日本の食卓を支える、美濃焼のうつわができるまでを見学。中川政七商店のものづくり実況レポート
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中川政七商店の人気アイテムのものづくり現場をスタッフが実際に訪ねる「さんち修学旅行」。今回はロングセラー商品「美濃焼のうつわ」と、新発売する「最適包丁」のものづくり現場にお邪魔しました。
前編は美濃焼のうつわです。東京本店店長の川島がレポートいたします!
岐阜県東濃地方で生産される「美濃焼」。陶磁器生産量が全国の60%以上を占めています。みなさんもきっとどこかでお世話になっているはず。
そんな美濃焼の窯元である作山窯さんが手がけるうつわは、色合いがとても素敵でお客様はもちろんのこと、社内でも好評なんです。
そんなうつわの工程や歴史が学べる貴重な時間!わくわくが止まらない中見学させていただきました。皆様にもその感動をお伝えします!
岐阜県土岐市。
周囲を山に囲まれた自然あふれる場所に作山窯はありました。
最初にご案内された部屋にはずらりと素敵なうつわが。
私たちは思わず各々、歩き回って見学。すっかり美濃焼に魅了されていると、三代目の髙井宣泰さんがいらっしゃいました。
お父様が営む山作陶器の横に築窯をされ、新しいことにどんどんチャレンジしていく髙井さん。中川政七商店が各地の焼き物産地とコラボして展開するうつわシリーズ「きほんの一式」で、美濃焼の一式を手がけていただいています。
美濃焼・作山窯さんの工房を見学
早速工場へ移動して見学へ。
焼き物といえば土は欠かせないもの。まずは土の空気を機械で抜いていきます。
作山窯では14種類の土があり、赤土や白土と土の色ごとに使う機械も変えているんだそうです。空気を抜く作業を2、3回機械に通して手作業で行なっていました。
その土を次は型に入れて形を作ります。
この型は石膏で作られているそうで、デザインをもとに型を作ってくださる会社が存在することもここで改めて気づきました。
そして先程空気を抜いた土をこの型に入れていきます。土の分量も感覚で手にとってるそうです。すごい!
ここからは加工。手作業で行われていました。
お店で扱っている飯椀の側面には、横にラインが何線もかかっています。
こうしたラインは、自然にできるものではなく、あえて風合いや艶感を出すために手で線をつけているとのこと。
うつわの雰囲気を出すためにわざわざひと手間を加えていることに感動しました。
そしてここから焼成の工程へ。まず行われるのが素焼きです。
高井さんによると、素焼きには大まかに3つの目的があるそうです。
・水分を蒸発して釉薬を吸収しやすくするため
・不純物が燃え焼きが安定する
・土が締まることで、本焼きの収縮が少なくなる
本焼きに行く前の大切な下準備でした。6時間くらい焼き、土の原料によって温度を変えてるそうです。
そしてここで100種を超えるという釉薬を使っていきます。うつわの表面の色は、この釉薬の化学反応で出るのです。
実際に私たちが行った時はグレーの液体にうつわを浸けていましたが、出来上がりは茶色になるとおっしゃっていて、また驚きました!
そしてこの後に本焼成が行われます。焼き方が違うため、3つの窯を使用。焼く位置によって色の濃さを作り出しています。
こうして美濃焼は出来上がります。
作り手の思いを知る貴重な時間
この後、最近オープンしたばかりという直営ショップへ。
より多くの方に作山窯のものづくりを知ってもらうために開いたそうです。
とっても素敵な空間で、集めたくなる、欲しくなるうつわがたくさん並んでいました。
最後に工房に戻り、髙井さんにお話を伺います。
そのお話の熱量!高井さんがどんな思いでうつわづくりに向き合っているかが、ひしひしと伝わってきました。
使用される方がどんな空間でどんなお料理を添えて楽しむうつわなのか。
そんな空間の中におさまるうつわを楽しんでいただくために自分が何を作りたいのか、そしてうつわをどう表現していくかを追及し、極める。工房で生み出されているうつわたちは、そうした高井さんの挑戦の賜物なのだと感じました。
いただいたお茶のお椀も一つ一つ違う風合い。お話を聞きながら密かに感動していました。
そして帰り道、焼き物を運ぶ車を何度も見かけました。焼き物が当たり前に生活の中に存在する風景はとても優しく、嬉しく感じました。
実は私も美濃焼の一式シリーズから、青織部の飯椀を使っています。
この色は使っていくうちにどんどん明るくなる経年変化を楽しめる釉薬を使っていて、こだわりの色を出すのが一番難しかったといううつわでした。
たくさん使って、経年変化を楽しみながらうつわと一緒に時間を過ごしていきたいと思いました。
また、お手入れ方法もお伺いしました!気になる方は是非お店へお越し下さい!
さて、午後からは包丁の見学に向かいます。
とても楽しく感動したシーンが多かった見学でした。新発売する包丁に乞うご期待です!後編もお楽しみに。
<掲載商品>
美濃焼の平皿
美濃焼の中鉢
美濃焼の飯碗
美濃焼の湯呑
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