心をくすぐる、香りの景色。編集者・長野宏美さんがしつらう「花草木ポプリ」

ふと視線を向けた時、心がふわりと浮き立つような、日々の暮らしに息づくお気に入りの景色。このたび中川政七商店ではそんな景色をつくる“香り”として、「花草木ポプリ」を企画しました。

香って愉しむだけではなく、植物の素材感を眺めても愉しめる本商品。

自分らしい暮らしの景色をつくるあの人なら、どんなふうに香りをしつらうんだろう?と気になって、発売より少し早く使っていただきました。

訪ねたのはフリーランスの編集者、長野宏美さん。都内ながら緑豊かなエリアにあるご自宅でお話を伺いました。



風が気持ちよく抜けるヴィンテージマンションで、夫と1歳のお子さんと3人で暮らす長野さん。各地で出会い、選び抜かれたアイテムがバランスよく配置されたご自宅は、まるでギャラリーのような印象です。

長野さんのおじいさまは家具職人。その背中を見るうちに自身もまた、ものづくりへの興味が培われてきたといいます。

会社員時代には工芸やまちづくりに携わり、地方の作り手と関わるなか、ものへの愛情はより深まっていったそう。同時に、ものの器である家もまた心地よくしたいと、同じく道具や家具に関心の高い夫とともに自宅をつくりあげてきました。

フリーランスの編集者として活動する今も地方の事業者や作り手と仕事で関わることが多く、自宅に並ぶうつわやオブジェには、そんなお仕事の縁から迎えたものもたくさんあるといいます。

「普段は新しく立ち上がるプロジェクトのディレクションをしたり、販促物の編集をしたり、必要に応じてロケ撮影の立ち合いをしたりもしています。

仕事で地方に行くことも多いんですけど、仕事だからって終わったらすぐ帰るタイプではなくて(笑)。その土地ならではのおいしいものとか独自のお店を調べて、合わせて訪れることもよくあります。

そういうところで出会ったものや、お仕事でご一緒した作り手さんのものを持ち帰ることが多いですね」

「特にときめくのはストーリーがあるもの。作っている方や、製造背景は気になるポイントのひとつです。あとはやっぱり、暮らしを想像したときに使っているイメージがわくかどうかも大事ですね。

旅先での出会いは一期一会なのでその日に迎えることも多いですが、一方で、色や素材まで具体的にイメージしてじっくり探すこともよくあります。探しても見つからない場合は、自分たちで作っちゃえ!となることもあるんです」

少しずつ育ててきた暮らしのなかで、香りものも普段からよく使用するという長野さん。取材当日に出していただいたハーブティーからも、香りを心地よく取り入れるための工夫に出会いました。

「食事からも香りは取り込めると思ってて。特にハーブティーが好きで、自分でブレンドするのもちょっとした実験みたいで楽しいんです。

今日はレモングラスを煮出してお湯に香りをつけてから、グァバ茶を合わせました。硝子のポットでお湯を沸かすとハーブがくるくる回ってその様子もかわいいんですよ。最後にもう一度レモングラスを入れて、香りも見た目も楽しめるようにしてみました」

また、お茶以外でも普段から香りものをよく愛用するそう。

リビングの茶香炉や仕事部屋のお香立て、自分のまわりだけ香らせたいときに使うアロマオイルなど、場所や気分による自分なりの付き合い方もたくさんお持ちです。

「うちは赤ちゃんがいるので強い香りがするものはリビングでは使ってないんです。普段は茶香炉を炊いて茶葉をやわらかく香らせていますね。

一方で、扉で仕切られた仕事スペースではお香やパロサントを炊くこともあります。あとは出がけに練り香水をつけたり、散歩に行く前にアロマスプレーをサッとかけたり。風が吹くと植物の香りとあわさって、すごく気持ちいいんですよ。

他にも、気分転換したいときにロールオンタイプのアロマオイルをつけることもあります」

普段から香りとの距離が近い長野さん。今回の「花草木ポプリ」はどんなふうに取り入れていただいたのでしょう。

「野花が咲いたようなふくよかな香りがいいなと思って、まずは玄関に置いてみました。小分けできるのでトイレなどのコンパクトなスペースでも使いやすそうですね。

特別なときは、一時的にリビングに置くのもいいかも。

もともと別のポプリを使っていて、普段は玄関に置いておき、お客さまが来たときだけリビングに持ってきて香らせていたんです。今回のものはウッドチップとお花の素材感がしっかりあって見た目も華やかなので、お花を飾るような感覚でしつらえるなと思いました」

「私自身、自然のなかに身を置くことがすごく好きで。家探しをするときは公園が近くにあることも大切な条件なんです。さりげない香りとか、目に映る季節の色が気持ちよくって。なので、今回のポプリのような自然の素材感がそのままにある香りものが室内にあると、リラックスできますね」

「今までにない新感覚な香りもいいなと思った点のひとつです。ヒノキやヒバのような木の香りが好きなので、ちょっと安心する感覚もありつつ、お花の香りもしっかり香ってて。それが今までにない組み合わせだなと思いました。

玄関に置いていると、夫も、帰ってきたときにすごくいい香りって言ってくれて。爽やかさと華やかさがバランスよく融合していて、男女問わず好まれる香りなのかなと思います」

「まずはそのまま楽しんで、香りが弱くなってきたら好みのアロマオイルを少し足すのもいいかもしれません。そうすると見た目のかわいさを保ちつつ、長く香りを楽しめそうですね」

暮らしのリズムに合わせて、香りものの使い方も自分らしく調律していく長野さん。

今回のポプリも佇まいのよいオブジェや道具とともに、暮らしの景色をつくる香りとしてお楽しみいただきました。

心地よい暮らしを彩るアイテムとして、ぜひ皆さまのご自宅でも、華やぎや安心を添える香りのしつらいになれたら嬉しく思います。

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文:谷尻純子
写真:枠谷結也

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