歩きやすく、疲れにくい革靴を。靴職人の理想を形にした「SLOW FACTORY」の日常靴

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SLOW FACTORY

靴選びって、難しい。

特に革靴は、靴擦れもしやすくて、自分にぴったりの履き心地のものを見つけるのは至難の技です。

オーダーメイドの靴を作れたらいいのかもしれないけれど、お財布にはあまりやさしくないし‥‥。

そんなことを考えているとき、目に入ってきた革靴がこちら。

SLOW FACTORY

「これしか履かない。と、靴職人は思った。」

靴職人がそう思いながら作ったという、理想の革靴「SLOW FACTORY (スロウファクトリー) 」です。

SLOW FACTORY
1足18,000円 (税抜) 〜と、革靴にしては買いやすい価格なのがうれしいところ

靴職人が考える理想の革靴とは、いったいどんな靴なのでしょうか。

目指したのは「気負わずに履ける革靴」

SLOW FACTORYは、上履きやスニーカーでおなじみのメーカー、ムーンスターが手がけるシューズブランドの一つ。2019年に立ち上がりました。

ムーンスター
ムーンスターの上履き「スクールカラーM」は、1964年からの定番商品。2013年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました
SLOW FACTORY

「ちょっと意外かもしれませんが、実はうちでは60年前くらいから革靴も作っているんですよ。佐賀に革靴専門の工場があるんです」と、ムーンスター ライフスタイルマーケティング部の田中貴子さん。

「30年ほど前にその工場で働く一人の靴職人が思い描いた理想の革靴。それがSLOW FACTORYの原型となるアイデアです。

気負わずに履ける、足の疲れない革靴。

でも、その理想の革靴を作るには、工程も多いうえに、職人の高い技術力も必要でした」

当時は“理想の革靴”を作れる職人が少なく、数もたくさん作れないため、商品化には至らなったといいます。

それでも、ゆっくりでもいいから、本当にいい靴を届けたい。

そんな強い思いから、SLOW FACTORYは動き始めました。

SLOW FACTORY

高い屈曲性とホールド感が生んだ履き心地のよさ

SLOW FACTORYの靴で着目したいのが、靴の甲の部分。縫い目が外側に見えています。

SLOW FACTORY

こうして靴の上部にあたるアッパー部分の革の端を外側に出して縫う製法を「ステッチダウン製法」といいます。つま先立ちも楽にできるほど屈曲性が高いことから、子ども靴やデザートブーツなどに使われることが多い製法です。

SLOW FACTORYのすごいところは、ひと手間かけて、さらに屈曲性をアップさせているところ。

ステッチダウン製法では、アッパーのまわりをぐるりと全て縫っていくのが一般的ですが、足の動きに合わせて屈曲するべき部分だけが曲がりやすくなるよう、ステッチダウン製法をかかと以外の部分だけに施しているのです。

機械を使っているとはいえ、ひと針ひと針、慎重に縫い進めていく作業になります。

SLOW FACTORY
ステッチは、かかと部分の手前までになっています
SLOW FACTORY

一方、かかと部分は革の端を内側に包み込むようにしてつり込む「つり込み式」を採用。こうすることで、かかとのホールド感が増し、かかとがぶれにくくなるんだそうです。

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「この“縫いと留め”は、熟練の靴職人でないとできない難しい手技です」

SLOW FACTORY

ゆっくりでも、着実にものづくりを続けていこうとするSLOW FACTORYの意思がそこにはありました。

少しずつでいいから、一歩でも前へ。

履き心地がよいのもさることながら、履いている人の気持ちをも前へと後押ししてくれそうです。

SLOW FACTORYの革靴を履いて、いつもよりももっと遠くへ足を運んでみませんか。

<取材協力>

ムーンスター

https://www.moonstar.co.jp/

SLOW FACTORY ブランドサイト

https://www.moonstar.co.jp/slowfactory/

文:岩本恵美

写真:ムーンスター提供、中里楓

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