これからの嫁入り道具
こんにちは。さんち編集部の井上麻那巳です。
嫁入り道具と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
かつての嫁入り道具といえば、大きな桐のタンス一式に豪華な着物、立派な鏡台、寝具は客用も含めて一式。すべてが収められる食器棚と来客用の食器やカトラリーなどなど。豪奢で量が多ければ多いほど良しとされた時代があったそうですが、私たちの世代にはあまり馴染みがありません。
伝統的な婚姻儀礼としての「嫁入り道具」が現代のライフスタイルには合いづらいとはいえ、嫁入り道具に洗濯機や冷蔵庫などの家電製品を選んだり、道具自体を用意しないのはなんだか味気ないものです。一生に一度のことですから。これを機に“一生もの” といえるちょっと憧れの生活工芸品を選んでみてはいかがでしょうか。
儀礼にとらわれず、等身大の目線で、今、あげたい、もらいたい、買いたい嫁入り道具を選びました。
幸せは好きな人とあったかいごはんを食べること。
【 秋田・大館の曲げわっぱのおひつ 】
「Happy is a warm puppy.(幸せはあったかい子犬)」とは、スヌーピーで知られるチャールズ・M・シュルツの漫画『PEANUTS』での有名な言葉ですが、結婚して家庭をもつ幸せのひとつは大切な人とあったかいごはんを食べることなのではないでしょうか。湯気があがるホカホカの炊きたてごはんは、それだけで幸せの象徴のようです。
電気炊飯器ができるより前の時代、おいしいごはんを長く保存するために生まれた道具、それがおひつです。
木が呼吸することで粗熱と余分な湿気を取り除いて水分を調整してくれるので、時間が経ってもごはんがべたつかずふっくら。保湿効果もあるそうです。天然秋田杉のまっすぐな木目と真っ白なごはんが目にも美しいです。
「50年使ってもらえたら」というのは、秋田県大館市の曲げわっぱメーカー栗久(くりきゅう)の6代目・栗盛俊二さんのお言葉。これから50年、おいしいごはんと共に過ごしたいですね。
お料理の相棒は基本の3本から。
【 万能包丁・ペティナイフ・パン切り包丁 】
そうそう壊れるものではないですので、包丁の買い替え時期はなかなか難しいものですが、結婚という人生の新たなスタートを機に、これからを共に過ごすお料理の相棒も新しくしてみてはいかがでしょうか。
鍛冶の町・新潟県三条市の庖丁工房タダフサでは、「基本の3本」を用意されています。「基本の3本」とは、種類が多く専門的な包丁のプロダクトラインの中から、普通の家庭の台所で「まずこれだけ揃えれば充分」という目線で選ばれた3本のこと。
三徳包丁とも呼ばれる名の通り万能な「万能包丁」、野菜の面取りやフルーツに使いやすい「ペティナイフ」、パンくずが出ないことで知られ今や大人気となった「パン切り包丁」という料理初心者にも頼りになる顔ぶれです。
庖丁工房ならではの名入れサービスで自分専用包丁の出来上がり。名入れは手作業による作切で、担当する職人により風合いが異なり、それがまた良い味になっています。自分の名前が入るとそれだけで愛着がわき、料理上手のような気分になってくるから不思議です。たまには形から入るのも悪くないのでは。
料理の腕が上がったら、自分に合った「次の1本」を選ぶのも楽しいですね。
本物があれば冠婚葬祭もこわくない。
【 伊勢志摩のパールジュエリー 】
「結婚はふたりだけでなく家同士でするもの」という言葉もありますが、家族が増え、自然と冠婚葬祭も多くなります。忘れがちですが、そこで必要になるのがパールジュエリー。急なときにあせらないよう、家庭を持った一人前の女性として持っておきたいもののひとつです。
私たちが「真珠」と聞いて思い浮かべるような丸くて白い真珠は、和珠(わだま)とも呼ばれるアコヤ真珠というもの。アコヤ真珠の母貝は約5〜10cmほどのアコヤ貝で、小石などの異物が貝の体内に偶然入り込むことによって生まれます。
日本の真珠の4大産地のひとつである伊勢志摩にできた初めての真珠専門店、松井眞珠店には天然真珠を使ったジュエリーがずらり。伝統的でシンプルなデザインのものは、真珠そのものの美しさが際立ち、女性なら誰もが憧れる美しさです。
曲げわっぱ 栗久
おひつ(3合・浅型)
庖丁工房タダフサ
基本の3本/次の1本
松井眞珠店
パールのネックレス・パールのイヤリング
文・写真:井上麻那巳
2017年1月19日公開の記事を再編集してお届けしました
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