初生衣 (うぶぎぬ) 神社
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みかんの産地として知られる浜松市・三ケ日町に平安時代より続く初生衣 (うぶぎぬ) 神社。天照大神 (あまてらすおおみかみ) が天の岩戸に隠れた際に、大神にお供えする織物を織ったという織物の神様、天棚機姫神 (あめのたなばたひめのみこと) をお祀りする。
浜名湖に注ぐ川沿いにあり、清らかな空気の流れる境内には本殿の脇に茅葺の「織殿 (おりどの) 」がある。かつてここに愛知県三河地方で紡がれる赤引 (あかひき) の糸を運び、中の機 (はた) で生地を織り、伊勢神宮にお供えしたのが神社の起源だ。
三ケ日町一帯はもともと浜名神戸 (はまなかんべ) という、伊勢神宮へのお供え物を作る神領だった。中でも神宮に奉納する織物を織っていた場所がこうして神社になったという。
毎年春には伊勢神宮へ生地を奉納するために古くから行われてきた儀式、御衣祭 (おんぞまつり) が執り行われる。お祭りには浜松一帯で発達した遠州織物の関係者も産業の発展を祈願して参列するそうだ。
2017年は旧暦の七夕に合わせて七夕祭りも行われる予定。織物産地・浜松の象徴的な存在として今も大切にされる「織姫」様に、会いに行ってみよう。