由比ヶ浜の風を感じる古民家で、打ち立ての蕎麦をいただく 鎌倉 松原庵
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こんにちは。さんち編集部の山口綾子です。
旅に出かけたら、何をいちばん優先しますか?やっぱり「食」と答える方が多いのではないでしょうか。
でも、ガイドブックに大きく載っているお店だけでは物足りない。地元の人たちおすすめのお店で、その土地の空気を味わいたい。そしてそこに、地元のお酒と美味しい肴があれば最高ですよね。
今日は由比ヶ浜駅から程近い「鎌倉 松原庵」さんを訪ねました。
鎌倉駅から江ノ島電鉄に乗り換え、のんびり揺られながらもあっという間に由比ヶ浜駅に到着です。由比ヶ浜駅から徒歩2~3分、こんなに閑静な住宅街の中にお店がある‥‥?と少し心配になりますが、すぐに「鎌倉 松原庵」の看板が見えてきます。
大きなのれんをくぐって敷地内へ。古民家の落ち着いた雰囲気の中にあたたかみのある照明が効いています。景色も含めて素晴らしい晩酌の時間になりそうです。
店内は全部で70席あり、テーブルと座敷、テラスがあります。今回は座敷に通していただきましたが、夏~初秋のテラス席も格別だとか。冬場も利用は可能で、ストーブとブランケットが用意されています。
鎌倉 松原庵さんは、2007年3月に開業されました。きっかけは“築70年の古民家があるのでそこを蕎麦屋にしませんか”というお話があったからだそうです。
松の木をはじめとした自然を含めた環境と建物の調和が取れていたため、なるべくその状態を活かした店づくりを心がけていらっしゃいます。店内に入ると、あたたかな品格もありながら、まるで誰かのお家にお邪魔しているかのような居心地です。
いよいよ、晩酌です
「旬菜三点盛り」と人気の「すだち鬼おろしそば」、神奈川のおすすめの日本酒を注文します。
お通しは、きゅうりに醤油豆をのせたもの。甘じょっぱい味が晩酌にぴったりです。ちなみにこの醤油豆は系列店の「酢重正之商店(すじゅうまさゆきしょうてん)」で販売されています。
「旬菜三点盛り」は、季節によって内容が変わることもあるそうです。今回は春の味覚が満載でした。
塩でいただくアツアツの天婦羅と、ピリっと甘辛いきんぴら、出汁のきいた優しい味のおひたしと3種がバランス良く楽しめます。天婦羅には、鎌倉ならではの海鮮あられ揚げもおすすめです。
日本酒は「天青 風露 特別本醸造」。とても飲みやすく、後味がサッと辛口の美味しい日本酒でした。
「すだち鬼おろしそば」は、すだちのさっぱりとした苦味と蕎麦のつゆ、大根おろしが絡み合って、人気が高いのも大きく頷けます。
お、美味しい!蕎麦は細めの二・八の田舎蕎麦で、喉越しがよく風味が豊かなことがひとつの特徴の蕎麦です。その日に食べる分だけ、店内で手打ちをするそうです。
鎌倉 松原庵さんのお料理へのこだわりが、“蕎麦前”という江戸時代からの粋な蕎麦の食べ方にあります。この食べ方をお客様に味わっていただくために一品料理の品揃えにも注力されているとか。
「ご友人やご家族と、会話を楽しみながらお酒に合う一品料理をつまみ、最後に蕎麦で〆る、という時間を鎌倉 松原庵の空間とともにお楽しみいただけると幸いです」とのこと。
料理、空間、サービスといったすべてが、お客様の邪魔にならないよう、昔からこの場所を知っていたかのような雰囲気づくりを心がけていらっしゃるということを聞いて、最初に感じた居心地の良さに結びつきました。
人気のお店ではありますが、今の時期からあじさいが咲く頃までは比較的落ち着いているようです。併設のカフェも同じく居心地が良く、あっという間に時間が経ってしまいますよ。平日の夜に行かれることをおすすめします!
こちらでいただけます
鎌倉 松原庵
神奈川県鎌倉市由比ガ浜 4-10-3
TEL 0467-61-3838
<アクセス>
「江ノ電由比ヶ浜駅」から徒歩3分
<営業時間>
11:00 ~ 22:00(21:00 LO)
<定休日>
なし
文:山口綾子
写真:鎌倉 松原庵 / 山口綾子