柿の葉すし ひょうたろう
エリア
タグ

「柿の葉寿司は、2日目が美味しい」。それもそのはず。そもそも柿の葉寿司は、海のない奈良吉野山の保存食。その昔、熊野灘でとれた活きの良い鯖を塩でしめてはるばる吉野山まで運び、道中でほどよい塩加減になった鯖と、酢飯とともに天然の抗菌作用のある柿の葉に包んで、お祭りの日に食べたのだそう。ここ吉野山の「ひょうたろう」では、今も塩だけでしめた鯖と吉野でとれた柿の葉で、里の味を守る。すぐに食べたくなる気持ちをおさえて1日待つと、鯖と酢飯がまろやかに。ほのかに移った柿の葉の香りも絶妙。美味しい秘密をもうひとつ、硬くなった柿の葉寿司を柿の葉に包んだまま焼いて食べるのも乙な楽しみ方。先人の知恵、豊かな里の味をぜひ。





写真:木村正史