【あの人の贈りかた】ちょっとした工夫に、想いをのせる(スタッフ榎本)

贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?
誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。
そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。
今回は商品企画・デザイナーの榎本がお届けします。
家でも外でも美味しく食べられる「産地のカレー」

年齢を重ねるにつれて、お付き合いのご挨拶や御礼で、ちょっとした贈りものをする機会が増えてきた気がします。相手のことを思いながら選び、渡すこちらも嬉しくなるような、そんな贈りものをしたい。その想いは、若い頃よりもずっと強くなりました。
たとえば、週末をアクティブに、海や山、川といった野外で過ごすのが好きな人には、「産地のカレー」を贈ってみてはどうでしょう。
パッケージを開けた瞬間に広がる、カレーの芳醇な香り。ごろっとした野菜や肉の存在感が際立っており、外で食べるカレーをさらに美味しくしてくれます。
レトルトパウチなので、ハイキングやキャンプにも手軽に持ち運べますし、アウトドアのクッカー鍋などで、パウチごと温められるのも気に入っている点です。
ローカルカレーという少し通好みの贈りものは、「これ、実はね‥‥」と、贈る相手との会話を自然に弾ませてくれるはず。馴染みのある地域のカレーを相手に合わせて選ぶのも、楽しい時間です。
<贈りもの>
・商品名:産地のカレー
お茶の時間が好きなあの人に「奈良の焙じ茶 丸カステラ」

家でお茶をゆっくり楽しむのが好きな方には、「奈良の焙じ茶 丸カステラ」をよく贈ります。
肩肘張らない価格と気軽なパッケージとは裏腹に、箱を開けると、思わず笑顔になるような愛らしい丸いカステラ。しっとりとしたスポンジが驚くほどふわりとしていて、焙じ茶の奥深い香りが広がります。
表面に散りばめられたザラメは、ひと噛みごとにザクザクと小気味よい音を立て、食感のアクセントに。いただく前に温まる程度に少し炙ると、ザラメが溶けてキャラメルのような香ばしさが加わり、焙じ茶の香りと最高の相性を奏でます。
小さいお子さんも喜んでくれる一品です。
<贈りもの>
・商品名:奈良の焙じ茶 丸カステラ
ほんのりと想いを添える「手づくりのスプーン」

親しい知人や友人の祝い事には、手作りのスプーンを贈ることも。
スプーンは誰でも使うものですし、かさばらないので何本あっても困ることはないかなと思います。何より、削っている時間が好きなので、時間を見つけてはついつい作ってしまいます。
とはいっても作るのは大層なものではありません。身近な木の枝や木端を選び、長い時間をかけずに、あくまで短い時間でささっと作れるものです。
特別なものではなくても、そこに私の手が加わっているということ。日常的に使うものだからこそ、贈りものに一匙そっと忍ばせておくことで、私の想いがほんのり伝わる気がするのです。

贈りものを選んだあとも、その周りのことにちょっとだけこだわってみることがあります。
包み紙やメッセージカードの紙質、ペンのインクの色、結び紐の素材を少し変わったものにしてみたりと、自己流にあれこれ工夫するその時間が、実は贈る人とのつながりを実感させてくれる大切な時間のような気がしています。
以前、お茶の先生に「手づから」という言葉を教わりました。自ら手を動かし、相手をもてなすという意味だそうです。
たとえお店で買ったものをそのまま贈ったとしても、そこに込める本当の真心は、その品を心を込めて選ぶことや、手書きのメッセージ、相手を想いながら包む時間などの一つひとつの小さな工夫に宿るのかもしれません。
贈りものをするとき、ふと、その言葉を思い出したりします。
贈りかたを紹介した人:

中川政七商店 商品企画・デザイナー 榎本雄