ニットの虫食いも引っ掛けも直せる。体からインテリアまで包むニットブランド「226 (つつむ) 」
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みなさん、日本一のニット生産高を誇る産地がどこか、ご存知でしょうか。
答えは、新潟県のほぼ中央、新潟市の南東に位置する、五泉市 (ごせんし) 。
豊富な水資源を活用して古くから絹織物の産地として知られており、戦後はニット産業へと転換して、現在に至るのだそう。
そんな日本一のニット産地から、新しいニットブランドが誕生しました。
その名も「226 (つつむ) 」。
おなかをつつんだり、首をつつんだり、おしりをつつんだり‥‥。
「ヒトと暮らしをニットでつつんで、心地よくユーモアあふれる毎日へと導くこと」がブランドのコンセプトです。
糸、色、柄、形‥‥多彩な表現ができるニット
手がけたのは、五泉市でニットづくりを続けて57年の老舗メーカー・有限会社サイフク。「226」は、ニットポンチョブランド「mino」に続く、同社のオリジナルブランドです。
「『226』は、ニットの魅力や可能性がいろいろあるということを伝えたくて立ち上げました。ブランド名を『226』として幅を持たせることで、様々な「つつむ」製品を展開しています」とサイフクの斉藤佳奈子さん。
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ひとくちに「つつむ」といっても本当に様々です。
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中でもイチオシは、「おなかをつつむ」、こちらのパンツ。
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斉藤さん曰く「まるではいていないようなはき心地」というほどラクチンなのだそう。
糸はオーガニックコットンで、ゆるめに撚りをかけた芯糸に超長綿を巻いて二重構造にすることで、軽くて肌ざわりのよい仕上がりに。おなかの部分はよく伸びるので、妊婦さんも楽に着られるといいます。
しかも、このニットパンツは、ネットに入れて自宅の洗濯機で洗えるという、お手入れまでもラクチンなアイテムです。
ファクトリーブランドならではのアフターケア
「『お手入れが大変』『ひっかけたらどうしよう』など、お客さんの心のハードルをできるだけ下げたいと考えています」と斉藤さん。
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そんな思いから、サイフクではアフターケアにも力を入れて取り組んでいます。
虫食い穴や引っ掛けてできてしまった引きつれなど、可能な限り対応してもらえるとのこと。
中には、虫食い穴が10箇所以上あるものや、原形をとどめなくてもいいから何とかしてほしいといった依頼もあるのだとか。
こんな相談ができるのも、自社工場を抱えるファクトリーブランドだからこそ。思い入れのあるものを大事にしていける体制が整っているのは心強いところです。
ニットに秘められた可能性は想像以上
今は体をつつむものを中心に展開している「226」。今後はどんなモノをつつんでいくのでしょうか。
「『これもニットなの!?』というものを作っていきたいです。植木鉢カバーやランプシェードなどのインテリアにも広げていきたい。
それと、ニットには人を癒す効果があるのかなと思っていて、実用的なものでなくとも人の気持ちをほっこりさせてくれるものが作れたらいいですね」
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ニットづくりに長年向かい合ってきたメーカーだからこそ知っている、ニットの長所や魅力。
私たちが知らないニットの楽しみ方は、まだまだありそうです。
<取材協力>
有限会社サイフク
新潟県五泉市寺沢1-6-37
0250-43-3129
文:岩本恵美
写真:中里楓
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