【旬のひと皿】ふきのとう味噌とだし巻き玉子

みずみずしい旬を、食卓へ。

この連載「旬のひと皿」では、奈良で季節の料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。



「もうすぐ春ですよー」と小声でこちらにお知らせしてくれるような存在のふきのとう。

小さくてコロンとかわいい姿を野菜売り場で見かけると、ぼんやりしていた頭にスイッチが入り、うれしさのあまりついつい沢山かごに入れてしまいます。「また季節が変わるなぁ」と思いながら、帰宅するとすぐに調理にとりかかります。

春の苦みのあるお野菜は油ととても相性が良いので、油を少し多めに入れてからませてからふきのとう味噌を作ります。味噌は本当にさらっと、ふきのとうの味をサポートする程度に入れるだけ。

気温が上がると急成長して、花が一気に咲いてしまうため、毎年良い状態のふきのとうが売り場に並ぶ期間はまちまち。何度か出会えると「あぁまた会えた!」という気持ちになります。

なかなか出会えないレアキャラのふきのとう。少し多めにふきのとう味噌を作っておくと、いろいろと楽しめるのでおすすめ。ごはんにちょこんと乗せたり、菜の花と一緒にパスタにしても春を満喫できるひと皿になりそうです。お酒のおともに小さな豆皿にすこし盛ってちびちび食べるのもいいなぁ。

ふきのとうの香りや味を消さない程度にお味噌を入れて、苦みが強すぎる場合は少しお砂糖を入れて食べやすくしてみてください。蕎麦屋の定番だし巻き玉子に今回は合わせてみました。ちょっと添えるだけで季節も感じられる、玉子の甘味とたっぷりお出汁のだし巻き玉子。

寒さでちぢこまった身体も心もちょっとだけ和らげてくれる一品になればいいなと思っています。

<ふきのとう味噌とだし巻き玉子>

材料(2~3人分)

◆ふきのとう味噌
・ふきのとう…5個
・味噌…大さじ1/2
・砂糖…適量(お好みで) 

◆だし巻き玉子
・玉子…3個
・出汁…75ml
・そばつゆ…30ml(ご家庭の麺つゆでOK。濃縮タイプは、希釈した状態の分量)

作りかた

まずは、ふきのとう味噌から。ふきのとうを水でさっと洗い、土がついていないか確認する。根元を取り、半分に割る。

根元の黒い部分を取る

鍋にお湯を沸かし、塩少々(分量外)を入れふきのとうをさっと茹でる(大きさにより、30秒から1分ほど)。お湯から上げたら冷水に落として水気をしぼり、ざっくりみじん切りに刻んでおく。

冷水に落とした後、水気をしぼる

フライパンに油(分量外)をひいて、刻んだふきのとうを軽く炒める。油がなじんだら味噌を加えて、苦みが強い場合はお好みでお砂糖を入れて調整する。※油はなんでもよいが、香りの無いものがおすすめ。

ふきのとうの色を綺麗に保ちたい場合は、ボールなどに移し、氷水にあてて冷やす。

油をしっかり絡めて、味噌を加える。苦みが強い場合はお好みで砂糖も。

次にだし巻き玉子。ボールに卵を割り入れて混ぜ、溶きほぐす。その後、出汁とそばつゆを加えて再度かき混ぜる。

玉子焼き器を熱し、油(分量外)をひいてだし巻き玉子を作る。

最後に、だし巻き玉子をカットしてふきのとう味噌とともに器に盛り付けて完成。

うつわ紹介

信楽焼の魚皿 並白


写真:奥山晴日

料理・執筆

だんだん店主・新田奈々

島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。  
野に咲く花を生けられるようになりたいと大和未生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。
https://dandannara.com/

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