11月 美しい織物のような「天鵞絨杉」

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美しい葉の様子

こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。

日本の歳時記には植物が欠かせません。新年の門松、春のお花見、梅雨のアジサイ、秋の紅葉狩り。見るだけでなく、もっとそばで、自分で気に入った植物を上手に育てられたら。

そんな思いから、世界を舞台に活躍する目利きのプラントハンター、西畠清順さんを訪ねました。インタビューは、清順さん監修の植物ブランド「花園樹斎」の、月替わりの「季節鉢」をはなしのタネに。

植物と暮らすための具体的なアドバイスから、古今東西の植物のはなし、プラントハンターとしての日々の舞台裏まで、清順さんならではの植物トークを月替わりでお届けします。

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◇美しい織物のような「天鵞絨杉」

先月、時代背景によって庭の様式も、植物を愛でる文化も変わっていくという話をしましたが、日本庭園のはじまりは池泉回遊式と言ってね、巨大な池を作って周りを歩いて楽しむという庭なんです。

それがある時期から、池泉回遊式よりも小さくて手間がかからない「枯山水」が流行りだします。

ひとつの大きな要因といえば、応仁の乱です。11年も続いた大戦です。大名たちも財力を使い果たして、日本全体にお金がない時代がやってきます。

お金はないけれど、景色は楽しみたい。そこでメンテナンスの手間もお金もかからない、経済的な庭が欲しいとなって、禅の思想と相まって枯山水が登場してくるんです。

枯山水が石と砂だけで景色を表現したように、こうした「見立て」は植物によくあります。

今月の植物のひとつに選んだ天鵞絨 (びろうど) 杉は、その名の通り織物のビロードが名前の由来。

美しい葉の様子

美しく輝く葉色が、江戸時代に高級織物として大名たちをうならせた「有線天鵞絨(ゆうせんびろうど)」のようだとその名がつけられたんですね。

今月の植物に選んだもう一種類である、矮性の「紺杉」と比べると、その質感の違いがよりわかるかと思います。

左が天鵞絨杉、右が紺杉。紺杉はまるで花火のように広がっている可愛らしい葉と細かい枝、柔らかな色味が特徴です
左が天鵞絨杉、右が紺杉。紺杉はまるで花火のように広がっている可愛らしい葉と細かい枝、柔らかな色味が特徴です

ちょっと気がはやいですがクリスマスの時期にも似合う植物です。小さいけれど飾ると空間が凛とした空気になりますよ。

それじゃあ、また来月に。

<掲載商品>

花園樹斎
植木鉢・鉢皿

・10月の季節鉢 杉(鉢とのセット。店頭販売限定)

季節鉢は以下のお店でお手に取っていただけます。
中川政七商店全店
(東京ミッドタウン店・ジェイアール名古屋タカシマヤ店・阪神梅田本店は除く)
遊 中川 本店
遊 中川 横浜タカシマヤ店
*商品の在庫は各店舗へお問い合わせください

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西畠 清順
プラントハンター/そら植物園 代表
花園樹斎 植物監修
http://from-sora.com/

幕末より150年続く花と植木の卸問屋「花宇」の五代目。
そら植物園(株)代表取締役社長。21歳より日本各地・世界各国を旅してさまざまな植物を収集するプラントハンターとしてキャリアをスタートさせ、今では年間250トンもの植物を輸出入し、日本はもとより海外の貴族や王族、植物園、政府機関、企業などに届けている。
2012年、ひとの心に植物を植える活動・そら植物園を設立し、名前を公表して活動を開始。初プロジェクトとなる「共存」をテーマにした、世界各国の植物が森を形成している代々木ヴィレッジの庭を手掛け、その後の都会の緑化事業に大きな影響を与えた。
2017年12月には、開港150年を迎える神戸にて、人類史上最大の生命輸送プロジェクトである「めざせ!世界一のクリスマスツリープロジェクト」を開催する。


花園樹斎
http://kaenjusai.jp/

「“お持ち帰り”したい、日本の園芸」がコンセプトの植物ブランド。目利きのプラントハンター西畠清順が見出す極上の植物と創業三百年の老舗 中川政七商店のプロデュースする工芸が出会い、日本の園芸文化の楽しさの再構築を目指す。日本の四季や日本を感じさせる植物。植物を丁寧に育てるための道具、美しく飾るための道具。持ち帰りや贈り物に適したパッケージ。忘れられていた日本の園芸文化を新しいかたちで発信する。

文:尾島可奈子

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