オチビサンと巡る四季の鎌倉 〜木々が色づく文学の秋編〜
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鎌倉の伝統工芸といえば鎌倉彫。鎌倉時代に仏像を作る仏師たちが、木の器に彫刻をし、漆をぬり重ねたのが始まりといわれています。今回は、現在の鶴岡八幡宮前に店舗を構えたのが1900年という老舗、博古堂(はっこどう)のお店へ。
緊張感のある店内には息をのむ美しさの作品がずらり。すべてお店の裏の工房で製作されているという作品たちは、明治時代に生まれた商品も作り続けている一方でモダンなデザインの物も多くありました。値段も手頃で若い女性に人気だという小鏡は種類もたくさん。レトロでかわいらしいオチビ色も良いけど大人っぽいナゼニ色も捨てがたい…とついつい悩んでしまいましたが、おばあちゃんになっても大切にできる、一生もののお買い物ができました。
15時はおやつの時間だなんて、一体誰が言い出したんでしょう。そんなことを言われたら、15時にはおやつを食べずにはいられない。オチビたちだっていつもおやつを食べているもの。とナゼニさながらに理屈をこねながら煮あずきの名店、甘処あかねに到着。かわいらしい真っ赤なのれんをくぐって、店内へ。
今年は栗が早かったので残り少ないという自家製栗の渋皮煮を使った数量限定の秋色まろんパフェ、そして定番のあたたかい煮あずきをオーダー。罰があたるんじゃないかと思うぐらいのおいしさと大きなあずきに驚いていると、「うちの甘味はアイスクリーム以外全部手づくりなんです」とお姉さんが教えてくれました。どうりでおばあちゃんを思い出すやさしい味なんだ。ああ、あったかくて甘いものがあればいつでも幸せ。
*秋色まろんパフェは毎年数量限定のメニューです。すでに終了している場合もございます。ご了承ください。
和と洋、新と旧が同居する鎌倉の街。今日はたくさん老舗を回ったけれど、お土産は人気のジャム屋さんで。菓子研究家のいがらしろみさんが開いたRomi-Unie Confiture(ロミ・ユニ コンフィチュール)に向かいます。
「お菓子みたいなジャム」をコンセプトに、季節ごとに40種類以上のジャムを店内のアトリエでグツグツと煮込んでいるそう。タイミングが合えば店内のちいさな窓からアトリエでジャムを作る様子を見ることができます。作った場所で、できたてのおいしいを買う、普通のことが難しい今の時代、なんてぜいたく。
りんごにいちじくに洋梨にさつまいも…。旬のフルーツを使ったジャムの名前を見ているだけで季節を感じます。いがらしろみさん自身でデザインしたというジャムのパッケージがかわいくてとっても印象的。パンくいにプレゼントしたら喜んでくれるだろうな。
すっかり日が暮れるのも早くなって、そろそろ帰る時間。文学者たちが愛する鎌倉の街で眺める月は、なんだかいつもと違う顔をしていました。文学の秋、しおり用の葉っぱは拾いすぎませんよう。ではまた冬に。
日本の伝統工芸の名工をオチビサンが巡る企画、第二弾 箱根寄木細工「どんぐり入れと一輪挿し」を発売しました
「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げる奈良の老舗、中川政七商店とオチビサンが、さまざまな地域を見つめ、その土地で感じた “ちいさな発見” を、ものづくりを通じて発信するプロジェクト。第一弾の鎌倉彫「豆皿セット」に続き、第二弾として、江戸時代に箱根で発祥した寄木細工の技法を用いた「どんぐり入れ」と「一輪挿し」が発売されました。鎌倉で見つけたちいさな秋はこの中へ。
寄木細工でつくったオチビサンのちいさな秋満喫セット ~どんぐり入れと一輪差し~ 特設ページ
探訪の一覧
光則寺
鎌倉市長谷3-9-7
0467-22-2077
鎌倉文学館
鎌倉市長谷1-5-3
0467-23-3911
www.kamakurabungaku.com
社頭
鎌倉市小町2-7-26
0467-22-2601
*2017年2月〜3月は耐震工事のため休業予定
博古堂
鎌倉市雪ノ下2-1-28(鶴岡八幡宮 三の鳥居脇)
0467-22-2429
www.kamakurabori.org
甘処あかね
鎌倉市小町2-10-10 榎本ビル1F
0467-23-0667
niazukiakane.chakin.com
Romi-Unie Confiture ロミ・ユニ コンフィチュール
鎌倉市小町2-15-11
0467-61-3033
www.romi-unie.jp
文:井上麻那巳
写真:後藤洋平