地域×デザイン2017

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こんにちは、さんち編集部の山口綾子です。
全国各地で地域の特色を活かした様々な取り組みを取り上げる「地域×デザイン展」。
2017年2月3日(金)~ 2月26日(日)まで、東京ミッドタウン・デザインハブ 第63回 企画展として「地域×デザイン -まちが魅えるプロジェクト-」が開催されています。この展示は昨年2月にも開催され、約1万人を集めました。今回はその第2回です。

全国からよりすぐった地域プロジェクトを展示によって紹介するとともに、日ごとにテーマを設定し、ゲストを招いたトークセッションやワークショップなどのプログラムも実施されています。
モノだけのデザインではなく、コトをデザインしていく。町の中で行われるさまざまなコミュニケーションやサービス、人と人とのつながりがデザインされたり、デザインの力がいろいろな局面で活用されていることを知ることができる、見ごたえのある展示となっています。

ここで10のプロジェクトの展示の見どころをご紹介します。

1. <奈良県・奈良市>100年後の“工芸大国”を目指す「中川政七商店」産地再生の取り組み

日本の工芸を元気にするための多面的な活動、産地の一番星を作るという経営コンサルティング。そして産地へ旅をしたくなるという仕掛けで産地全体へ波及効果を生み出していく活動を紹介。

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2. <宮崎県・綾町>綾町の魅力を100年後に伝える「aya100」

総面積の80%が山林で占められているという綾町。オーガニックの町として有機野菜の栽培を町ぐるみで推進しています。

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3. <香川県・小豆島町、土庄町>愛のバッドデザインプロジェクトin小豆島

瀬戸内海に浮かぶ小豆島の日常生活の中で見かける「とるに足らない些細なもの」を探し出し、ものに宿る機能や美しさを見出し記録するプロジェクトです。

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4. <北海道・東川町>地域と世界を繋ぎ、新たなアイデアを町にもたらす「写真の町」

人口約8000人の町・東川町が、1985年に“写真の町”を宣言して、それ以来写真文化を軸とした町づくりを実施し、地域一丸となったプロジェクトの展開に成功しています。

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5. <長崎県・五島市>離島と都会を結ぶ、小さな私設図書館「さんごさん」

長崎県・五島列島の福江島の港町に、古民家を改修して作られた私設図書館「さんごさん」。
離島と都会を結ぶために、建築で結ぶ・本で結ぶ・活動で結ぶという3つの切り口を示す展示です。

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6. <愛媛県・松山市>これからの日本の湯道具をつくる「YUIRO」

豊富な湯源を持ち、独自の発展を遂げてきた日本の温泉文化。身体を洗うというだけなく、湯治や社交の場として見た視点からアピールしていくプロダクトを作る3000年の歴史を持つ道後温泉で行われているプロジェクトです。

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7. <福島県・南会津町>木のおもちゃから広がる、南会津の林業再生とまちづくり「マストロ・ジェッペット」

「マストロ・ジェッペット」は2010年に設立した木製玩具や乳幼児向けの食器製造・販売をしている会社です。福島県南会津で林業・製材・木工職人・デザイナーいろんな職の人たちが集まって行われている地域おこしのプロジェクトです。

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8. <岩手県・宮城県ほか>アジアの若手デザイナーと東北の事業者を繋ぐ「DOOR to ASIA」

アジアで活躍する若手デザイナーと東北の中小企業・事業者をつなぐ“デザイナーズ・イン・レジデンス”形式のプログラムです。日本だけではなく、海外から若手デザイナーが東北地方に集まってホームステイをしながら、その土地の文化やコミュニティを含めて理解し、事業者の商品をデザインしていく試みです。

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9. <兵庫県・豊岡市>地場産業ブランディングと人材育成による地域拠点づくり「Toyooka KABAN Artisan Avenue」

兵庫県豊岡市は生産量と従業員数共に日本一を誇る鞄の生産地。Toyooka KABAN Artisan Avenueは豊岡市の中心部に位置する販売と教育を軸にした鞄の拠点となっています。さらに産業としての持続可能性を高めるための人材育成も行っています。

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10. <兵庫県・豊岡市>「飛んでるローカル豊岡」プロジェクト

ローカルの価値にこだわり、地域固有の文化や自然環境、人とのつながりなどの地域の資源を活かして都会とは違う豊かさを追求すること、グローバルに通用する地域を作るプロジェクトです。

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今回の運営に携わる事業構想大学院大学 研究科長・教授の小塩篤史さんはこうおっしゃいます。

「地域×デザインがプラットフォームとなり皆さんの中で掛け算がどんどん増えていくことを願います。イノベーションとはゼロから作るのではなく、何かと何かの組み合わせで生まれるもの。地域×デザイン×さらに何か。各地域が持っている医療福祉やインフラなどの制約がある中、そこにデザインが入った時に何か新しいものが生まれるのだと思います。
見に来られる方、いろいろなバックグラウンドがあると思います。すでに地域おこしに関わっている方は他の地域はどうやっているんだろう?デザイナーは自分のデザインは地域にどう掛け算できるんだろう?など、着想を得たくて来るもよし。事例として見るだけではなく展示やトークセッションの中で何と何が掛け算されたのか注視して見てみるとなにか新しいものが発見されるはずです」

他の地域を見ることで、自分の地域の良さを再確認できる。みんなそれぞれ生まれた地域や背景が必ずあるはず。

ぜひ、会場に足を運んでみてください。
きっとあなたの中に新しい掛け算が生まれるはずです。

地域×デザイン2017 -まちが魅えるプロジェクト-

文・写真:山口綾子

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