沖縄土産なら北谷の「タイムレス チョコレート」へ。「カカオ豆と沖縄のサトウキビだけ」から生まれるここにしかない味わい
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「チョコレートって豆から作るものなんです」
そんなシンプルな真実を、改めて教えてくれたのは沖縄のチョコレートショップでした。
お店の名前は「TIMELESS CHOCOLATE (タイムレス チョコレート) 」。
沖縄生まれのBean to Barチョコレート専門店です。
芳醇なカカオの香りに包まれる店内は、観光のお客さんだけでなく、一年を通して老若男女のお客さんで賑わっています。
沖縄初のBean to Barチョコレート専門店「TIMELESS CHOCOLATE」へ
「バレンタインシーズンは若い女性で賑わいますが、この間は『クッキー1枚ください』と小学生の女の子が買いに来てくれました。
焙煎したカカオ豆も売っているのですが、こちらは60、70代の方がよくリピートされるんですよ」
Bean to Barとは、チョコレートの原料であるカカオ豆の買い付けから製造、販売にいたるまで一貫しておこなう作り方のこと。
豆の状態から扱っているため、自分たちでレシピや商品アイデアを考え、様々なチョコレートの楽しみ方を提案しています。
原材料はカカオ豆とサトウキビだけ
商品づくりでTIMELESSが大事にしているのが、豆の味を最大限に引き出す「焙煎」の工程。
このロースト具合と豆の産地、育った季節などで、味わいは千差万別に変わるそうです。
実はお店がオープンしたきっかけも、元々バリスタだったオーナーの林正幸さんが「自身の焙煎技術を活かして何か作れないか?」と6年ほど前に考えたところがスタート。
そこに沖縄が誇るサトウキビを活かすアイデアが掛け合わさり、「原材料はカカオ豆とサトウキビだけ」という、沖縄にしかないBean to Bar専門店が誕生しました。
老若男女に愛されるTIMELESS CHOCOLATEの秘密
チョコレートは人工的に作られた素材や保存料や乳化剤、カカオバターなども不使用。
サトウキビは多良間島産純黒糖や島ザラメといった特徴の異なるものを使い分けます。
素材に対する林さんたちの想いは深く、年々生産者の減るサトウキビは、その味わいや歴史を守ろうと自分たちで農園を設立。
「沖縄で受け継がれてきた“命薬 (ぬちぐすい) ”としての純黒糖を絶やさないように」と、自ら生産する取り組みを行なっています。
「君たちがやろうとしていることってタイムレスだね」
店名の由来は、お店づくりを考え始めた当初に、林さんが友人からもらった何気ない言葉だったそう。
古い、新しいという枠を超えて、いつの時代も胸を張って出せるもの。心や身体の栄養となる、「ぬちぐすい」のような存在。
それを支えるのが、「原材料はカカオと沖縄のサトウキビだけ」という、シンプルな分、途方もなく手間ひまのかかる製造工程と言えそうです。
潔く、ごまかしのきかない作り方だからこそ、若い世代にも、小学生にもおばあちゃんおじいちゃんにも愛される味になる。まさに「TIMELESS CHOCOLATE」だなと思いました。
<取材協力>
TIMELESS CHOCOLATE
沖縄県中頭郡北谷町美浜9-46 ディストーションシーサイドビル2F
098-923-2880
https://timelesschocolate.com
文:尾島可奈子
写真:武安弘毅
*本文中の写真は2018年春の撮影時点のものです。
*こちらは、2019年8月19日の記事を再編集して公開しました。