明々庵
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京都や金沢と並ぶ日本三大菓子処とされ、家庭で日常的にお抹茶を楽しむ文化もある松江。その礎を築いたのが松平家7代藩主、松平治郷 (まつだいら・はるさと) だ。ひっ迫していた藩政を立て直した名君である一方で、江戸時代後期の大名茶人として知られ、隠居後の号である「不昧公」(ふまいこう)の名で親しまれる。
その不昧公が自身の好みで建てたとされるお茶室が明々庵だ。不昧公もしばしば茶を楽しむために訪れたと言われる。明治以降は県外など場所を転々と移し不遇の時代もあったが、昭和41年に松江城をのぞむ高台に移転され、昭和44年には島根県の有形文化財に指定された。
ここではそんな明々庵の姿を眺めながら、不昧公が名付けたとされる松江の三大銘菓をお茶とともに味わうことができる。由緒正しき古庵で、不昧公が愛した茶の湯を心静かに楽しみたい。