5月 ミニマムな世界を楽しむ「千島撫子」、園芸の醍醐味を伝える「アッツ桜」

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こんにちは。さんち編集部の尾島可奈子です。
日本の歳時記には植物が欠かせません。新年の門松、春のお花見、梅雨のアジサイ、秋の紅葉狩り。見るだけでなく、もっとそばで、自分で気に入った植物を上手に育てられたら。そんな思いから、世界を舞台に活躍する目利きのプラントハンター、西畠清順さんを訪ねました。インタビューは、清順さん監修の植物ブランド「花園樹斎」の、月替わりの「季節鉢」をはなしのタネに。植物と暮らすための具体的なアドバイスから、古今東西の植物のはなし、プラントハンターとしての日々の舞台裏まで、清順さんならではの植物トークを月替わりでお届けします。

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5月の季節鉢は2種類。千島撫子(ちしまなでしこ)とアッツ桜です。清順さんが代表を務める「そら植物園」のインフォメーションセンターがある、代々木VILLAGEにてお話を伺いました。

◇大きな花束でなく、ミニマムな世界を楽しむ「千鳥撫子」

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5月の花といえば母の日に贈るカーネーションですが、撫子(なでしこ)もカーネーションも同じナデシコ科です。撫子は江戸時代に一大ブームになった植物。いろんな園芸品種があります。中でも千島撫子はシベリア原産。同じ千島とつく千島桜は、通常の桜が5〜10メートルくらいに育って花をつけるのに対して、2〜3メートル育ったところでもう開花します。寒いところで育つ植物は、大きくなっても得をしないので小さく育つんですね。そういう矮性(わいせい)が千島撫子の何よりの特徴です。限られた空間にたくさんの花をつけて、大味じゃなくぎゅっと凝縮された花の美しさを楽しめます。日本人はそういう、ミニマムな世界をよしとする美意識を持ってきたんですね。大きな花束じゃなくても小さな空間の中でたくさんの花を楽しむ、こうした花を母の日に贈ったりしてもいいだろうな、と5月の季節鉢のひとつに選びました。

◇園芸の醍醐味を伝える「アッツ桜」

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この花は南アフリカ原産で、桜とつくけれど桜ではないんです。園芸の世界では全く関係のない植物に有名な花木の名をつけることがちょこちょこあります。梅とつくけれど梅じゃない蝋梅(ろうばい)や、サクラ草なんかもそうですね。さっきの千島撫子と一緒で、これだけ小さい中に花芽がたくさんついて葉っぱの数も多いものが、園芸植物としては鑑賞価値が高いんです。葉は高山植物によく見られるうぶ毛で覆われていますが、実際アッツ桜は南アフリカのドラケンスバーグ山脈に自生しています。こういう、高い山に登らないと見れないような花を手元で楽しめる、というのが園芸の何よりの魅力です。遠くまで行けないお年寄りの方やまだ小さい子どもたちにも、遠い国の高山植物を届けて愛でてもらう。それも親しみやすい名前をつけてね。アッツ桜はそんな園芸の醍醐味を伝える植物だと思います。

それじゃあ、また来月に。

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5/3(水・祝)代々木VILLAGEにて、5月の季節鉢「千島撫子」と「アッツ桜」が「GOOD SUNDAY MARKET」に登場します!

「なるべくカラダに良いものを、無理なく、楽しく」
都会に暮らしながらも自然を大切にしたライフスタイルを願う人達にむけたイベント「GOOD SUNDAY MARKET 5/3(水・祝)@代々木VILLAGE」に、花園樹斎が出張出店。5月の季節鉢「千島撫子」や「アッツ桜」、4月にご紹介した「オリーブ」も登場します。会場のお庭には、清順さんプロデュースの見ているだけでワクワクするような珍しい植物もたくさん。ゴールデンウィーク、ぜひ足を運んで直接植物に触れてみてくださいね。
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<掲載商品>

花園樹斎
植木鉢・鉢皿

・植物(鉢とのセット。店頭販売限定)
千島撫子

アッツ桜

季節鉢は以下のお店でお手に取っていただけます。
中川政七商店全店
(阪神梅田本店・ジェイアール名古屋タカシマヤ店は除く)
遊 中川 本店
遊 中川 神戸大丸店
遊 中川 横浜タカシマヤ店
*商品の在庫は各店舗へお問い合わせください

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西畠 清順
プラントハンター/そら植物園 代表
花園樹斎 植物監修
http://from-sora.com/

幕末より150年続く花と植木の卸問屋「花宇」の五代目。
日本全国、世界数十カ国を旅し、収集している植物は数千種類。

2012 年、ひとの心に植物を植える活動「そら植物園」をスタートさせ、国内外含め、多数の企業、団体、行政機関、プロの植物業者等からの依頼に答え、さまざまなプロジェクトを各地で展開、反響を呼んでいる。
著書に「教えてくれたのは、植物でした 人生を花やかにするヒント」(徳間書店)、 「そらみみ植物園」(東京書籍)、「はつみみ植物園」(東京書籍)など。


花園樹斎
http://kaenjusai.jp/

「“お持ち帰り”したい、日本の園芸」がコンセプトの植物ブランド。目利きのプラントハンター西畠清順が見出す極上の植物と創業三百年の老舗 中川政七商店のプロデュースする工芸が出会い、日本の園芸文化の楽しさの再構築を目指す。日本の四季や日本を感じさせる植物。植物を丁寧に育てるための道具、美しく飾るための道具。持ち帰りや贈り物に適したパッケージ。忘れられていた日本の園芸文化を新しいかたちで発信する。


聞き手:尾島可奈子