気持ちを晴れやかにしてくれる、自分好みの正月飾り
「来年こそは本気を出そう」
年末の追い込みを軽やかに諦めつつ、新年にやりたいことをあれこれ考えてそわそわする。そんな時期に差し掛かりました。
春夏秋冬、色々な季節の行事がある中で、やっぱりお正月はどこか特別なもの。
歳神様をお迎えして新年の幸福を祈る儀式としてもそうですが、前年の後悔や反省をリセットして再スタートを切るという気持ちの面でも、お正月の持つ意味は大きいと感じています。
お正月を迎える準備の中で特に大切に、そして楽しみにしているのが、新しい注連縄(しめなわ)飾りと干支飾りを用意すること。
どちらも地域やつくり手さんによって本当に様々な種類があり、お気に入りのものが見つかるとそれだけで気持ちが前向きになります。そして元日に飾ることがとても待ち遠しくなり、新しい年の訪れをより強く感じられるようになる。お正月飾りを選ぶことは、そんな体験とセットになっています。
おめでたい願いを込めた注連縄飾り
神聖な場所を示す注連縄に、稲穂や裏白(うらじろ)、だいだい、御幣(ごへい)などの縁起物を付けて作られる注連縄飾り。土地に伝承する物語が由来になっていたり、暮らしに馴染みの深い道具がモチーフになっていたり、全国各地でバラエティ豊かな注連縄飾りが今も作られ続けています。
中川政七商店では今回、「わらわら(藁)と喜んで(よろこぶ=昆布)、神(紙)を待つ(松)」という語呂合わせの意味を込めた組合せで、炭を昆布に、水引を松に見立てた注連飾りを作りました。炭の黒い色には邪気を払う願いも重ねています。
地域ごとや家単位で様々な形が存在する注連縄飾り。そんな、風土性・土着性の豊かさ、多様性を感じていただき、好みの飾りを選んでいただけるように、同じ想いを込めながら様々な形で注連縄飾りを表現しました。
■二連飾り
■玉飾り
■輪飾り
その他の注連縄飾りや鏡餅飾りなど、お正月飾りの商品一覧はこちら
昔から親しまれてきた干支飾り
無病息災や厄除祈念などの縁起物として昔から親しまれてきた干支もの。その年の干支を飾ることで「家内安全・商売繁盛」、人に授けることで「招福祈願・安寧長寿」という意味を持ちます。
2023年の干支は「卯(う・うさぎ)」。卯の跳ねる姿は「飛躍」に通じ、長い耳は福を集めるとされ、縁起がよいものといわれてきました。
かわいらしいイメージのウサギをモチーフにしつつ、会津の張子や瀬戸焼、こけしの技法でオリジナルの干支飾りを作りました。日本の伝統を感じられる品の良さを大切にデザインしています。
福島県の「野沢民芸」さんとつくった、オリジナル絵付けの干支張子。素朴で愛らしい表情と長い耳が特徴です。ひとつひとつ筆を用いた手書きの彩色はまさに職人技で、心温まる味わいを感じられます。
金沢の老舗「中島めんや」さんと作った干支の張子。ウサギらしい丸みのある形を追求して形を起こしています。手作業の仕上げによりすべて表情が異なるのも魅力です。
愛知県瀬戸市で縁起置物や季節飾りなどの陶磁器を手掛ける「中外陶園」さんと作った干支飾り。古染釉と呼ばれる青みがかったつやのある質感の釉薬を用いています。古染釉が段差に溜まった時に青みが出る点を活かすため、耳や足の部分の段差を深くつけました。色数の少ない大人っぽい干支飾りです。
伝統的なこけしの技術を用いて作りました。斜めにカットした形状と、尻尾を別パーツにしたことで、よりウサギらしい形を表現しています。尻尾の部分にはこけしならではのろくろ模様を施しました。
少し気が早いかな、と思っているとあっというまに師走に入ってしまいます。余裕を持ってお気に入りのお飾りを見つけて、ぜひ、晴れやかな気持ちで新年を迎えてください。