【旬のひと皿】梅とレモンの甘露煮風シロップ

みずみずしい旬を、食卓へ。

この連載「旬のひと皿」では、奈良で季節の料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。



旬のひと皿 梅とレモンの甘露煮風シロップ

「最近雨が多いねぇ」と、母と話をしてしていたら梅雨入りしていました。少し前までは、もう夏が来たのかなという気温で、うっかりどんぐりの鉢植えの水を切らしてしまい、瑞々しい葉の一部が茶色くなってしまいました。梅雨の間は水やりを気にする事もなく、植木も喜んでくれそうです。

今回は何をテーマにしようかなと思い、梅を使ったつるっと喉を通る爽やかなゼリーを作りたいなと考えました。梅は発酵しやすいのと、水分が上がるまでに少し時間がかかるのが注意点。どんなやり方が失敗せず、おいしいシロップができるかなと、試しに数種類作ってみました。

まずひとつ目は梅が並び始めた最初に、青梅とレモン、河内晩柑を入れて酵素シロップを。青梅に包丁を入れて種と身を分けて作っています。実の部分はカリカリの砂糖漬けのようになっていてまだ完成までは時間がかかりますが、梅自体も既に美味しくて癖になる食感です。

もうひとつ、青梅と氷砂糖を瓶に入れ毎日揺すってシロップを製作中。こちらも1か月ほど後のお楽しみです。

最終的にこれにしよう!と決めたのは、梅もシロップも一度に美味しく仕上がる甘露煮風!

甘露煮とシロップと両方楽しめ、仕事終わりにシロップを炭酸で割って飲んでみたところ、シュワっと爽やか。疲れもシュワっと吹き飛ぶような美味しさになりました。

今回は大きな4Lサイズの青梅が手に入りましたので、青梅でチャレンジしています。梅に剣山で穴を開けて、色止めのためによく洗い、殺菌した十円玉を入れて作りました。これは綺麗に青梅を煮るための工程ですので、省略してくださっても。黄色く色づいた完熟梅で作る場合には不要です。

急いで作るとせっかくの青梅の灰汁が少し残ってしまい気になるので、しっかり浸水させて、梅を茹でる工程を水を変えて3回。砂糖を入れて煮るときに灰汁を十分にとりながら煮ていき、シロップがとろりとしてきたら完成です。

グラスに梅をひとつとシロップをたらり、炭酸で割って初夏を乗り切るアイテムを今のこの時期に仕込んでおくと楽しみができますね。 

<梅とレモンの甘露煮風シロップ>

材料

・梅…1キログラム
・砂糖…500グラム
・レモン…1~2個(青梅は酸味が強いので1個、完熟梅の場合は2個でも) 

◆寒天ゼリー
・市販の寒天粉末…4グラム
・水…1リットル

作りかた

梅はひと晩(時間がない場合は2~3時間)、水にさらしてアクを取っておく。
(※完熟梅の場合、アク抜きは不要)。

へたを取ってから、煮たときに破れにくくするために、剣山や針などで梅の皮に穴をあける。
(※穴あけも、完熟梅の場合は不要)

爪楊枝や金串などでへたを取る
軽くコロコロと。

水で洗い、鍋に入れていく。
梅がひたひたにかぶるくらいに水を入れ、沸騰しないように30分ほどコトコトと煮る。
(※撮影では土鍋を使用していますが、ステンレスやホーロー鍋が扱いやすくておススメです)

色づきを綺麗にしたい場合、消毒しておいた10円玉を一緒に入れてもよい
弱火でコトコト

梅がやわらかくなってきたら火から下ろす。しっかりとアクを抜き、後味のさっぱりとした甘露煮とシロップにするために、しばらく水にさらす。

ここまでの、梅を煮て水にさらす工程を3回ほど繰り返す。2回目以降は煮る時間を短くする。

梅に直接水が当たらないように、巻きすなどを使えるとよい。※土鍋の場合、急冷すると割れる可能性があるため注意する

レモンは皮を取り、輪切りにする。

梅を一度取り出し、鍋に1リットルの水を入れて戻す。再び火にかけて、3回くらいに分けて砂糖を入れる。レモンも入れる。
梅の味をシロップに浸透させるようなイメージで、じっくり煮ていく。
※土鍋の場合、底が濡れたまま火にかけると割れる可能性があるので注意する。

シロップがとろっと濃度がつくまで煮詰める。煮汁を飲んでみて、梅の味とレモンのさっぱりした味が出ていれば完成。

別途、冷やしておいた寒天ゼリーにシロップをかけて、梅を載せて盛り付ける。

寒天ゼリーは、小鍋に水1リットルと粉寒天4グラムを入れてかき混ぜてから火にかける。鍋底から軽く混ぜながら、鍋のふちがふつふつしてくるまで熱し、容器に流しいれて冷やし固める
種を取って載せるのも食べやすくておススメ

うつわ紹介

硝子の涼菓皿


写真:奥山晴日

料理・執筆

だんだん店主・新田奈々

島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。  
野に咲く花を生けられるようになりたいと大和未生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。
https://dandannara.com/

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