【旬のひと皿】パプリカと鶏肉のさっぱり煮

みずみずしい旬を、食卓へ。

この連載「旬のひと皿」では、奈良で季節の料理と玄挽きの蕎麦の店「だんだん」を営む店主の新田奈々さんに、季節を味わうエッセイとひと皿をお届けしてもらいます。



旬のひと皿 パプリカと鶏肉のさっぱり煮

夏がはじまる少し前に、海を見に行ってきました。海岸端の少し小高い場所にある民宿は、70代中頃のオーナーさんから引き継いだ地元の若い方がリフォームされた場所でした。

1階部分は海を見渡しながら休憩できる共有スペースになっていて、お部屋があるのは2階。階段を登ると客室は6部屋ほどあり、奥の方まで案内していただいて「こちらでどうぞ」と部屋のドアをあけてもらいました。部屋に入ると、目の前には海が。2面の大きな窓があり、両方から日本海を望める素敵な景色です。

窓をあけてみるとそよそよとカーテンが揺れて、気持ちのよい風が入ってくる。歩いて行ける距離に温泉もあり、陽の沈む頃に向かってみると地元の方が日常で使われているところのよう。少しだけ地元の人になったような気分で久しぶりの温泉につかりました。

疲れていた身体がびっくりするほど元気になっていて、外へ出ると水平線に近づいてくる夕日を見ながらなんと豊かな場所や景色だろうとぼーっと見ていました。

奈良に帰ってきた頃には梅雨も明け一気に夏が始まっていました。真夏の時期に真っ赤な食材で元気の出るものを作りたいなと、今回は赤い土鍋で「暑い夏を乗り切ろう!」メニューです。

「プーレ オ ビネイグル(鶏のワインビネガー煮)」はフランス・リヨン地方の郷土料理。学生時代、フランス料理を学んでいた頃に教わり、「酢を入れて煮る!?」と当時は思ったのですが、お肉も柔らかくなり酸味は飛ばしているので酸っぱ過ぎません。爽やかな酸味があり夏の食欲の低下する時期にも食べやすいです。

今回は、より馴染みのある味でと思い、日本のお酢を入れて作りました。パプリカを大きめにカットして煮込み、鶏肉も主役!パプリカも主役!みんな主役な元気色の煮込みをどうぞ。

<梅とレモンの甘露煮風シロップ>

材料

・鶏モモ肉…1枚
・赤玉ねぎ…1個(普通の玉ねぎでも可)
・パプリカ…2個
・トマト…1個
・パセリ…少々
・酢…大さじ1

作りかた

鶏モモ肉のスジや余分な脂を取り、塩(分量外)をしてしばらく置く。

両面に軽く塩をふる

玉ねぎはくし切りに、パプリカは4分の1に、トマトは小さめにカットする。

食べ応えがあるように、四等分にカットして種をとる
トマトはこまかく角切りに。皮は剥かなくてもOK
パセリは茎だけカットしておく

土鍋に少し油をひいて火にかける。玉ねぎを入れて塩少々(分量外)をする。

鶏モモ肉は、クッキングペーパーで水分を取ってからフライパンで皮目に焼き色をつける。焼き色がついたらひっくり返して、身の部分は表面の色がさっと変わるくらいでフライパンから取り出す。残った油はだし汁として土鍋に入れる。

お好みの油を少々引いてから、皮を焼いていく
焼き色がついたらひっくり返して、身の色が変わる程度にさっと焼く
お肉の油が残ったところに大匙1程度の水を入れ、だし汁として土鍋に入れる

土鍋の玉ねぎの上にパプリカを並べ入れ、さらに塩少々(分量外)をする。次にカットしたトマトとパセリの茎を入れて、その上に焼いた鶏モモ肉を載せ、お酢を回し入れる。

パプリカを入れて、一度軽く塩をふる
鶏肉の煮汁をパプリカに吸わせるイメージで
お酢を回し入れる

蓋をして15分ほど弱火で煮込んでいく。途中で煮汁を鶏肉に回しかける。

時折、煮汁を底からすくって回しかける

鶏肉に火が入ったことを確認して、パセリをちらして完成。切り分けてうつわに盛り付ける。

うつわ紹介

美濃焼の豆皿 安南唐草


写真:奥山晴日

料理・執筆

だんだん店主・新田奈々

島根県生まれ。 調理師学校卒業後都内のレストランで働く。 両親が母の故郷である奈良へ移住することを決め、3人で出雲そばの店を開業する。  
野に咲く花を生けられるようになりたいと大和未生流のお稽古に通い、師範のお免状を頂く。 父の他界後、季節の花や食材を楽しみながら母と二人三脚でお店を守っている。
https://dandannara.com/

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