【あの人の贈りかた】自分の想いを重ねた、相手に嬉しいもの(スタッフ大久保)
贈りもの。どんな風に、何を選んでいますか?
誕生日や何かの記念に、またふとした時に気持ちを込めて。何かを贈りたいけれど、どんな視点で何を選ぶかは意外と迷うものです。
そんな悩みの助けになればと、中川政七商店ではたらくスタッフたちに、おすすめの贈りものを聞いてみました。
今回は商品企画・デザイナーの大久保がお届けします。
暮らしに佇まいよく馴染む「ソフトパックティッシュのカバー」
奈良に引っ越してきて5年目。もともと人付き合いは多い方ではないですが、家族や友人と距離が離れて会う機会が少なくなりました。
なかなか話す時間はないけれど、だからこそ、贈りものには想いを込めたい。最近はそんな風に考えています。
贈りものをするときに心がけているのは、「自分のほしい」と「相手の嬉しい」が重なっていること。
「自分のほしい」だけでは押しつけがましく、「相手の嬉しい」だけでは何かもの足りない。
大切な誰かを想う贈りものは、押しつけがましくないけれど自分の想いが乗ったものにしたいと思ってます。
中川政七商店に入社して一年ほど経った頃、東京に住む友人の誕生日に贈ったのが「ソフトパックティッシュのカバー」です。
まずおすすめしたいのは、綿と麻でできたタイプライター生地。シワ感のあるサラッとした生地と、ティッシュカバーにした時の柔らかな形が自分の好みど真ん中で、開発当時から発売したら絶対買いたい!と思っていました。
生活感が出やすくインテリアを損ないがちなティッシュを、空間に馴染ませてくれる穏やかな色味も特徴です。
以前から当社のことを知り、商品を使ってくれていた友人。ティッシュカバーがなくても困ることはないかと思いますが、もらったら喜んで使ってくれるかもと、自分の想いを込めて贈りました。
<贈りもの>
・中川政七商店「ソフトパックティッシュのカバー」
経年変化が楽しめて、心地よい音色「小田原鋳物のお守り鈴」
毎年、年末には茨城の実家に帰ります。私の帰りをいつも楽しみに待ってくれている祖母。
今はこんな仕事をしているよと伝えたく、自分のデザインした商品のなかから、直近で発売されたものを贈っています。
この前の年末に贈ったのは、「小田原鋳物のお守り鈴 トトロ真鍮」。
トトロの愛らしい見た目が目を引きますが、余韻のある凛とした音色も心地よい。
室町時代から続く小田原鋳物の伝統を受け継ぎ、風鈴やおりんなどの鳴物を作ってきた工房では、余韻のある凛とした音色にこだわり工房独自の配合で鳴物を作っています。
作り手さんいわく、少しの形の違いや溝の入れ方で鳴り方が全く違うのだとか。トトロのこの鈴も音色にこだわり、丸みのある形と溝の入れ方を試行錯誤しました。
歩きながら凛とした音色に耳を傾けると、気持ちがすっきりするのです。
歩くのが好きで毎朝近所を散歩していた祖母。長く元気に歩いてほしいと願いを込めて、経年変化がより楽しめる真鍮の鈴を贈りました。
<贈りもの>
・中川政七商店「小田原鋳物のお守り鈴 トトロ真鍮」
細やかな気配りで、普段づかいもしやすい「Snow Peak チタンシェラカップ」
「今度一緒に〇〇しませんか?」と、お誘いの意味も込めながら贈りものをすることも。
山登りに興味がある友人に贈ったのが、「スノーピーク チタンシェラカップ」です。
山登りに関係する何かを贈りたいけれど、山登りでしか使わないようなものだと少し扱いに困るかなと思い、普段使いもしやすいものを選びました。
シェラカップとは、山登りやアウトドアの場で使われる金属製のカップのこと。
スノーピークのシェラカップは目盛りが付いていたり、ハンドルが付いていたりと、シンプルなカップながら魅力がたくさんあります。
私も同じものを持っていて、普段は料理の計量カップとして使っています。特別な時にしか使わないものではなく、普段でもしっかり役割があるので常に近くに置けるお気に入りの品。
いつかシェラカップを持って山登りに行きましょうと、自分も楽しみな気持ちを込めて贈りました。
<贈りもの>
・Snow Peak「チタンシェラカップ」
贈りかたを紹介した人:
中川政七商店 商品企画・デザイナー 大久保優希