国産カモミールで肌も心も癒される。カミツレの里のビオホテル「八寿恵荘」へ
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白い花びらに黄色い花芯、ジャーマンカモミール(和名:カミツレ)の花。長野県北安曇郡池田町。北アルプスの山々に囲まれた豊かな自然の中に「カミツレの里」があります。
5月中旬から6月上旬は、あたり一面が満開のカモミールでいっぱい、甘くやさしい香りに包まれます。
カモミールを用いたスキンケアアイテム「華密恋(かみつれん)」シリーズを扱う「カミツレ研究所」のカミツレ畑とエキス製造工場、そして自然を感じるお宿「八寿恵荘(やすえそう)」が佇む「カミツレの里」を訪ねました。
「ふるさとに恩返しを」土づくりからはじめたカミツレ畑
ここは、創業者である北條晴久(きたじょう・はるひさ)さんの故郷。ご自身の病が漢方で完治したことから植物に興味を持ち、その中でもハーブカモミールの効能に魅せられて、カミツレエキスの抽出法を研究したという北條さん。
1984年、「ふるさとに恩返しをしたい」との思いで、美しい土壌と美味しい水が豊富なこの地に工場をつくり、土づくりからこだわってカミツレ畑を開墾。自然豊かな里をつくりあげたのだといいます。
「カミツレの里」へご案内くださったのは、松澤英(まつさわ・すぐる)さん。道中、田んぼの隣に作られたカミツレ畑に立ち寄ってくださいました。「『カミツレの里』はもう少し山のほうにあるのでまだ満開ではないんですが、ここは今ちょうど満開です!カミツレの花、かわいいでしょう?」と松澤さん。
少し車で走るとようやく「カミツレの里」へ到着です。自然豊かな約4万坪の広大な土地。とにかく空気がきれいで気持ちいい。周辺散策も楽しみですが、まずはカミツレのことや「華密恋」のスキンケアシリーズをどんな風につくっているのかをお聞きしました。
ハーブの女王、薬草カミツレ
カミツレとは、4000年以上も前から薬草として親しまれてきたジャーマンカモミールの和名。ハーブの女王と呼ばれており、植物療法が盛んなヨーロッパでは昔から薬のように使われてきたのだといいます。
肌への効用もよく知られており、肌にうるおいを与え、乾燥や湿疹、あせもなどの肌トラブルを鎮めてくれるといいます。こちらでは、国産カモミールの持つ自然の力を生かすため30年以上にわたってカミツレエキスをつくり続けてきました。
スキンケアシリーズ「華密恋」の原料となる国産カモミールは、農薬を一切使わず、有機JAS認定の自社農園と国内の契約農家でつくられています。畑に1株ずつ植えられたカミツレは、寒い冬は雪の下でじっくり栄養を蓄えながら春を待ちます。
暖かくなったら流れ込んでくる北アルプスの雪解け水が、カミツレをぐんと成長させるのだそう。5月末〜6月上旬に開花、晴天の続く日に根元から手作業で刈りとります。
一般的に、カモミールティや精油に使うのは花の部分だけですが、こちらのカミツレエキスはカモミールの全草(花・葉・茎すべて)を使い、カミツレの持つ自然なちからを余すことなく抽出します。3センチほどに刻んだら、安曇野の水とサトウキビ由来の発酵エタノールを混ぜ入れて漬け込み、熟成。カモミールの成分はとてもデリケートで熱に弱いため、非加熱でじっくりじっくりエキスを抽出。
濾過したところに、手間と時間、そして愛情をたっぷり注ぎ、濃密なエキスにするのだそうです。