山川製塩工場跡
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かつて温泉熱を利用した製塩事業は全国各地で行われていたものの、最後まで稼働していたのは指宿だという。そんな時代の移り変わりを感じさせる産業遺構が山川製塩工場跡だ。
JR山川駅から車で15分ほど行くと、壁のようにそり立つ山や南国らしい植物に囲まれた土地から、いくつもの湯けむりが立ち上がる不思議な光景と出会う。まるで日本ではないようだ。
湯けむりの正体は伏目温泉の湯気。塩工場では、この温泉熱を利用して、1943 (昭和18) 年ごろから約20年間、製塩事業を行ってきた。ここのように、塩田跡と泉源が今でも残る場所は珍しいのだとか。
吹き上がる湯けむりは風によって進路を変え、目まぐるしく表情を変えていく。時を忘れて見入ってしまう絶景に、きっと心が洗われるはずだ。