ハレの日を祝うもの はじめての日から、ずっと使える漆椀
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こんにちは。さんち編集部の杉浦葉子です。
日本人は古くから、ふだんの生活を「ケ」、おまつりや伝統行事をおこなう特別な日を「ハレ」と呼んで、日常と非日常を意識してきました。晴れ晴れ、晴れ姿、晴れの舞台、のように「ハレ」は、清々しくておめでたい節目のこと。こちらでは、そんな「ハレの日」を祝い彩る日本の工芸品や食べものなどをご紹介します。
子どもが一生、食べることに困らないように
赤ちゃんの生後100日目に行われる「お食い初め」。「一生食べるのに困らないように」との願いを込めて、赤ちゃんに食事の真似をさせる風習です。
「お食い初め」の起源ははっきりとはわかっていませんが、平安時代から行われていた儀式だとか。平安時代は赤ちゃんにお餅を食べさせる「百日(ももか)」という儀式があり、その後鎌倉時代には餅から魚肉に変わって「真魚はじめ」と呼ばれるようになったそう。この「真魚はじめ」で初めてお箸にふれることから、「箸揃え」や「箸初め」という呼ばれ方を経て、室町時代にはようやく「お食い初め」と呼ばれるようになりました。
生後100日というと、ちょうど赤ちゃんに乳歯が生えるころ。それを祝って、新しい茶碗や汁椀、皿などを用意します。そのとき料理に「歯固め」の石を添えることもあります。「お食い初め」の風習も地方によってさまざまで、関西では歯固めの石の代わりにタコを添えたり、固い栗の実を添えるという地域もあるのだそうですが、いずれも「赤ちゃんの歯が固くなるように」という願いをこめて添えられるものです。
ずっと使える、越前漆器のうつわ
福井県鯖江市で8代200年に渡って越前漆器をつくりつづけてきた「漆琳堂」。塗りを専門とした「塗師屋(ぬしや)」のこちらでは、一つひとつ漆を手塗りしてさまざまな漆のうつわをつくっています。
記念すべき「お食い初め」の日、子どものために用意する新しいうつわは、どんなものがいいだろう?鯖江の「漆琳堂」と奈良の「中川政七商店」が一生懸命考えてつくったうつわが、「ずっと使える入れ子の漆椀セット」です。
子どもがはじめて使ううつわは、やっぱりいいものに触れさせてあげたい。でも、「お食い初め」のためだけに使うのはもったいない。だから「お食い初め」の時から、大人になるまでずっと使える漆器のセットを。漆器は軽くて割れづらいため、子どもがはじめて持つ食器にぴったりです。
漆によく見られる朱や黒ではなく、このうつわは白い漆をつかっています。はじまりの色とされる「白」の漆はその神聖さから神の色ともされているのだそう。使いはじめはベージュのような色味ですが、経年変化で少しずつ白くなっていくので、子どもの成長とともにうつわの変化も楽しめます。
小さいころから本物のうつわに親しんで、ものを長く大切に使う習慣になりますように。なにより、食べものを美味しく楽しくいただくうつわになると良いな、と思います。
今は小さな赤ちゃんがいつか大人になって、より白くなった漆椀を大きな手にちょこんと持つ日が楽しみです。
<掲載商品>
ずっと使える入れ子の漆椀セット(中川政七商店)
<関連商品>
ずっと使えるベビースプーン(中川政七商店)
ずっと使えるベビーマッシャー(中川政七商店)
ずっと使えるベビーコーム(中川政七商店)
<取材協力>
株式会社 漆琳堂
福井県鯖江市西袋町701
0778-65-0630
http://www.shitsurindo.com
文:杉浦葉子
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