デザイナーが話したくなる「ふんわりウールのベレー帽 」


中川政七商店で初めて作ったベレー帽。
デザイナーの鳥海さん自身、大人になった自分がかぶりたいベレー帽って?と考え始めたそうです。

鳥海さんは、10代のころベレー帽をよくかぶっていた時代があったそうです。
それから社会人になり、学生のころとは違うおしゃれを楽しみながらも、大人になったら今度はベレー帽をかぶるのが少し照れくさいなと、遠ざかっていたアイテムになっていました。

衣料品に携わっていた鳥海さん。そろそろ中川政七商店でベレー帽を作るのもいいのではと、いろいろ調べ始めました。
よく目にするものは、フェルトのものが多いのですが、形がしっかりとしているので、頭の形によってはなんだかしっくりこないということがあるそうです。少しかぶるのにもコツと慣れが必要なんですね。



そこでminoでお世話になっている日本有数のニット産地・新潟県 五泉市の「株式会社サイフク」さんと一緒に考えました。



帽子屋さんじゃないんですね?と不思議に思いましたが、触ったら納得の風合いと柔らかさ。
ふんわり柔らかな、いつまでも触っていられるような生地感は、さすがニットのプロ!!
これでセーター作ったら気持ちがいいだろうなと思う帽子です。



柔らかいけれど、しっかりしている感じもするのは、強縮加工をほどこしているからだそう。
初めて聞いた言葉ですが、いわゆる最終的にフェルト状にする加工ということです。

細かい目で編み上げたものを加工することで、さらに毛の風合いを良くして目を詰まらせていきます。
もっと長い時間強縮加工をするとよりフェルト状になっていきますが、今回は編地とふんわりした風合いを残すための適度な加減を調整しています。
このふんわりとした状態は空気を含み、目の詰まりで風を通しにくくすることで、保温性を高めています。



帽子の形にするために、ニットを縫っている部分があるのですが、これが言われないとわからないくらい、きれいにつなぎ合わされています。
これはリンキングといって、ひとめひとめ目を刺してつなぎ合わせていく縫製方法になるのですが、ここを目立たなくするのにリンキング目をできるだけ小さくしたそうです。
リンキングでは、裏側に縫い目が出ることもないので、かぶった時のごろつきもありません。



ベレー帽らしい真ん中にちょんと付いている飾りが気に入っているのですが、これはあとから付けたものではないんです。ニットでそのまま編まれているので、細すぎず自然と帽子に馴染んでいるのが、目立ちすぎずポイントになっています。



どんな頭の形にも柔らかくてなじみのいいベレー帽。かぶっていても気にならない軽さで、きれいめにかぶっても、くしゃっとかぶっても、さまになります。
「少し照れくさいな」から、「かぶってみたい」と思える大人のベレー帽ができました。
どの年代の方にも似合う、おばあちゃんにもかぶってほしいと、中川政七商店らしい初めてのベレー帽に鳥海さんも嬉しそうでした。

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