鎌倉文学館
エリア

川端康成、夏目漱石に芥川龍之介、与謝野晶子。ゆかりのある文学者は300人にものぼるという鎌倉の地で、土地ゆかりの文学者の著書・原稿・愛用品などを収集保存し展示する。鎌倉三大洋館にも数えられる歴史ある建物は、もとは加賀百万石の藩主で知られる前田利家の系譜、旧前田侯爵家の別邸だった。焼失や震災も経て現在で4代目となる洋館は、寄木細工の床や部屋ごとに異なる暖炉・照明の意匠など、展示品が並ぶ部屋そのものにも見所が多くある。「文学、文学と肩ひじをはらずに来ていただいて、興味をひいたら、ついでに展示物を見ていただき」とは、昭和60年の開館時、初代館長だった永井龍男氏の挨拶の一節。その言葉通り、三方を山に囲まれ前方に海をのぞむ環境は、文学好きでなくてもついつい足を運びたくなる気持ち良さだ。緑に囲まれた入り口までの坂道や約200の品種のバラが植わる庭園、遠くにのぞむ湘南の海を愛でながら、贅沢な文学散歩を楽しみたい。








