【あの人の贈りかた】贈りものから、楽しい会話が生まれることを願って

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?
誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。
そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。
今回は商品企画・デザイナーの羽田がお届けします。
毎日の家事を親子で楽しむひとときにしてくれる「絵本ふきん」

幼い頃からまだ誰も持っていないものや、ややマニアックなものを見つけてくるのが大好きな私。いつしかそれは贈りもの選びの基準にもなってきて、贈る相手に合わせて「ちょっと珍しくて面白がってもらえそうなもの」を探すようになりました。
この絵本ふきんもまさに「あの絵本がふきんに!?」と、笑顔になってもらえる定番の一品。
自分に子どもが生まれてからは、同じくらいの年の子がいる友人や、子どもの関係でお世話になった方に贈りものをする機会が増えました。絵本ふきんの絵柄はやはりなじみがあるようで、「今ちょうど子どもがこの絵本にはまってるよ!」とか、「昔この絵本好きだったわ~」とか、ふきんをきっかけにお話に花が咲くことも。
我が家でも自家用に使っていますが、台所で『きんぎょがにげた』のふきんを干していると、ことばを覚え始めたばかりの2歳の息子が、きんぎょがにげたの絵本とふきんを交互に指さし「おんなじ!おんなじ!」と嬉しそうに教えてくれます。
毎日忙しくて少し面倒な家事の時間も、親子で楽しく過ごすひとときにしてくれるふきんです。
<贈りもの>
・中川政七商店「絵本ふきん」
老若男女問わず盛り上がる「おみくじ」

陶製のお人形の中にお告げが入っている中川政七商店のおみくじ。
おみくじや占いって、常日頃からものすごく信じているわけじゃなくても、お告げの内容を読むと気になっちゃってその場でみんなで見せあったり、ちょっと盛り上がったりして楽しいですよね。
そんなわけでおみくじを贈ることが多いのはみんなで集まるタイミング。老若男女問わず喜ばれることから、自分の結婚式のプチギフトに、お正月の親戚の集まりの手土産にと、ちょっとした贈りものとして、いろんなモチーフのおみくじにこれまで何度もお世話になっています。

お告げを楽しんだ後のお人形は「守り神としておうちに飾ってるよ」と声をかけてもらうことも(実際、私の親族の家には歴代のおみくじたちがずらりと並んでいます)。贈った直後も、贈った後も楽しんでもらえる一品です。
またこれは余談ですが、地域限定で販売している一部のおみくじはその地域の方言でお告げが書かれています。開発時に社内でその地域出身のスタッフを探し、こちらが考えたお告げの文言を方言に翻訳(?)してもらうことがあるのですが、「◯◯弁だとそんな言い方になるんだ!」と、毎回開発時にひと盛り上がりするシーンです。
もし旅先で見つけたら、ぜひともお土産に連れて帰ってくださいね。贈った方と楽しい会話が生まれること、請け合いです。
<贈りもの>
・中川政七商店「おみくじ」
生まれて初めての一点もの「栗川商店 命名渋うちわ」

このうちわとの出会いは遡ること10年ほど前。九州のものづくりメーカーさんを巡る出張で、栗川商店さんへ見学に訪れた時でした。
栗川さんによると、柿渋を塗っていることから防虫効果があり、100年持つといわれるため、特に女の子の出産祝いに喜ばれているのだとか。その心は「(柿渋の防虫効果にちなみ)悪い虫がつかない」とのこと。
「ほぉ〜!なるほど!!」と、そのいわれがとても面白く、当時まだ私は子どもがいなかったのですが「もし将来自分に女の子が生まれたら絶対にこのうちわを注文しよう!」と心に決めて帰りました。
その後、私は結婚し男の子を出産。あの時は「女の子の出産祝いに‥‥」とお聞きしましたが、いやいや、やはりかわいい我が子。いざ子どもを持つと悪い虫がついてほしくないのは男の子も同じでした。長男も次男もどちらも出産後には記念にこのうちわを注文し、ずっと大切にしています。
栗川商店さんの達筆な名入れも、我が子のために生まれて初めて作ってもらった一点もの!という感じがしてうれしいんですよね。見た目だけでなく100年持つといわれるだけあり、つくりも丈夫。持ちやすくあおぎやすく、涼しい風がたっぷりと吹いてくる実用的なところもとても気に入っています。
うちわの特性といわれが見事にマッチしたこの逸品。感動のおすそわけとしてぜひともたくさんの人に、そして後世に伝えていきたく、私の出産祝いの贈りものの定番となりました。
渋うちわのものづくりも100年後に残っているよう願いを込めて、これからも贈りものとして広めていきたいと思います!
<贈りもの>
・栗川商店「命名渋うちわ」
※中川政七商店での販売はありません
贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 商品企画・デザイナー 羽田えりな