トンバイ塀
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焼き物の町、有田を歩いていると、時折、赤茶色の壁に出会う。「トンバイ塀」だ。登窯の内壁に使われた耐火レンガ(トンバイ)の廃材を赤土で固めたもので、江戸時代から建てられている。今は少なくなってしまったが、町の中心部である内山地区の裏通り(泉山大公孫樹付近から大樽の有田陶磁美術館周辺)で見ることができる。現存する中で最も古いものは、17世紀はじめに創業した辻精磁社にあるもので、1830年頃に建てられたといわれている。
かつては町並みを流れる川沿いに窯元が多く立ち並び、窯元を囲むようにトンバイ塀が築かれていた。塀を建てることで、陶工の技術の漏洩を防ぐ意味もあったと考えられている。焼き物の町、有田を象徴する風景である。



