デザイナーが話したくなる「蚊帳生地で作った服」
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ふんわりやわらかい蚊帳生地で作った女性らしい服のシリーズです。
この商品を企画したデザイナーにここだけの話を聞いてみました。
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蚊帳生地はその風合いに特徴があり、目が詰まりすぎていないから、風通し良くふんわりとした仕上がりになります。そして、この生地の特徴こそが縫製を難しくしてしまうそうです。
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服を作るのだから、生地を縫い合わせることは、当然の作業です。それが蚊帳生地の場合、普通に通常の縫い合わせの方法では、滑脱してしまう(いわゆるほどけてしまう)可能性が大きいのです。
そこで、まず生地を2枚縫い合わせて、その1枚1枚をそれぞれを2回折り返して縫います。通常は簡単に仕上げているものならロックミシン、カッターシャツなどでも2回縫うことで仕上げていることが多いのですが、この服はロックミシンはどこにも使っていないどころか、3回の手間をかけて縫い合わせます。
(ややこしいですよね・・・メモをとっていても、わからなくなりそうで、何回も繰り返し説明してもらいました。。)
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もうひとつ、蚊帳生地の難しいところが、きれいにカーブを作ること。
目が詰まっていないので、カーブを作って折り返すと生地がまとまらず繊維がばらばらしてしまう。
それでもデザインにこだわって女性らしいカーブと、動きが加わる部分なので、強度をもたせることを考えて縫製することに。
本体と同じ共生地をテープのようにカットしたものを用意し、さらにカーブに合わせた芯と一緒に本体と3枚合わせて縫製します。扱いにくい生地を丁寧に塗っていかないときれいなカーブにならないので、とても大変な作業だそうです。
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生地をよく見ると、経糸(たていと)には白、緯糸(よこいと)に色の糸を使っています。これは、1色で生地を作るより、やわらかい印象になるようにと2色使いにしたそうです。
そもそもこのふんわりした状態で縫製されているのかと思っていたら、蚊帳生地は生地になった時点では、ノリが付いていて、商品の1.3倍ほどの大きな状態で縫製しているのだとか。生地がぼわんっとハリがある状態なので、折り返す以外に、ギャザーを入れる細かい作業も考えただけで気が遠くなります。
縫製後にようやく洗い加工といって、きれいにノリを落としてふんわりさせたものが、この状態なんです。
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生地以外にも、注目していただきたいのは、奈良で作っている貝ボタン。海がない県なのに、と思われるかもしれませんが、全国トップシェアを誇っている、奈良の産業です。
つるんとしたやさしい光沢と手触りで、少し高さのある小さめのボタンをこのシリーズにも使っています。
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「蚊帳生地で作ったら涼しそ~」と思っていた、このシリーズ。聞けば聞くほど、大変な手間をかけできあがっているのだと勉強になりました。
奈良で作った材料で服を作れることはとても嬉しいことと話していたデザイナー。そして、難しい縫製をしてくださっている方々。丁寧に洗って、大切に着ていこうという思いがふくらんだ時間でした。