ハレの日に贈る、縁起のよい布。つづれ織から生まれた「sufuto」
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高い技術力が求められるという美術織物の中でも、最高峰と言われる「つづれ織」。
その名前には、馴染みがない人がほとんどかもしれません。
「非日常のものを多く作ってきたから、きっと知られていないんですよね」
そう話すのは滋賀県で唯一、つづれ織を継承する清原織物の清原聖司さん。
つづれ織はもともと、天皇や大名など上流階級の人たちに献上されるような特別な織物とされていました。現代でも、ふくさなど特別な時の小物や、祭礼、劇場など、どちらかというと日常ではない「ハレの場」で使われています。
そんなつづれ織をもっと私たちの日常に寄り添うものにしたいと、清原さんは新たなブランド「sufuto (すふと) 」を立ち上げました。
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つづれ織とは?
そもそもつづれ織とは、いったいどんな織物なのでしょう?
その歴史はおよそ4000年と古く、最古のものは古代エジプト文明の時代にまで遡るほど。
日本へは、1300年ほど前、飛鳥時代に中国から伝わり、京都の御室 (おむろ) が日本におけるつづれ織の発祥地とされています。清原織物も室町時代に御室で創業したのち、拠点を現在の滋賀県守山市に移して、つづれ織を代々受け継いできたといいます。
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一般的な織物を間近にじっくり見てみると、たて糸とよこ糸が十字にクロスしている様が見えますが、つづれ織は密度の高いよこ糸でたて糸を包み込むように織っているため、よこ糸しか見えません。
そのため、表から見ても裏から見ても同じ模様を出すことができるんだそう。
「使える色数も他の織物に比べて多く、何万色もいけます。そのため、祇園祭などの祭事に使われる幕類や舞台の緞帳など、美術織物に向いているんです」と清原さん。
織るのにも手間がかかるため、昔から高級生地として重宝されてきました。
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ハレの日を飾る「寿布 (すふ) 」という発想
「神社仏閣や劇場などに『保存する』だけでなく、つづれ織を『継続する』ためには作り手である自分たちで発信していかないといけない」
そんな思いから、新ブランド「sufuto」を始めたといいます。
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結納のふくさや帯、祭礼用の幕地や舞台緞帳 (どんちょう) など、つづれ織はハレの場に花を添える織物。そこに改めて気づいた清原さんは、つづれ織を「寿布 (すふ) 」と名付け、sufutoでは祝いの品々を展開しています。
たとえば、出産祝いにぴったりな命名指輪。組紐がついたベビーリングをつづれ織で包んだ命名札とセットにした一品です。生まれ月からイメージされる12色が揃います。
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子どもが成長したあかつきには、ベビーリングをネックレスやキーホルダーのチャームとして贈ることができるのも感慨深いもの。
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新社会人の新しい門出には、手織りのつづれ織で仕立てた名刺入れを。つづれ織は軽量であると同時に、張りと厚みがある織物なのでしっかり強度もあります。
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人生の節目となるような大切な日を、ハレの日の布「寿布」とともに。
大切な人の特別な時、sufutoの品を贈ってみてはいかがでしょうか。
<取材協力>
清原織物
滋賀県守山市今市町136-1
077-583-5711
https://www.sufuto.jp/
文:岩本恵美
写真:清原織物提供、中里楓
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