【暮らすように、本を読む】#11「丁寧に暮らしている暇はないけれど。」
自分を前に進めたいとき。ちょっと一息つきたいとき。冒険の世界へ出たいとき。新しいアイデアを閃きたいとき。暮らしのなかで出会うさまざまな気持ちを助ける存在として、本があります。
ふと手にした本が、自分の大きなきっかけになることもあれば、毎日のお守りになることもある。
長野県上田市に拠点を置き、オンラインでの本の買い取り・販売を中心に事業を展開する、「VALUE BOOKS(バリューブックス)」の北村有沙さんに、心地好い暮らしのお供になるような、本との出会いをお届けしてもらいます。
<お知らせ: 「本だった栞」をプレゼント>
先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。
忙しくても、ズボラでも。無理せず整う暮らしのコツ。
『暮らしのおへそ』(主婦と生活社)をはじめ、フリーの編集者・ライターとして、さまざまな女性誌や書籍を手がける一田憲子さん。これまで取材先で出会った人やその暮らしから持ち帰ったアイデアを、自分なりに咀嚼して暮らしに落とし込むことで、時間をかけずに豊かに過ごすコツを見つけてこられました。本書では、その具体的な方法や考え方を、愛用する日用品と共に衣食住のそれぞれのシーンごとに紹介しています。
「丁寧な暮らし」という言葉を耳にする機会も増え、手間暇かけて育む豊かな生活に憧れを持つ人は少なくないことでしょう。私もその一人です。しかし、ズボラな自分にそれを叶えるのは到底無理だと諦めていました。
著者もまた忙しい日々を送り、掃除も片付けも苦手な「面倒くさがり」であると語ります。「同時進行で二つのことをするのが苦手」「疲れがたまってくると、次々に毎日やることのシャッター閉まっていく」など、人間味溢れる一面はどれも私の身にも覚えのあるものばかり。丁寧に暮らす暇はない、「それでも」、心地よく過ごすため、ほんの少しの時間でも日々工夫を繰り返す。何より励まされるのは、できないことは認めながらも自分にフィットする暮らしを見つける、そのプロセスを楽しんでいること。
ゴミ捨てついでにゴミ箱の中まで拭く。洋服は畳まず吊るし、下着は引き出しに投げ込むだけ。キッチンクロスは洗わず10分火にかける。忙しい日こそ揚げ物をつくる。
なにげない工夫から思いがけないことまで。ズボラだからこそ、日常のルーティンのなかに「ついでの掃除」を組み込んだり、行動パターンに沿った「収納場所」をつくるのだそう。それでも気分がのらない時は、無理せず自分を休めるのも大事だとも。「これならできるかも」と思える気軽なアイデアを、一つ二つと実践していくうち、ズボラでも自然と暮らしが整う仕組みになっているのが、本書のすごいところ。
なるべく頑張りたくないけど、健やかに、自分らしく暮らしを楽しみたい。そんなわがままを叶えてくれる一冊です。
ご紹介した本
一田憲子『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』
本が気になった方は、ぜひこちらで:
VALUE BOOKSサイト『丁寧に暮らしている暇はないけれど。』
先着50冊限定!ご紹介した書籍をVALUE BOOKSさんでご購入いただくと、同社がつくる「本だった栞」が同封されます。買い取れず、古紙になるはずだった本を再生してつくられた栞を、本と一緒にお楽しみください。詳細は、VALUE BOOKSさんのサイトをご覧ください。
VALUE BOOKS
長野県上田市に拠点を構え、本の買取・販売を手がける書店。古紙になるはずだった本を活かした「本だったノート」の制作や、本の買取を通じて寄付を行える「チャリボン」など、本屋を軸としながらさまざまな活動を行っている。
https://www.valuebooks.jp
文:北村有沙
1992年、石川県生まれ。
ライフスタイル誌『nice things.』の編集者を経て、長野県上田市の本屋バリューブックスで働きながらライターとしても活動する。
暮らしや食、本に関する記事を執筆。趣味はお酒とラジオ。保護猫2匹と暮らしている。