開け!未知への扉。1泊2日で楽しむ燕三条の旅
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こんにちは。さんち編集部です。
8月の「さんち〜工芸と探訪〜」は新潟県の燕三条特集。燕三条のあちこちへお邪魔しながら、たくさんの魅力を発見中です。
今日は、いよいよ秋には一大工場見学イベント「燕三条 工場の祭典」を控える、燕三条特集のダイジェスト。さんち編集部おすすめの、1泊2日で燕三条を楽しむプランをご紹介します。お祭りより一足先に、見どころを巡ってみましょう!
今回はこんなプランを考えてみました
1日目:目で舌で、ものづくりの町の歴史と文化に触れる
・燕三条Wing:行きの情報収集に便利な駅ナカお土産店
・燕市産業史料館:工場見学の予習復習に
・玉川堂:ものづくりの町・燕の中心的存在
・杭州飯店:工場の町の職人に愛される、燕背脂ラーメンの元祖
・ひうら農場:異業種を巻き込み、燕市の「ものづくり」を発信する農家
・ツバメコーヒー:燕のメディアを目指すお店で、自家焙煎の本格コーヒーを
・FACTORY FRONT:燕三条のものづくりを発信するオープンファクトリー
・嵐渓荘:ものづくりの町の奥座敷にある、とっておきの隠れ宿
2日目:話題の包丁からご当地パンに地酒まで。旅の出会いを我が家へお持ち帰り
・スノーピーク:人気アウトドアブランドの生まれる場所へ
・庖丁工房タダフサ:併設のファクトリーショップも必見
・三条スパイス研究所:東京の人気スパイス料理店が地域の「えんがわ」に?
・山田ベーカリー:三条で愛されるご当地パン「サンドパン」
・福顔酒造:三条市唯一の日本酒蔵元
・燕三条地場産業振興センター:燕三条産の金物製品が圧巻の品揃え
では、早速行ってみましょう!
1日目:目で舌で、ものづくりの町の歴史と文化に触れる
1泊2日の燕三条旅は、エリアの中心に位置する上越新幹線・燕三条駅からスタートです。見どころは各地に点在しているので、移動には車が便利。駅からレンタカーを利用すると、ちょっと遠くまで足を伸ばせます。
【朝】行きの情報収集や帰りの買い物に便利な駅ナカお土産店
燕三条Wing
上越新幹線の燕三条駅に降り立ったらまず立ち寄りたいのが構内にある観光物産センター「燕三条Wing」。新幹線の改札階にあり、広々とした休憩スペースのある観光案内所もあって、駅に着いてすぐの観光相談にも応じてもらえます。観光マップやパンフレットも各種備えられているので、ガイドブックには載っていない地元情報もここで集めて、いざ町へ!
【午前】工場見学の予習復習に。美しいスプーンコレクションも必見
燕市産業史料館
燕市の主要産業である金属加工の歴史の全体像を、本館と別館、新館に分かれて知ることができます。一帯の工場見学に出かける前にまずここを訪ねると一層理解が深まるはず。
【午前】ものづくりの町・燕の中心的存在
玉川堂 (ぎょくせんどう)
1816年創業の鎚起銅器の老舗。前庭のある工房兼店舗は、築100年以上の日本建築で、国の登録有形文化財にも指定されています。建物奥の工房は、常時見学が可能。銅を叩く音がこだまする畳敷きの空間で、一枚の銅板から徐々に器が形づくられていく伝統の技の美しさを感じられます。
>>>>>関連記事 :「燕三条に見る産業観光の未来」
「わたしの相棒 〜1つの湯沸かし、20の鳥口〜」
【お昼】工場の町の職人に愛される、燕背脂ラーメンの元祖
杭州飯店 (こうしゅうはんてん)
お腹がすいてきたら、ぜひ地元の職人に愛される工場飯を。杭州飯店は燕背脂ラーメンの元祖で、昼時や休日は行列ができる人気店。高度経済成長期に工場での残業夜食の出前に愛用され、お客さんの要望に応えながら進化し、親しまれている燕伝統の味をぜひおためしあれ。
杭州飯店の情報はこちら
>>>>関連記事 :「燕背脂ラーメンの元祖、金属工場の町で育まれた杭州飯店の中華そば」
【午後】異業種を巻き込み、燕市の「ものづくり」を発信する農家
ひうら農場
実はお米をはじめとした農作物も豊富な燕三条エリア。燕市吉田地区にあるひうら農場は、現当主・樋浦幸彦さんで27代目という800年続く歴史ある農場。「燕三条 工場の祭典」にも2015年から参加し、食べ物も金物も含めた燕市の「ものづくり」を発信しています。農場では畑・田んぼ見学、きゅうり収穫体験、きゅうり・お米購入などが楽しめます。(要予約、内容は予約時に要確認)
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>>>>>関連記事 :「27代続く農家が拓く、800年目の米づくりとまちづくり」
【午後】燕のメディアを目指すお店で、自家焙煎の本格コーヒーを
ツバメコーヒー
一息つきたい時には、ぜひこのお店へ。店主の田中辰幸さんが一杯一杯丁寧に淹れる、自家焙煎の本格コーヒーが味わえる。大きな本棚のある店内は居心地がよく、併設の生活道具のショップには地元燕の製品も充実。美味しいコーヒーとともに燕の今の空気を味わおう。
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>>>>>>関連記事 :「燕のメディアを目指す、ツバメコーヒー」
【午後】燕三条のものづくりを発信するオープンファクトリー
FACTORY FRONT
1日目最後の工場見学先は、名刺入れ専門店「mgnet」のショップが併設された、株式会社MGNET (マグネット) のオープンファクトリー施設。
ショップには金属製の名刺入れはもちろん、定番の革製、珍しい木製の名刺入れ等、専門店ならではの品揃えに加え、燕三条のものづくりに関する情報やアイテムも充実。製造の現場を目の当たりにすると、ますます欲しくなってしまいます。
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>>>>>関連記事 :「金型屋がなぜ名刺入れを作るのか?ものづくりの町の若き会社MGNETの挑戦」
【宿】ものづくりの町の奥座敷にある、とっておきの隠れ宿
嵐渓荘
1日目は主に燕エリアの見どころを巡ってきましたが、宿はぐぐっと三条の奥座敷・しただ温泉郷へ。渓流沿いに建つ旅館・嵐渓荘は、ゆったりできる温泉、山の幸がいっぱいの料理、落ち着いた雰囲気の客室が魅力。登録有形文化財である木造三階建ての本館は風格あるたたずまいです。
結婚式や宴会、法事、日帰り湯などさまざまな形で地元の人たちにも親しまれるとっておきの隠れ宿で、旅の疲れを癒しましょう。
嵐渓荘の情報はこちら
>>>>>>関連記事 :「ものづくりの町の奥座敷。渓谷の隠れ宿、嵐渓荘」
*宿でくつろぐ前に、土地らしいお店で一杯やりたいなあという人は、ぜひ三条随一の繁華街、「本寺小路 ( ほんじこうじ ) 」へ。
2日目:話題の包丁からご当地パンに地酒まで。旅の出会いを我が家へお持ち帰り
【午前】人気アウトドアブランドの生まれる場所で、実際の使用シーンまで丸ごと体感
スノーピーク
機能性の高さとスタイリッシュなデザインの製品で熱心な愛用者も多いアウトドアブランド、スノーピーク。新潟県三条市にある本社には一般の人も利用出来るキャンプ場と直営ショップが併設されています。
ショップでの買い物を楽しむもよし、時間のある人はスノーピーク製品を利用してのキャンプを満喫するもよし。広大な自然に囲まれながら「人生に、野遊びを」を掲げるスノーピークの世界観にじっくりと浸ってみては。
スノーピークの情報はこちら
>>>>>>>関連記事 :「本社はキャンプ場のなか。スノーピークに教わる、今さら人に聞けない『キャンプの基本』」
【午前】併設のファクトリーショップも必見
庖丁工房タダフサ
三条産包丁の代表的メーカー、タダフサの工房では、鍛冶の現場を間近で見学できます。ものづくりの熱気に触れたあとは、併設のファクトリーショップへ直行。プロ向けから蕎麦切りパン切りなど、あらゆる種類の包丁が揃うので、自然と新しい包丁で料理の腕をあげようという気分になるかも。
庖丁工房タダフサの情報はこちら
>>>>>>>>関連記事 :「職人に教わる、包丁の手入れ」
【お昼】東京の人気スパイス料理店が地域の「えんがわ」に?
三条スパイス研究所
三条でランチを食べるならぜひここに。東京・押上の人気店「スパイスカフェ」の伊藤シェフがメニュー開発に参加し、2016年春に誕生したスパイス料理店。カレーやビリヤニなど、スパイスと旬の食材を調合=ミクスチャーしながら食べるセットメニューが充実。
ナチュラルな雰囲気の木造の建物は地域のイベントスペースとしても利用され、近所の人たちに「えんがわ」の愛称で親しまれています。
三条スパイス研究所の情報はこちら
>>>>>>>>>関連記事 :「東京の人気スパイス料理店と新潟の金物の街が出会って生まれた、三条スパイス研究所とは?」
【午後】三条で愛されるご当地パン「サンドパン」の人気店
山田ベーカリー
さて、ここからお買い物を一気に加速させていきましょう。山田ベーカリーは、創業80年を超える三条の町のパン屋さん。約40種類あるパンのなかでの一番人気は「サンドパン」。新潟県内ならどこのパン屋さんにもあるご当地パンです。コッペパンにバタークリームを挟んだパンはナチュラルな味わい。帰りの新幹線の中のおやつにちょうどよさそう。
【午後】三条市唯一の日本酒蔵元
福顔酒造
お酒好きならお土産に地酒は欠かせません。三条市唯一の日本酒蔵元である福顔酒造は明治30年の創業。地元産の上質な酒米と超軟水である五十嵐川の伏流水を用いた日本酒は、丁寧に手をかけ伝統を重んじたまじめな造り。純米酒、大吟醸を始め地元産の洋梨を使ったリキュール「ル レクチェのお酒」など品揃えも豊富。各種試飲しながら選べるのも嬉しい。
【夕方】燕三条産のあらゆる金物製品が揃う
燕三条地場産業振興センター
さて、そろそろ1泊2日の燕三条旅もおしまいが近づいてきました。上越新幹線燕三条駅のほど近くにある燕三条地場産業振興センターは、燕三条産のあらゆる金物製品が揃い、その広さと品揃えの豊富さは圧巻の一言。ぜひ時間に余裕を持ってじっくりと旅を締めくくるお買い物を楽しみたいところです。
館内の「レストラン メッセピア」では、地元産食材と燕三条の食器・カトラリーを用いた食事を楽しむこともできるので、小腹が空いた人は最後にこちらへ駆け込んでも。
日本有数の金属加工の「工場」の町でありながら、お米や野菜を耕す「耕場」、生活用品からプロ仕様の道具まで購入できる「購場」までが揃う燕三条の町。毎年10月の「燕三条 工場の祭典」では、普段は公開されていない工場もその門戸をあけ、町全体がものづくりの熱気に包まれます (2017年は10月5日 (木) ~8日 (日) 開催) 。
ふと思いたった時に行くもよし、10月のイベントめがけてプランを練るもよし。日常に刺激が足りないなと思ったら、暮らしの道具を見直したいなと思ったら、ものが生まれる瞬間を覗きに、燕三条を訪れてみてはいかがでしょうか。
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撮影:神宮巨樹、小俣荘子、丸山智子
写真提供:庖丁工房タダフサ