【旬のひと皿】みかんと蕪のサラダ

みずみずしい旬を、食卓へ。

この連載「旬のひと皿」では、奈良で創作料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。



少し遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。お正月の奈良はずっとよいお天気で、全国的にもお出かけしやすい年末年始だったのではないでしょうか。

年末年始は、毎年多くのお客様がお店へ来てくださる時期。昨年に引き続き93歳のお誕生日にお越しくださったご家族様もいらっしゃり、なんとも言えない心温かな時間を共有させていただけました。

たまたま一緒の時間にいらっしゃっていたお客様も一緒に拍手をしてくださり、大切な時間にわざわざお越しいただいたことに胸も心も全ての臓器がいっぱいになりました。

ご家族やご友人との貴重な時間を過ごす場所に選んでいただけることがありがたくて、「お正月のお写真撮らせてください!」とお声がけして、集合写真も撮らせていただきました。(心の中では“お正月を写そう!”の気分)

カメラ越しに楽しそうに笑っておられるお顔を拝見し、一緒に参加させていただいた気分で嬉しい年の瀬と今年のはじまりを感じることができました。

お正月休みが過ぎると、しばらくお休みで会わなかった運送会社の方や、食材を届けてくださる方とも再会。わいわいお話しながら、今年一年もまた楽しんでいただけるよう自分の気持ちをキリッと引き締めています。

今年は箱のみかんと目があって、すでに何度か購入してシロップにし、みかん寒天を作ったりシャーベットにしたり、サラダに入れたりと楽しんでいます。

裏作の時期だったようで例年より多くは出回っていないように感じますが、手で簡単に剥けるみかんは、お風呂あがりや、喉が渇いた時の水分補給がわりにも嬉しい。雨がかからないように注意しつつ、室外に置いておくと寒さで果肉がひんやり冷たくなり、冷蔵庫いらず。冬のアイスクリームもいいけれど、みかんもやはり、冬には必要な存在だと思うのです。

そうそう、知らなかったみかんの話を先日お客様から伺いました。

給食に出てきた冷凍みかん。食べる頃には半解凍くらいになっていて、とびきり美味しかった記憶が残っているのですが、なんと新幹線でも冷凍みかんが売られていたそうで、びっくり!もちろんすぐには食べられないので、買われた方々は溶けるまでしばらく待っていたのでしょうか。

旅のお供に冷凍みかん。自前で作り、どこかに出かけてみたいなと思いました。今回はそんな、みかんを使ったレシピです。

<みかんと蕪のサラダ>

材料(2人分)

・豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用)…6~8枚
・ほうれん草…1束
・かぶ…1個
・大根…5cm程度
・みかん…3個
・ポン酢…大さじ2
・オリーブオイル…小さじ2

◆トッピング

・ピーナッツ…10粒
・白炒りごま…小さじ1
・クミン(あれば)…ひとつまみ
・おかき(醤油味)…適量
・粗塩…適量

作りかた

トッピングから作る。ピーナッツを粗めにきざみ、ボウルにごまとクミンと一緒に入れる。おかきを手で割り入れ、粗塩も入れて混ぜ合わせる。

ほうれん草は軸に十字の切り込みを入れ、砂をきれいに洗い流す。かぶ、大根も洗う。

鍋に湯を沸かし、塩ひとつまみ(分量外)を入れたら、ほうれん草を軸からサッとゆでる。冷水にとって水気を絞り、3cm程度にカットする。

みかんの皮をむき、横側から3枚になるようスライスする。お皿に円になるよう並べる。皮についた果肉は大きめのボウルに絞っておく。

かぶの皮をむき横半分に切る。上部分を横側から5枚に切ったら、重ねて縦半分に切り、先ほど並べたみかんの間にそれぞれ並べていく。1枚余るのはつまみ食い用に(笑)。

残ったかぶと、皮をむいた大根をすりおろしてドレッシングを作る。かぶは鬼おろしで、大根はおろし金ですると食感が変わって楽しい。軽く水気を絞ったら、みかんの果汁を入れたボウルにほうれん草、ポン酢、オリーブオイルと一緒に入れる。

鍋に湯を沸かし、沸騰したら塩少々(分量外)を入れて豚肉をゆでる。ざるにあげたら先ほどのボウルに入れて、全体をざっくりと合わせる。

みかんとかぶを並べたお皿の中央にこんもりと盛り付けて、仕上げにトッピングをふりかければ完成。

うつわ紹介

美濃焼の平皿

写真:奥山晴日

料理・執筆

だんだん店主・新田奈々

島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。  
野に咲く花を生けられるようになりたいと大和末生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。
https://dandannara.com/

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