「飛騨高山を1泊2日で」編集部おすすめコース。朝市や郷土料理、版画文化など「古きよき日本」がここに
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緑豊かな山々に囲まれ、独自の産業や歴史、文化を育んでいった飛騨高山。
定番の朝市から豊富な郷土料理、飛騨高山ならではのお土産やカフェまで、編集部がおすすめする1泊2日のプランをご紹介します!
今回はこんなプランを考えてみました
1日目:合言葉は「ゆっくり、じっくり」。郷土料理と歴史的建造物を堪能
・京や:多彩な飛騨高山の郷土料理に舌鼓
・日下部民藝館:江戸の風情を残す町家で「民藝」と出会う
2日目:早起きは三文の徳。飛騨高山の町を歩いて知る
・飛騨高山の朝市:飛騨弁に心和む「市民の台所」
・高山陣屋:日本で唯一現存する江戸幕府の陣屋
・高山中華そば 豆天狗本店:二代目が受け継ぐ昔ながらの味
・真工藝:飛騨の版画文化を土台にしたものづくりに触れる
・飛騨版画喫茶ばれん:飛騨に根付く版画文化に触れられる喫茶店
では、早速行ってみましょう!
1日目:合言葉は「ゆっくり、じっくり」。郷土料理と歴史的建造物を堪能
1泊2日の飛騨高山旅は、飛騨高山の玄関口であるJR高山駅からスタートです。高山駅までは東京からも大阪からも電車で3~4時間ほど。
城下町として発展した飛騨高山は、高山駅を拠点に歩いてめぐれる見どころがいっぱいあります。ゆっくり歩いてまわることで、古い町並みや豊かな自然をじっくりと堪能できますよ。
【昼】多彩な飛騨高山の郷土料理に舌鼓
京や
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まずはお昼の腹ごしらえからということで、高山駅から歩いて15分の「京や」へ。古民家を改築した店内では、飛騨高山の多彩な郷土料理が味わえます。
飛騨高山の郷土料理といえば、飛騨牛や朴葉味噌でしょうか。そうした定番もおさえつつ、ぜひ食べてもらいたいのが珍しい郷土料理の数々。
漬物を玉子でとじた「漬物ステーキ」や、間引いた芋を皮ごと甘辛く炊いた「ころいも」、霜が降りてからでないと採れない飛騨ネギを使った「ネギ焼き」など、飛騨高山ならではの味を楽しむのも旅の醍醐味の一つです。
どれも酒の肴にもぴったりなので、夜に訪ねて地酒をお供に晩酌、なんていうのも乙ですね。
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ほどよくおなかがいっぱいになったところで、まち歩きに出発しましょう!
京やの情報はこちら
>>>>>関連記事 :「産地で晩酌 飛騨牛に朴葉味噌、だけじゃない。飛騨高山『郷土料理 京や』で味わう冬」
【午後】江戸の風情を残す町家で「民藝」と出会う
日下部民藝館
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飛騨高山の古い町並みの中でも、一、二を争う立派な建物が日下部民藝館。
江戸時代に御用商人として栄えた日下部家の邸宅の一部を改装し、江戸時代後期~明治の生活用具や日本各地の工芸品を展示しています。
飛騨の名工、川尻治助 (かわじり・じすけ) によって建てられた建物は、国の重要文化財にも指定されていて見ごたえたっぷり。同じく国指定重要文化財で、お隣にある吉島家住宅とあわせて訪れてみては?
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【夕方】早めに宿にチェックイン
明日は飛騨高山の朝市からスタートする予定。早起きに備えて、早めにチェックインしちゃいましょう。温泉宿も多いので、ゆっくりと温泉につかって旅の疲れを癒すのもいいですね。
2日目:早起きは三文の徳。飛騨高山の町を歩いて知る
【朝】飛騨弁に心和む「市民の台所」
飛騨高山の朝市
早起きをして、日本三大朝市の一つである飛騨高山の朝市へ。
朝市の歴史は古く、1820 (文政3) 年ごろ高山別院を中心に開かれた桑市がはじまりとされています。
明治半ばごろから野菜や花などが売られるようになり、朝市は市民の台所として地域に根付いたのだそう。
現在は2カ所で毎日開催されているというので、気合いを入れて朝市をはしごしちゃいましょう!
まずは、宮川に架かる鍛冶橋下付近に立つ「宮川朝市」へ。
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多い日には30軒以上の白いテントが川沿いに連なり、地元産の野菜や果物をはじめ、季節の花々、手づくりの民芸品などバラエティ豊かな品々が並びます。
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宮川朝市をひと通りチェックしたら、古い町並みを抜けて「陣屋前朝市」に向かいましょう。
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会場となる高山陣屋前広場は歩いて10分ほど。こちらは飛騨高山産の旬の農産物が中心です。
作り手による直売だからこそ、美味しい食べ方や調理方法も教えてもらえます。
こうしたお店の人との触れ合いも朝市の楽しみの一つ。ちょっとした会話が旅の思い出を鮮やかにしてくれるはずです。
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飛騨高山の朝市 宮川朝市の情報はこちら
飛騨高山の朝市 陣屋前朝市の情報はこちら
>>>>>関連記事 :「早起きしてはしごしたい、日本三大朝市・飛騨高山の朝市 産地の朝市 宮川朝市と陣屋前朝市」
【午前】日本で唯一現存する江戸幕府の陣屋
高山陣屋
陣屋前朝市に来たら、高山陣屋に立ち寄るのをお忘れなく。
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元禄5年(1692年)、飛騨が「幕府直轄領」に指定されると、高山城主金森氏が所有していた下屋敷に幕府の役所が置かれました。
この役所は陣屋と呼ばれ、幕末には同様の役所が全国に60ヵ所以上あったそうですが、当時の主要な建物が今も残っているのは全国で唯一、高山陣屋のみ。
建物の内部には、御役所、御用場、大広間、役宅、吟味所、白州、米藏、庭などが昔の姿のまま残されており、江戸時代の陣屋の様子を垣間見ることができます。
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【昼】二代目が受け継ぐ昔ながらの味
高山中華そば 豆天狗本店
朝早くから動いたから、いつもより少し早めのお昼ごはんとしましょう。
高山陣屋からほど近い、高山ラーメンの人気店「高山中華そば 豆天狗」の本店へ。
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見た目はシンプルながら、先代から続く秘伝のスープ、自家製麺、地元飛騨高山のネギ、国産豚のチャーシューなど、こだわりの食材をぜいたくに使った中華そばをいただきます。
あっさりとしているのにコクがあるスープ、ツルツル&モチモチの自家製麺で、さらさらっと食べられるので、あっという間に1杯をペロリ。
午後に向けて、エネルギーチャージ完了です!
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【午後】飛騨の版画文化を土台にしたものづくりに触れる
真工藝
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飛騨高山の旅もそろそろ終盤。思い出となるお土産探しに出かけましょう。
昔から木材の産地として知られる飛騨高山では、木版画がさかん。
木版画を基調にした工芸品を製作する「真工藝 (しんこうげい) 」には、飛騨高山の祭りや日々の暮らしを版画にした版画皿、版画技術を応用した木版手染ぬいぐるみなど、お土産にもぴったりな雑貨がたくさんあります。
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干支シリーズや飛騨高山の豊かな自然が感じられる山鳥や川魚など、種類豊富な木版手染ぬいぐるみたち。その可愛さに、思わずお財布の紐もゆるんでいきます。
色味や風合いが少しずつ違うのは手づくりだからこそです。お気に入りを見つけたら、これも一期一会。色んな種類をそろえて、季節や気分に合わせて飾るのも素敵です。
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真工藝の情報はこちら
>>>>>関連記事 :「飛騨高山の版画文化が生んだ、真工藝の木版手染ぬいぐるみ」
【午後】飛騨に根付く版画文化に触れられる喫茶店
飛騨版画喫茶ばれん
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お土産も無事にゲットしたところで、ひと休みを。
古い町並みの一つ、三町伝統的建造物群保存地区の目抜き通りにある「飛騨版画喫茶ばれん」をめざします。
その店名が示すとおり、ここも飛騨の版画文化が身近に感じられる場所。店内の壁に展示されている地元作家の版画作品を眺めながら、のんびりとした時間が過ごせます。
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夕方の帰りの電車まではあと数時間。おすすめの「楪子 (ちゃつ) 甘味」をほお張りながら、今回の旅をゆっくり振り返ってみてはどうでしょう。
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飛騨版画喫茶ばれんの情報はこちら
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飛騨高山をめぐる1泊2日の旅、お楽しみいただけたでしょうか?
ゆく先々で外国人観光客の姿も多く見られた飛騨高山。私たち日本人が気づいていない、日本の魅力がそこにあることを物語っているようです。百聞は一見に如かず。ぜひ飛騨高山に足を運んで、自分の目で確かめてみてください。
さんち 飛騨高山ページはこちら
撮影:岩本恵美、尾島可奈子、川内イオ
画像提供:高山市