料理研究家のツレヅレハナコさんによる「信楽焼の平土鍋」を使ったレシピ
10/9発売の「信楽焼の平土鍋」。鍋ものだけでなく、茹でる、煮る、蒸す、炒める…など幅広い料理に使える土鍋です。自分でも使ってみたところ、想像以上に使い心地がよく、使うほどにこの土鍋のポテンシャルに期待がふくらみました。この土鍋、料理のプロが使ったらどう使うんだろう?そんな好奇心から、料理研究家のツレヅレハナコさんのご自宅を訪ね、信楽焼の平土鍋におすすめのレシピを3つ教えていただきました。
信楽焼の平土鍋におすすめのレシピ
・獅子頭鍋
・鶏肉と里芋のみそクリームグラタン
・香港風にら牛肉土鍋ごはん
獅子頭(しずとう)鍋
「信楽焼の平土鍋は、煮るだけじゃなくて焼いたり炒めたりできるので、その機能性を活かしたレシピを作りました。肉団子を焼きつけた鍋でそのまま煮込むことで、肉のうまみがスープに入ります。
ふつうの土鍋よりも少し浅くて口径が広いので、具が沈まずに見えて、手を伸ばしやすいのがいいですね。容量はしっかり入るので、ホームパーティなど大人数で鍋を囲む時に重宝します」
材料(2~3人分)
豚ひき肉 200g
A長ねぎのみじん切り 10㎝分
Aれんこんのみじん切り 100g分
Aしょうがのすりおろし、にんにくのすりおろし 各1かけ分
A酒、しょうゆ、ごま油 各小さじ1
A片栗粉 大さじ1
A塩 小さじ½
干ししいたけ 20g
水 3カップ
白菜 1/4個(約600g)
緑豆春雨 40g
Bしょうゆ、酒、オイスターソース 各大さじ1
B砂糖 小さじ2
サラダ油 小さじ1(菜種油やこめ油、オリーブオイルなどでも)
ラー油 適宜
1.ボールにひき肉、Aを入れて練り混ぜ、8等分して小判型にする。
2.干ししいたけは水に入れて2時間~一晩、冷蔵庫でもどして(戻し汁はとっておく)薄切りにする。
3.白菜は葉の部分はざく切り、芯の部分はそぎ切りにする。
4.春雨はぬるま湯でもどして水けをきる。
5.土鍋にサラダ油をしいて中火にかけ、肉を入れると「ジュッ」と音がするほど十分に温まったら肉団子を並べ入れる。両面にしっかりと焼き色をつけ、バットに取り出す。
6.土鍋を洗わず白菜の芯の部分を敷き詰め、肉団子、しいたけをのせる。
7.干し椎茸の戻し汁に水を加えて3カップにし、Bを加えて土鍋に入れる。白菜の葉の部分をのせてふたをし、5分ほど煮る。
8.春雨を加え3分ほど煮て器に取り、好みでラー油をかける。
鶏肉と里芋のみそクリームグラタン
「意外に思われることも多いのですが、土鍋はオーブンでも使えるんです。具材を煮込んでチーズをかけたらそのまま焼けるので、洗い物が少なく済みます。立ち上がりがゆるやかでお皿のような見た目なので、グラタンをそのまま出しても違和感がありません。
土鍋は保温性が高いので、しばらく温かいまま食べられるのもいいところ。これからの季節におすすめの使い方です」
材料(4~5人分)
鶏もも肉 350g
里芋 6個(約350g・下処理済みの冷凍または真空パックでも可)
玉ねぎ 1個
むき甘栗(市販) 100g
マカロニ 150g
オリーブオイル小さじ½
バター 40g
小麦粉 大さじ4
牛乳 2カップ
みそ 大さじ2~3
溶けるチーズ 150g
1.鶏肉は皮と余分な脂を取り、一口大に切る。里芋は皮に一周切れ目を入れて竹串がすっと通るまで蒸し、熱いうちに皮をむいて8㎜厚さに切る。
2.玉ねぎは薄切り、マカロニは袋の表記通りゆでてざるにあげ、オリーブオイルをまぶす。
3.土鍋を中火にかけてバターを入れて溶かし、玉ねぎを加えてしんなりするまで3~4分炒める。
4.小麦粉を入れて1分ほど炒めたら鶏肉を加え、全体に混ざったら牛乳を少しずつ加える。
5.みそ、里芋、甘栗を入れて5分ほど混ぜながら煮る。
6.マカロニを加え、再沸騰したら耐熱容器に入れてチーズをのせる。
7.230℃のオーブンに入れ、20分ほど焦げ目がつくまで焼く。
中サイズの直径が約30cm、大サイズは約33cmになります。個体差があるため、それぞれ記載の数字より大きいものもございます。オーブンのサイズによっては、入らないこともございますのでご注意ください。
香港風にら牛肉土鍋ごはん
「香港に行った時に食べた、冬の名物料理『ボウジャイファン』を参考にレシピを作りました。土鍋でごはんを炊いて、その上に味付けした生肉などの具材を乗せて蓋をして蒸らしたら完成です。蒸らして作るので保温性が高い土鍋が向いています。気密性が高くないので、ごはんを炊くときにはふきんを巻くなどのコツがいりますが、調理したまま食卓に持ってこられる土鍋ごはんはやっぱり場が盛り上がります」
材料(4人分)
牛切り落とし肉 200g
にら 1束
Aしょうがのすりおろし、にんにくのすりおろし 各1かけ分
A卵白 2個分
Aしょうゆ、オイスターソース、紹興酒 各大さじ1
Aごま油、片栗粉 各大さじ1/2
A砂糖、豆板醤 各小さじ1
Bしょうゆ、オイスターソース 各大さじ1
B砂糖 小さじ1
米 3合
水 540ml
卵黄 2個分
粉山椒 適宜
1.米は洗い、2時間ほど浸水させてざるにあげる。牛肉は3㎝幅に切り、ボールに入れてAをもみこむ。
2.にらは3㎝幅に切り、牛肉に加える。器にBを合わせる。
3.土鍋のふたに布巾を巻き、上部で端同士を結ぶ。土鍋本体に米、水を入れ、ふたをして中火にかけ、沸騰したら弱火にして5分ほど炊く。
4.ごはんの上に牛肉とにらをのせ、真ん中をくぼませてふたをして更に5分ほど炊く。火を消して10分ほど蒸らす。
5.くぼみに卵黄をのせてBをごはんにかけて全体を混ぜる。好みで粉山椒を振る。
「よければ、ぜひタイ米で作ってみていただきたいです。独特のアジアな雰囲気になってより一層おいしいというか、また全然違った味になります。
お焦げを作りたい人は、蒸らす前の炊く時間を少し長くするとパリパリのお焦げができます」
密閉性が高くないので、ごはんを炊くのにはコツがいります。蓋にふきんを巻いて密閉性を高めて炊くのをおすすめします。
信楽焼の平土鍋を使った感想
もともと鍋が好きで、旅先でもついつい鍋を買ってしまうというツレヅレハナコさん。理想の台所を作るために建てたご自宅には、鍋専用の棚まであるのだとか。そんなツレヅレハナコさんに、信楽焼の平土鍋を使った感想を聞いてみました。
「まず深さがちょうどいいですよね。深すぎず浅すぎず。一般的なものよりも浅めだと思うんですけど、直径が大きいので容量もしっかり入ってくれます。浅めで口が広いので具材が沈まず見やすくて、料理の時にも食事の時にも使いやすいなと思いました。
へりがあるからか、噴きこぼれづらいのもいいですね。鍋をやる時にある程度の量をいれても余裕があるので使いやすいです」
「取っ手がない点についてはどうなのかなと思っていたけど、へりの厚みがあるからしっかり掴めるし、意外と不便は感じなかったですね。見た目もスタイリッシュです。
黄瀬戸は、絶妙に黄みがかった色もいいですよね。土鍋でこの色は中々ないと思いますが、高級感があっていいと思いました」
「直径が大きいので、大人数で囲んでも見やすいし、手を伸ばしやすいですよね。今回のレシピは小さい方(中サイズ)で作りましたが、これが日本のスタンダードなサイズじゃないかなと思います。
うちでは人を招いて6~8人くらいで食卓を囲むことが多いので、大サイズも活躍しそうです。大容量でありながらデザインもよく、使い勝手もよいというのは、重宝するなと思いました」
ツレヅレハナコさん
食と酒と旅を愛する文筆家、料理研究家。著書に『まいにち酒ごはん日記』、『ツレヅレハナコのおいしい名店旅行記』、『ツレヅレハナコのからだ整え丼』など。食や日常を綴るSNSも人気。
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文:上田恵理子
写真:奥山晴日