料理研究家・ツレヅレハナコさんがつくる、「魚焼きグリルが汚れない鉄のグリル皿」を使ったレシピ

突然ですが皆さん、魚焼きグリルをどのくらい活用していますか?

「使いかたがイマイチわからない」「後片付けが面倒」など、何となく避けていた方も多いかもしれません。じつは、私もその一人。賃貸マンションのコンロについてはいるものの、気にかけたことすらありませんでした。

そんな“魚焼きグリル未活用勢”に「もったいない!」と手を差し伸べてくださったのが、料理研究家のツレヅレハナコさん。日々の食事づくりに取り入れると、食卓の楽しさも調理のストレスも段違いに変わるというのです。

そうしたハナコさんの思いを受けて、このたび中川政七商店がハナコさんとともに開発したのが「魚焼きグリルが汚れない鉄のグリル皿」です。

「魚焼きグリル活用だけでもハードルが高いのに、素材は鉄?」

‥‥なんて、不安な声も聞こえてきそうですが、ご安心ください。何度も試作と調整を繰り返し、鉄を敬遠される方にも心強い使い勝手に仕上がりました。

今回は調理の幅を広げる台所の新たな救世主・鉄のグリル皿について、使いかたのポイントと試してほしいレシピをご紹介します。

日常料理にこそ、魚焼きグリルの活用を

サイド光の入る広い調理スペースに、ぎっしりと乾物や調味料の並ぶパントリー、世界各国の鍋が集まる飾り台と、食への探求心と愛が詰まったハナコさんの台所。

一歩足を踏み入れると、料理好きでなくとも思わず心が躍る壮観な景色が広がります。

秘密基地のようなその場所からハナコさんが提案するのは、時には凝った料理もありながら、多くはふつうのスーパーで手に入る材料を使った簡単な工程のもの。疲れた日でもどうにか作れるそのレシピの数々に、多くの台所が助けられてきました。

そんなハナコさんと今回作ったのが「魚焼きグリルが汚れない鉄のグリル皿」です。そもそもどうして、魚焼きグリルに注目したのでしょう?

「魚焼きグリルが家にあるのに、全然使いきれていない方が多いなって印象がまずあって。『落ちた油や網の隙間の掃除をしなきゃいけない』みたいな、“面倒なもの”ってイメージがとにかく強くて、それがもったいないと思ったんですよ。

もちろん、そのまま魚を焼くからこそ脂が落ちて味よく仕上がるよさもあるんですけど、掃除が面倒なときは網に食材を置かずに、調理道具をかませればいい。でも、そういう使い方に気づいてない方が多いのかなと」

当のハナコさんは普段より魚焼きグリルをよく使う、ヘビーユーザー。ご自宅を建てる際も「魚焼きグリルがついているから」と、今のメーカーのガスコンロを選ばれたほどの愛用者です。

「コンロが鍋やフライパンで埋まってるときに、もうひとつ火口ができるし、上火で焼くよさもある。火が直接食材に届くからコンロよりも高温で焼けて、パリッと仕上がる魅力もあります。あとは、焦げ目をつけたい場面でも活用できますね。

よりおいしくなるし、魚焼きグリルでしかできない調理もあることを知っていただけたらと思って、アイデアをご提案したんです」

食パンのトーストも魚焼きグリルが便利。こんがり、サクッと仕上がる

そうして魚焼きグリルを活かせる調理道具づくりがスタート。

素材には「鉄」を採用しました。

「鉄ってすごく熱伝導がいいのでカリッとおいしく焼けるし、丈夫だから一生使えます。ガンガン使ってガンガン経年変化するような、そんなところも愛せる道具になればいいなと。

じつは最初は鋳物で作りはじめたんですけど、サンプルが出来上がって持ってみると重かったんですよね。重い道具って年々手にとらなくなるし、毎日使ってほしいから極力軽くしたくて、鋳物はやめました。

『普段の相棒になるような気軽な存在として片手で軽くとれる重さにしたい』というのは、開発時に譲れなかった点です」

側面は0.1mmまで薄くして、軽量化を目指した

面倒なイメージを持つ鉄だからこそ、お手入れも簡単に。

塗装をしていないため使い終わったあとは気負わず洗えて、特殊な加工により使いはじめの油ならしは不要と、鉄初心者の方も安心です。

そしてこの鉄グリル皿、じつは魚焼きグリルだけではなく、“鉄のフライパン”のようなイメージでコンロでも使えます。

ポイントは底につけた凹凸の波目。これにより絶妙な焼き目がつけられ、まるでレストランのような仕上がりが楽しめるように工夫しました。

「食べ物に焼き目がつく楽しさを届けたくて、デザイナーさんと微調整を繰り返しました。特にコンロで使っていただくと際立つと思います。

そんな風に、コンロで焼き目をつけたい料理にも、魚焼きグリルで仕上げたい料理にも使える、2wayな道具ができたらいいなって」

大きさは、魚焼きグリルの庫内を最大限に使えるサイズ感に。グラタンなども受け止められるようにと、少し深さを出したのもこだわりです。

また、魚焼きグリルへ入れる際に緩衝しないよう、取っ手はサイドに配置しました。

ツレヅレハナコさんが提案する、鉄グリル皿レシピ

推しの点を挙げれば止まらない鉄のグリル皿。ぜひ毎日の食卓でたくさん使っていただけたらと、ハナコさんにおすすめのレシピも3つ教えていただきました。

※それぞれ、鉄グリル皿1枚で作りやすい分量にてご紹介しています
※魚焼きグリルでの調理時間・工程は、両面焼き仕様のグリルを使用した場合の内容です

海老ときのこのみそクリームグラタン

<材料(2~3人分)>

・むき海老…150g
・マカロニ…80g
・玉ねぎ…1/4個(約50g)
・しめじ…1/2パック
・ピザ用チーズ…100g
・牛乳…2カップ
・バター…30g
・塩…少々
・みそ…大さじ1
・片栗粉…大さじ1
・小麦粉…大さじ3

<作りかた>

1. 海老は背わたをとり、塩、片栗粉をまぶして軽くもんだら水で洗い流す。マカロニは袋の表示通りゆでる。玉ねぎは薄切りにし、しめじは石づきを切ってほぐす。鉄グリル皿の内側にバター(分量外)を塗る。

2. 別のフライパンにバターを溶かし、玉ねぎ、海老、しめじの順に加えて炒める。小麦粉を入れてまぶすように炒め、牛乳を3回に分けてなじませながら煮る。

3. 沸いたらみそ、マカロニを加えて温め、鉄グリル皿に入れてチーズをのせる。魚焼きグリルに入れ、表面に焼き色がつくまで強火で10分ほど焼く。

「ひとつめにご提案するのはグラタン。魚焼きグリルの上火は、表面に焼き色をつけたい料理にぴったりです。オーブンと違って予熱不要ですぐに焼きはじめられるのも、魚焼きグリルのよさのひとつですね。

直火ならではのぐつぐつした出来上がりはそれだけで魅力的。普段の食卓にもおもてなしの料理にもおすすめです」

ポークソテー 和風プチトマトソース

<材料(1人分)>

・豚ロース肉(厚切り)…1枚
・ミニトマト…6~8個(約150g)
・新じゃがいも…2個
・大葉…2枚
・しょうがのすりおろし…1/2かけ分
・塩、こしょう…各少々
・薄口しょうゆ…小さじ1
・オリーブオイル…大さじ1

<作りかた>

1. 豚肉は筋を切り、塩、こしょうをふる。ミニトマトはヘタをとり半分に切る。新じゃがはよく洗って皮ごと電子レンジ(600W)で3分ほど加熱し、半分に切る。大葉はせん切りにする。

2. 鉄グリル皿を中火で熱し、オリーブオイルをしく。十分に温まったら豚肉と新じゃがを断面を下にして入れ、動かさずに2~3分焼く。豚肉を裏返して弱火にし、空いたところにミニトマトを入れて少し煮崩れるまで焼く。

3. トマトにしょうがとしょうゆを加え、うつわに盛って大葉をのせる。

「ふたつめのメニューには、焼き目を楽しむ料理としてコンロで作るポークソテーをご提案しました。こんがりついた焼き目が食卓にごちそう感を増してくれますし、底の凹凸があるので適度に脂が落ちて、食材がおいしく仕上がります。

彩りもきれいでメイン料理になるし、トマトソースまで鉄グリル皿で作るから洗い物は少なくて済む、普段の食事にぴったりのメニューです。

ポイントとして、コンロで使用する際は予熱してから使うようにしてください。こうすることで食材がくっつきにくくなり、料理のストレスも減るしおいしく仕上がります。

豚肉は薄すぎると反り返りやすいのでご注意を。筋切りをすれば反り返りにくいですが、もし膨らんできたら真ん中を押さえてあげるときれいに焼けます」

タンドリーチキン

<材料(2人分)>

・鶏もも肉…1枚(約350g)
・れんこん、パプリカ(赤)…各適宜
・オリーブオイル…大さじ1

[A]
・ヨーグルト(無糖)…100g
・にんにくのすりおろし、しょうがのすりおろし…各1かけ分 
・ケチャップ…大さじ1
・カレー粉…小さじ1
・塩…小さじ1

<作りかた>

1. ポリ袋に鶏肉、[A]の材料を入れ、袋の外側から全体をもむ。冷蔵庫で30分~一晩おく。れんこんは8mm厚さ、パプリカは縦1.5cm幅に切り、オリーブオイル小さじ1/2(分量外)をまぶす。

2. 鉄グリル皿にオリーブオイルをしき、鶏肉をのせて庫内へ入れたら強火で5分ほど焼く。

3. 一度グリルの扉を開け、空いている場所にれんこんと、パプリカをのせてさらに5分ほど焼く。焦げそうになったら、アルミホイルをのせる。

「パリッと焼けた皮目がシズるタンドリーチキン。表面を焼きつつ中まで火を通してくれる、魚焼きグリルならではのよさを感じられるメニューです。

うつわにのせて焼くのでたれが落ちすぎないのも、この道具を使うからこそできること。調味料につけこめばあとは焼くだけで、簡単に一品が完成します。

ポイントは、火が強いので添える野菜がカリカリになりすぎないよう、あらかじめ油をまぶして水分をキープすること。油分が少ない食材はここに注意すればおいしく仕上がります」

最後にハナコさん、完成した鉄グリル皿を前にひとこと頂けますか?

「魚焼きグリルも鉄も、多くの方には少し距離がある存在。だからこそ、ハードルを下げて日常に寄り添えるような道具を目指しました。つい毎日手にとっちゃうような、いい道具になればいいなと思います。

気軽に使える“マイファースト鉄”として仲良くなってもらいつつ、皆さんの食卓に幅が生まれると嬉しいです」

魚焼きグリルを、そして焼き料理を、もっと身近に、おいしくしてくれる鉄のグリル皿。たくさんの台所の、よき相棒となりますように。

ツレヅレハナコさん

食と酒と旅を愛する文筆家、料理研究家。著書に『まいにち酒ごはん日記』、『ツレヅレハナコのおいしい名店旅行記』、『ツレヅレハナコのからだ整え弁当』など。食や日常を綴るSNSも人気。
●Instagram
https://www.instagram.com/turehana1
●note
https://note.com/rosy_carp2435

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はじめての鉄

文:谷尻純子
写真:衛藤キヨコ

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