やわらかな光で暮らしを灯す。手漉き和紙のポータブル照明「TORCHIN」をスタッフ宅で使ってみたら

果実シロップを漬けてみたり、わざわざキャンプに赴いたり、手入れに手間のかかる昔ながらの道具ばかりをつい手に取ったり。便利で機能的なものや日々の刺激に心を躍らせる一方で、自分を鎮める時間を持つのも、大人になって上手くなった気がします。

大きな音や強い光にあふれる私たちの毎日。

そこから少し距離をとり、私たちの心をゆるやかにほぐす、やさしい灯りをたたえた照明器具がこの夏デビューしました。

手がけたのは長い年月、ご先祖様の道しるべとなる盆提灯を作ってきた、福岡のシラキ工芸。「TORCHIN(トーチン)」と名付けられたこちらの照明は、伝統工芸・八女提灯の確かな技術を用い、手漉きの和紙を通した灯りを今の暮らしにあう形でお届けする、新しい提灯の形です。

昔も今も、心静まるやすらぎを与えてくれる和紙の灯り。現代の暮らしに取り入れたらどうなるんだろうと、スタッフ2名が自宅で早速使ってみました。

白を基調とした、洋風インテリアの森田家で灯す

奈良市から少し離れた、のどかな景色が広がる場所に暮らす森田。家族の他、共に暮らす猫や犬、鳥も加わり、日中はにぎやかな時間を過ごします。

白を基調とした空間には、シンプルながらぬくもりのある木製家具や、キャッチーな色合いに目を引かれる子どもの遊び道具、また庭から摘んできた草花などを配置。吹き抜けにして高めにとった天井や、たくさんの窓から入る光が気持ちよく、明るく朗らかで清々しい雰囲気の空間です。

明るい昼間はインテリアとして

「夫婦でインテリアの趣味が合うので、この家を作る時も大きな衝突なく進められました。妻がリードしてくれながら全体の雰囲気を決めて、夫婦で選んだ家具をベースに、子どもが描いた絵やお互いの好きな雑貨などもところどころに飾っています。キッチンカウンターの漆喰やリビングドアのペンキを塗るなど、DIYも取り入れながら理想の家に近づけていきました」

「TORCHINはリビングで夕方頃、ちょっと暗くなってきたら灯しています。和紙の照明器具を使用するのは初めてだったので、迎える前は『結構暗いのかな?』と思ってたんですけど、しっかり明るくなるので驚きました。他にもポータブル照明は持っているのですが、それと比べると光がやさしいところがいいですね。和紙ならではのやわらかい明かりが落ち着きます。

それと、すっきりした佇まいなので、洋風のインテリアにも馴染んで使いやすいです。TORCHINの持ち手が木であるところも、暮らしの雰囲気に合いやすいなと感じました」

「子どもは『きのこ!』って言って喜んでて(笑)。シンプルなつくりでスイッチも押しやすいので、気にいったみたいです」

夜は暗闇のなかのやわらかい灯りに

「夜は寝室に移動させて、寝る前の時間にも点けています。片手でひょいっと運べるので、家中どこでも気軽に持ち運べますね。娘に絵本を読み聞かせる時間にベッドサイドへ置いていたのですが、やさしい灯りで安心するので、絵本を読みながら少しずつ眠りにつけていました。睡眠の質を上げるために、寝る前に部屋を薄暗くする間接照明として重宝しています」

「あとは、やんわりと明かりをつけておけば夜間の常夜灯としても使えるなと。夜中に目が覚めて水を飲みにいく時に、部屋をやさしく照らすのにもちょうどいいです。部屋のメイン照明をつけると刺激が強いし、スマートフォンの灯りも明るすぎるので、これまでは意外といい具合の明るさってなかったなと」

「子どもに少しでもいい未来を残したいから、エシカルな生活とまではいかないんですけど、普段から環境のことを考えて少しだけ取り組んだりしていて。野菜くずなどの生ごみはコンポストに入れたり、道具もなるべくプラスチックフリーで長く使えるものを愛用したりしています。TORCHINは充電しながら長く使えて、シンプルでどんな空間にも合いやすいので、ずっと付き合っていけそうなところも素敵だなと思いました」

町家をリノベーションした、木造住宅に暮らす高倉家で灯す

奈良市内の観光地から少し外れた、歴史ある木造住宅の町並みが今も広がる地域に、妻と2人の子どもと暮らす高倉。実はTORCHINの新規開発を進めるにあたり、プロジェクトを取り仕切った責任者でもあります。

古い町家をリノベーションして開放的にとった居間に設えるのは、古今東西から集めた和洋折衷の古道具や古家具。中央に置かれた大きなダイニングテーブルには料理好きの夫婦らしく、創作和食やアジアン料理など、家族や友人に向けた様々な料理が並びます。

リラックスタイムのそばに

「まずは夜、居間や寝室で本を読む時にTORCHINを使ってみました。仕事の本というより趣味の本を読むような、リラックスして読書をしたいときはTORCHINの灯りがちょうどいいんです。そのまま寝たいときは、寝室にも持ち込んだり。

ベッドにも備え付けの照明は付いているんですけど、点けると全体が明るくなっちゃって。例えば妻は寝ているけど僕は読書をしたい時なんかは、妻側も明るくなってしまうんですよね。そういうときに自分の側にだけTORCHINを置けば自分一人だけの範囲を照らせるし、明るさも調整できるので便利だなと。改めてTORCHINの魅力を実感しました(笑)」

「私は寝る前のストレッチに使っていて。疲れがとれてよく眠れるのでストレッチを毎日しているんですけど、いつもは部屋のメイン照明を消して間接照明を点けてたんですね。でもTORCHINが来てからはその間接照明さえも消して、TORCHINの小さな灯りだけを点けています。そうすると、いつもよりもさらに深くリラックスできて、スーッと寝られるような気がするんです。和紙のやわらかさがあるのかな。

ラベンダーのピローミストと併せて使うと、仕事が忙しくて高ぶっていた日も、頭も身体も、ゆったりほぐれるような感覚になりました」(妻・顕子さん)

「あとは夜、部屋の灯りを消してTORCHINだけを点けながらお酒を飲んだりもしていて、その時間がすごく贅沢だなぁって。本を読むときは明るさを一番強いものにして、晩酌の時は少し灯りを小さく、ストレッチの時は一番暗いものにするといった風に、調整がきくのも使いやすいなと思いました」(妻・顕子さん)

誰かとの楽しいひとときにも

「夫婦ともに料理が好きなので、時々友人を招いて夜に簡単な食事会をすることもあるんです。そういう時、飲食店のように少し暗めの灯りだとよりリラックスして会話も弾むなと思い、その場でもTORCHINを使ってみました。メインの照明を落としてTORCHINで明るさを追加してみたら、食卓や料理に華やぎが出て。

子どもがいて頻繁に友人たちと外食をできるわけではないので、こうやって家で、外食の時のような楽しい時間を過ごしたい時にも頼りになりそうです」

家族の形態が変わっても、家の好みが変わっても、どこにでも持ち運べて、どんな場にも合う。和紙の持つやわらかな雰囲気と、クセの少ないフラットなデザインだからこそ、気軽に取り入れられて、長く付き合って行けそうです。

穏やかな光が皆さんの暮らしをやさしく照らし、末永い相棒としてご利用いただけますように。

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文:谷尻純子
写真:奥山晴日

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