気軽に着られる一着なので、色違いで揃えて夏の定番にしていただけると嬉しく思います。

チュニックはかぶって着られる形で襟ぐりはすっきりと広め。ストールなども合わせやすい首元のつくりとなっています。
裾のサイドにスリットがあり、「額縁仕上げ」という縫製方法(※ハンカチの角のように、きちんと角を折りたたんで仕上げる縫い方)で仕上げているため、四角いシルエットがすっきりときれいにおさまります。
麻は縫製の際にゆがみやすく、実は縫製技術が必要な素材。チュニックの裾がはねず、四角くきれいに落ちるようにこちらの方法で仕上げました。

パンツはとにかくシンプルで履きやすくノンストレス。そのまま一枚で着用するのはもちろんですが、軽やかな生地のため、お手持ちのワンピースの下にペチコートのようにも履ける万能なアイテムです。
灰白のみやや透けやすいため、おしりが隠れるくらいの長めのトップスと合わせるなどしてお楽しみくださいね。
素材自体が呼吸をしているような、気持ちのよさがある麻のお洋服。たくさん着ると風合いが育っていくので、ぜひ着まわしながら愛用いただけると嬉しいです。
「中川政七商店の麻」シリーズ:
江戸時代に麻の商いからはじまり、300余年、麻とともに歩んできた中川政七商店。私たちだからこそ伝えられる麻の魅力を届けたいと、麻の魅力を活かして作るアパレルシリーズ「中川政七商店の麻」を展開しています。本記事ではその中でも、「四季折々の麻」をコンセプトに、毎月、その時季にぴったりな素材を選んで展開している洋服をご紹介します。
特集サイト:中川政七商店の麻
ご紹介した人:

中川政七商店 デザイナー 杉浦葉子
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