奈良をよく知る人が勧める「奈良旅行」の観光地めぐり

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旅をするとき、訪れたいのは必ずしも観光地には限らないと思うのです。

その土地に詳しい人から聞く話は興味深く、安心感も手伝って、それなら行ってみたいと感じる場所も多いもの。

そんなふうに考えて、今回は「奈良を旅する」というテーマで、その土地を知る人におすすめポイントを聞いてみました。

協力してくれたのは、ご当地限定ものを中心に扱うお店「日本市 奈良三条店」スタッフのみなさん。他にも、奈良に詳しいさんち編集部員から「ここもぜひ!」とコメントをもらいました。

さくらの季節はここに泊まりたい、奈良ホテル

奈良ホテル

創業当時から「関西の迎賓館」と謳われ、今も日本を代表するクラシックホテルとして名高い奈良ホテル。

天井まで届く窓から四季折々の風景を楽しめるティーラウンジや、世界の銘柄が並ぶほの明るいカウンターでゆったりとお酒をいただける「ザ・バー」は、宿泊客でなくても利用できます。

二階から見下ろすロビー
二階から見下ろすロビー

「さくらの季節が特におすすめです。ホテル下の坂道に桜並木があるのですが、お花見しながら通り抜けるとレトロな奈良ホテルが見えてくるんです。

ティーラウンジから見える景色がとても素敵で、タイムスリップしたかのような優雅な空間でゆったりと過ごせます。うん年前にここで結婚式を挙げました!」

陽光の差し込むティーラウンジ
陽光の差し込むティーラウンジ

「奈良公園の方から池を渡って向かうアプローチも素敵です。建築やロビーの展示を見るだけでも楽しいですよ」

ゆったりとお酒を楽しめるザ・バー
ゆったりとお酒を楽しめるザ・バー

奈良ホテル

住所:奈良県奈良市高畑町1096
■営業時間
宿泊:チェックイン 15:00 / チェックアウト 11:00
ティーラウンジ:8:30~18:00
ザ・バー:18:00~23:00
定休日:なし
オフィシャルサイト:http://www.narahotel.co.jp/

お茶との新しい楽しみ方に出会う、茶論

新ブランド「茶論」が奈良・元林院に1号店をオープン

中川政七商店グループの道艸舎(みちくさや)がオープンした新ブランド『茶論(さろん)』。

「日本の茶道文化の入り口」を広げるべく、ブランドディレクターに茶人で芳心会主宰の木村宗慎氏を迎えています。

店舗は、お茶を通して“おもてなし”の力量を上げる「稽古」、お茶を通して心に閑を持つ「喫茶」、オリジナル茶道具を販売する「見世」で構成されています。

新ブランド「茶論」が奈良・元林院に1号店をオープン 喫茶 和カフェ
喫茶 一例

「奈良町の伝統的な建物を贅沢に使った空間。素敵なお家にお邪魔したような気持ちになります。お庭は必見!」

新ブランド「茶論」が奈良・元林院に1号店をオープン 喫茶 和カフェ
喫茶 一例

「夏はかき氷、冬はぜんざいも美味しいです。器も“いいもの”を揃えているので、要チェック。写真も映えます」

茶論 奈良町店

住所:奈良県奈良市元林院町 31-1 (遊 中川 奈良町本店奥)
営業時間:10:00〜18:30
定休日:毎月第2火曜(祝日の場合は翌日)
オフィシャルサイト:https://salon-tea.jp/

美しい菓子作りに見惚れる、萬御菓子誂處 樫舎

萬御菓子誂處 樫舎

世界遺産の元興寺にもほど近く、奈良町らしい風情を感じながら、絶品の和菓子を味わえる「萬御菓子誂處 樫舎(かしや)」。

入り口のガラス窓には季節・気候により一番食べ頃の素材を使った上生菓子が美しく並び、お店に入る前から一期一会の出会いが楽しめます。

「私たちは食感を作るだけ」という和菓子は、格式のあるお茶席や公の席からの注文が絶えません。

季節の上生菓子と入り口の窓越しに対面
季節の上生菓子と入り口の窓越しに対面

「いわゆる季節の生菓子だけでなく、デザート(夏はかき氷、冬はぜんざいとか)も名物!ここを目掛けて奈良にくる人も多い、わざわざ行きたい和菓子屋さんです」

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「おすすめは、1階のカウンターでいただくコース。ご主人の喜多さんが目の前で和菓子を作ってくれます。その過程が本当に美しくて、ずっと見ていたい‥‥。

お菓子づくりに使う道具が、これまたすごい。材料や茶器についての説明も勉強になります。2階に上がっての喫茶も、隠れ家のようで落ち着きます」

ご主人の喜多さん。要予約のカウンター席では喜多さんが目の前で作る和菓子を堪能できる
ご主人の喜多さん。要予約のカウンター席では喜多さんが目の前で作る和菓子を堪能できる

萬御菓子誂處 樫舎

住所:奈良県奈良市中院町22-3
営業時間:9:00-18:00
定休日:なし
オフィシャルサイト:http://www.kasiya.jp/

ご進物にもご自宅にも愛される、森奈良漬店

創業1869年(明治2年)、東大寺南大門前に位置する森奈良漬店。

酒粕に瓜を漬け込んだ「奈良漬」が商品として売られるようになったのは江戸末期。森奈良漬店は、それから程なく開業した老舗です。

素材には直接もしくは契約栽培の野菜や果物のみを使用し、酒粕と天然塩だけで味付けした奈良漬は、お酒の味がしっかりと効き、地元ファンも多し。

中身の壺はこんな感じ。どっしりとした丹波立杭焼だ
中身の壺はこんな感じ。どっしりとした丹波立杭焼

「東大寺の門前にひときわ目を引く大きな屋号。おせんべいを求めて観光客と戯れる鹿が右往左往するところにどーんとあります。

いつもたくさんのお客様でにぎわっていて活気がありますね。でも、奈良らしいまったりとした感じもあって、心地よいお店です」

酒粕を洗いおとさずにそのまま食べられる「きざみ奈良漬」(瓜・胡瓜入 り)。左が230g入り540円(税込)、右が135g入り380円(税込)。気軽な手土産にちょうど良い
酒粕を洗いおとさずにそのまま食べられる「きざみ奈良漬」(瓜・胡瓜入
り)。左が230g入り540円(税込)、右が135g入り380円(税込)。気軽な手土産にちょうど良い

「奈良漬がお好きな方には、ぜったいおすすめ。深い味わいの中にも、後味はすっきりとキレがあります。

進物だけでなく、自宅用に購入するならきざみ奈良漬がいいですね。酒粕と一緒にいただくのも、マイルドな味わいでとても美味。瓜、きゅうりのほか、ショウガなどもあります。個人的にはスイカ推し。やさしいコリコリ食感は、なかなか他の素材にはないと思います。おかいさん(粥)にぴったりですよ」

壺入り「きざみ奈良漬」。パッケージに描かれた壺の姿が愛らしい
壺入り「きざみ奈良漬」。パッケージに描かれた壺の姿が愛らしい

森奈良漬店

住所:奈良県奈良市春日野町23
営業時間:9:00-18:00
定休日:なし
オフィシャルサイト:https://www.naraduke.co.jp/

クラシカルなホテルから、新オープンのスポット、さらには県外にもファンが多い鉄板の和菓子店、そして地元民も愛する漬物屋。

奈良へ旅するなら、お目当ての場所に加えて、ぜひ今回紹介した場所も散策コースに加えてみてはいかがでしょう。それでは、よい旅を!

<取材協力>
日本市 奈良三条店
奈良県奈良市角振新屋町1-1
ファインフラッツ奈良町三条 1F
https://www.yu-nakagawa.co.jp/p/213

写真:木村正史(奈良ホテル、萬御菓子誂處 樫舎、森奈良漬店)

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