ものづくりの熱気に触れる、「燕三条 工場の祭典」へ出かけてみよう!
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こんにちは。ライターの丸山智子です。
10月5日 (木) から8日 (日) の4日間、日本を代表する金物産地のひとつ、新潟県燕三条とその周辺地域で、「燕三条 工場の祭典」が開催されています!
普段は目にすることのない町工場の中を見学したり、現役の職人たちに教わりながら、さまざまな体験ができるイベントです。
見学できるのは、金属製品の「工場」 だけでなく、農業に取り組む「耕場」 、土地らしい産品を購入できる「購場」の3つのKOUBA。開催5年目の今年は、過去最多の103箇所のKOUBAが参加しています。
工場見学はもちろんのこと、それぞれのKOUBAならではのワークショップも楽しみのひとつ。そこで今回は、ワークショップを体験できる4箇所のKOUBAをメインに巡ってみました。
KOUBAめぐりのおともには「さんちの手帖」を忘れずに
「燕三条 工場の祭典」では、「さんち~工芸と探訪~」のスマートフォン用アプリ「さんちの手帖」が公式アプリとして採用されています。
各KOUBAの見学・体験情報に加えて、地図からKOUBAを探せる機能も搭載。さらにスマートフォンの位置情報をONにしておくと、103箇所全てのKOUBAにある「旅印 (たびいん) 」を取得することができます。たくさん集めると、どうやら良いことがあるようです。
イベントの合言葉は、「開け!KOUBA」。さぁ、KOUBAのまちへ出かけましょう!
【耕場】切り口から水が滴る!新鮮なアスパラガスの収穫体験
1軒目のKOUBAは燕市の「宮路農場」。コシヒカリの他、アスパラガスやトウモロコシ、ブロッコリーなどの野菜を栽培している“耕場”です。
ここで体験できるワークショップはアスパラガスの収穫体験。早速畑にお邪魔します。
宮路さんから最初に手渡されたのは収穫用のはさみ‥‥ではなくなんとプリン。宮路農場で収穫したトウモロコシを加工したもので、卵とトウモロコシの風味が口いっぱいに広がって、本当に美味しい!
美味しくいただきながら、宮路農場で育てている作物の紹介や生産方法などを教えてもらいました。今年でアスパラガスを育てて4年目だそうですが、まだまだ試行錯誤を重ねているとのこと。
それでは専用の収穫バサミを借りて、いざ、広大なアスパラガス畑の中へ!
葉が生い茂る畑の中から収穫できるサイズに育ったアスパラガスを探すのは、まるで宝探しのよう。はさみを入れると意外と力を入れずにサクッと収穫することができます。どんどん夢中になってしまい、さらに奥へ、奥へと進みます。
この収穫体験で感動したのが、アスパラガスの切り口から滴る水滴!
新鮮な証拠であり、「こんなにみずみずしいんだ!」と実際に自分で収穫してみないと知ることができなかった発見でした。
宮地さんが育てている新種の枝豆「越の秋姫」もお土産でいただき、燕の大地の恵みに感謝しつつ次のKOUBAへ向かいます。
そしてアプリでも、1箇所目の旅印を取得することができました!
【購場】燕伝統の「鎚起」の技でオリジナルのしおり作り
宮路農場さんから車を走らせること約10分、2軒目は同じ燕市内の“購場”「MGNET (マグネット) 」へ。
こちらは隣接する「武田金型製作所」の子会社で、チタンや真鍮など5種類の素材を使った名刺入れなどを製造・販売されています。
さらにオープンファクトリー型施設「FACTORY FRONT presented by MGNET」も運営されており、MGNETに来るだけで燕三条の魅力的な製品に触れて実際に購入することができます。
こちらで体験できるワークショップは、「スプーンづくり」と「銅板しおりづくり」。私は「銅板しおり作り」に挑戦することにしました。
MGNETの拠点・燕市には、1枚の銅板を鎚 (つち) で打ち延ばしたり絞ったりして製品を生み出す、伝統工芸「鎚起銅器 (ついきどうき) 」の技術が受け継がれています。
「銅板しおり作り」では、たった1枚の板からカップややかんなど複雑な形を生み出せる「鎚起」の技術を、実際に体験することができます。
まずはじめに、鎚起銅器の製造過程を可愛いイラストとわかりやすい説明でレクチャーしてもらいます。
しおりサイズの銅板に、金槌を何度も打ちながら「槌目 (つちめ) 」という模様をつけ、さらに厚紙で浮き上がらせたいモチーフを作って銅板に貼り付け、木槌で叩いて浮き出させていきます。
デザインは自由なので、燕市にちなんで「雲の間を飛ぶツバメ」を描いてみました。
時間が経つのも忘れて黙々と集中して打ち込んでいくと‥‥
最後に研磨剤で磨き上げて、完成です!
自分で作った世界にたった1枚のしおり。しかも伝統の技を体験できた、大満足のワークショップでした。
【工場】フォトジェニックな工場で、ミラーボール作り!
3軒目に訪れたのは三条市にある「永塚製作所」。大正初期の創業以来、家庭用の金属雑貨製品を主に製造されている会社です。昨年は「FIELD GOOD」というスコップブランドを発表し、グッドデザイン賞を獲得されています。
訪れるとまず目を引くのは、巨大なスコップのオブジェ!
長岡造形大学の学生たちがアイディアを出し合い、「来場した人が楽しめる、インスタ映えするスポットにしましょう」と、初夏の頃から準備を進めたそうです。
工場内では、3台のマシンがプシュー、ガッコン、プシュー、ガッコンと規則的な音を立てながら連動して、平らなスチールの板をあっという間に立体的なスコップにしていく様子を見学できます。
「やってみますか?」とプレス作業も体験させてもらえました!
こちらで体験できるワークショップは「ミラーボール作り」。プレスした時に端材として出る丸いスチールのチップを透明のボールに貼り付け、油性ペンで好きな色をつけます。
【購場】ウコンの葉の大きさに驚きつつ、ひとやすみ
続いては北三条駅近くの「三条スパイス研究所」へ。地元では「スパ研」の愛称で親しまれている食堂で、スパイスや旬の食材による料理を自分で混ぜながら食べる『ミクスチャースタイル』の料理が楽しめます。
「スパイス=異なるものをミックスして新しい何かを生み出すこと」という考えのもと、食だけでなく人もこの場所で混ざり合う、地域の交流施設としての役割も担っています。
敷地内ではカレー作りに欠かせないスパイス「ウコン (ターメリック) 」を栽培しており、「燕三条 工場の祭典」期間中は自分でウコンの葉っぱを収穫してリーフティーを作る体験ができます。
このウコンの葉っぱの大きさに衝撃を受けました!
畑では春ウコンと秋ウコンが栽培されており、その違いを学びつつ、お茶を作るために青々とした葉っぱを1枚カット。
切り取った葉から筋を取って煮沸消毒したら、くるくるっと巻いて、ここから細かくカットして茶葉を作ります。
カットしたあとは、ウコンの葉で作ったリーフティーの試飲でほっと一息。お土産に乾燥させた茶葉もいただきました。
集めた「旅印」で、プレゼント交換!
さぁ、4箇所のKOUBAめぐりを楽しんだ最後を締めくくるのは、「三条ものづくり学校」です。
ここでは各KOUBAで集めた「旅印」の数に応じた会場限定のプレゼント企画を実施中なのです (※数量限定)!
私がもらったのは、3軒分の旅印でもらえる「中川政七商店 特製 蚊帳のふきん (非売品) 」。
ワークショップをメインにめぐった今年の工場の祭典。作る楽しさだけではなく、作ったものがそのままお土産になるところも嬉しいところでした。“コト”も“モノ”もかけがえのない燕三条の思い出になります。
また、KOUBAのみなさんは、どんな些細な筆問もひとつ一つ丁寧に答えてくださって、そんなやり取りもとても嬉しい経験でした。
燕三条エリアに広がる103ものKOUBAそれぞれが持つ魅力と出会いに、次はあなたが「開け、KOUBA!」。
燕三条 工場の祭典
公式サイト:http://kouba-fes.jp
燕三条 工場の祭典 公式アプリ「さんちの手帖」の使い方はこちら:https://sunchi.jp/sunchilist/kouba-fes/36621
<取材協力>
宮路農場
新潟県燕市吉田下中野796
090-7184-4141
「燕三条 工場の祭典」No.98 宮路農場ページ
MGNET
新潟県燕市東太田14−3
0256-46-8720
http://mgnet-office.com
永塚製作所
新潟県三条市塚野目6-9-1
0256-38-8275
https://www.eizuka-ss.com
三条スパイス研究所
新潟県三条市元町11-63
0256-38-8275
http://spicelabo.net
三条ものづくり学校(公式アプリ 景品交換所)
新潟県三条市桜木町12-38
0256-34-6700
http://sanjo-school.net
文:丸山智子
写真:笠飯幸代