【旬のひと皿】春野菜とそばがきの豚汁

みずみずしい旬を、食卓へ。
この連載「旬のひと皿」では、奈良で創作料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。
私の営む店の前には子ども園があり、子ども達の様子を毎日見て過ごしています。そこへ通うお子さんのお母さんがお店に来てくださったことをきっかけに、5歳の男の子と友達になりました。このエッセイをはじめた頃にも登場した“5歳の友達”です。
店の前をおうちの方と通る時は、外から「ななさーーーん」と大きな声で元気に声をかけてくれます。園のみんなとお散歩へ行く時にも大きな声で外から呼んでくれるので、店の奥の方にいてもすぐに分かり、飛んで出ます。
まわりのお友達もつられて、十数人の園児たちが一斉に大きな声で呼んでくれる日もあり、かわいい元気な声に嬉しい気持ちでいっぱいになっています。子どもちゃんたちありがとう!
6歳になった友達は卒園し、この春ピカピカの1年生になります。毎日会うことがなくなってしまうので、何か一緒に思い出を作りたいなと思いました。「料理に興味なんてあるかな?」と思いましたが、お母さんを通じて聞いてもらうと「やりたい!」と言ってくれ、今回の「旬のひと皿」を一緒に作ることに。お誘いした私自身もわくわくし、撮影の日を楽しみにしていました。
今回のレシピはその友達が「豚汁と蕎麦が好き!」ということで、季節の野菜を入れた豚汁にそばがきを浮かべてみることにしました。そばがきは冷めると固くなりますが、温かい汁物に入れれば、ほわほわ柔らかい時間が長く楽しめます。
「包丁は大丈夫かな?」「怪我をさせては大変だな」と、私が提案したものの不安に思い、一緒に料理をする際の段取りを考えていたのですが、とても上手に野菜やお揚げさん、お肉を切ってくれて、一緒に作る時間や楽しさ、温かさが「おいしい」を作っていくのだなと感じました。
途中、その場にいるみんなで味見をし、おいしいねを共有できて嬉しかったです。
お野菜も季節ごとに変えれば旬を楽しめ、何より一日一杯のお味噌汁を飲むことは身体にもとってもよいと思います。楽しい時間を一緒に過ごさせてもらい、思い出のひと皿ができました。
一緒にお料理をしてくれてありがとう。また一緒にごはんを作ろうね。小学校入学おめでとう!これから先、楽しいことや嬉しいことがいっぱいいっぱいありますように!
<春野菜とそばがきの豚汁>

材料(2人分)
・豚バラ薄切り肉…適量
・春キャベツ…1枚
・新玉ねぎ…1/4個
・菜の花…2本
・ごぼう…10cm程度
・油揚げ…1/2枚
・味噌…適量
・出汁…360ml
◆そばがき
・そば粉…大さじ2 ※ない場合は米粉や小麦粉でもOK
・水…適量(今回はそば粉の3倍程度の量を使用)

作りかた
豚肉と春キャベツ、新玉ねぎ、菜の花はそれぞれ食べやすい大きさに切る。ごぼうをささがきにして水にさらす。


油揚げは熱湯をかけて油抜きし、食べやすい大きさに切る。

鍋に少量の油(分量外)を入れ、ごぼうを炒め蒸しして香りを出す。ごぼうがしんなりしてきたら豚肉も入れて炒める。


出汁を注ぎ、軽く沸騰するまで火にかける。少ししてから灰汁をとり、新玉ねぎを入れてしばらく煮る。春キャベツ、菜の花、油揚げを加えたら味噌を溶き入れて火を消す。


小さめの別の鍋を用意し、そばがきを作る。鍋にそば粉を入れて火にかけ、少しずつ水を加えてダマにならないように練っていく。ゆるさはお好みで。
※小麦粉や米粉を使用する場合は鍋に入れて練り上げず、すいとんを作る要領で、粉を水で溶き別鍋で茹でてから汁に加える。水を粉の同量弱くらいで溶くと、ゆるくて形は整えられないが汁に入れた時に柔らかく食べやすい。

うつわに豚汁をよそい、真ん中に先ほど作ったそばがきを入れて完成!



うつわ紹介

写真:奥山晴日
料理・執筆

だんだん店主・新田奈々
島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。
野に咲く花を生けられるようになりたいと大和未生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。
https://dandannara.com/