来たれ、ものづくりのまちへ。1泊2日で楽しむ鯖江の旅

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福井県鯖江市・漆琳堂・漆器

こんにちは。さんち編集部です。

9月の「さんち〜工芸と探訪〜」は福井県の鯖江特集。鯖江のあちこちへお邪魔しながら、たくさんの魅力を発見中です。今日は、いよいよ10月12日から鯖江で開かれる「RENEW×大日本市鯖江博覧会」に向け、さんち編集部おすすめの、1泊2日で鯖江を楽しむプランをご紹介します。お祭りより一足先に、見どころを巡ってみましょう!


今回はこんなプランを考えてみました

1日目:ものづくりと移住のまちで漆器に親しむ

・ヨーロッパ軒:福井名物ソースカツ丼の元祖
・うるしの里会館:漆器のことを学ぶならまずここで
・漆琳堂:生まれ変わった老舗漆器工房でワークショップも楽しめる
・ataW:独時のセンスが光るセレクトショップ
・くめちゃん:移住者たちも足繁く通う河和田の社交場
・福井ゲストハウス SAMMIE’S:旅人とまちをつなぐ場所

2日目:めがねのまちと紙の神様がいる里をめぐる

・迦毘羅:84歳のマスターが腕を振るう絶品カレー
・めがねミュージアム:めがねショップで自分のぴったりのめがね探し
・味見屋:110年以上続く、なつかしくて美味しい老舗食堂
・大瀧神社:日本でも珍しい紙の神様を祀る神社
・和紙の里:越前和紙のすべてを知ることができる

では、早速行ってみましょう!


1日目:ものづくりと移住のまちで漆器に親しむ

1泊2日の鯖江旅は、JR北陸線・福井駅からスタート。1日目は越前漆器の産地、10月のイベントのメイン会場でもある鯖江市河和田 (かわだ) 地区をめぐます。河和田ではここ数年で、ものづくりを志す移住者も増えているそうですよ。

【昼】福井名物ソースカツ丼の元祖
ヨーロッパ軒

JR北陸線の福井駅に到着したら、まずは鯖江方面に向かう前に腹ごしらえ。旅先ではやっぱりその土地の名物を食べたい!というわけで向かったのは、福井駅から車で約5分の場所にある「ヨーロッパ軒」です。ここでは福井県の有名なB級グルメ、ソースカツ丼をいただくことができます。

地元の人にとっては「ソースカツ丼といえばヨーロッパ軒!」というほどおなじみの味。薄くカットした上質なモモ肉とロース肉に、100年以上前にドイツで料理の修行を重ねた初代が発案したという秘伝のタレとの相性は抜群です!おなかもいっぱいになったところで、鯖江市・河和田地区に向かいましょう!

総本店は福井駅からもアクセス良好
愛らしい牛のキャラクター。創業当時は日本で豚肉を食べる習慣があまりなく、牛肉のカツから始まりました

ヨーロッパ軒の情報はこちら

【午後】漆器のことを学ぶならまずここで
うるしの里会館

車を走らせ、到着したのは「うるしの里会館」。約1500年の歴史を持つ越前漆器の里、河和田地区の中心部にあります。館内では越前漆器の歴史や製造工程などが学べる回廊型展示スペースや、約1300点の越前漆器を展示販売するミュージアムショップ、漆をふんだんに使用した茶室「漆黒庵」、地元職人による蒔絵のパネルをはめ込んだ格天井の和室など、見所がたくさん!職人さんが実際に作業をしている様子を見学することもできます。

今回は車で向かいましたが、「RENEW×大日本市鯖江博覧会」の期間中である2017年10月14日(土)、15日(日)は、JR鯖江駅とうるしの里会館をつなぐ無料シャトルバスが運行します。JR鯖江駅は福井駅から在来線で15分ほどの距離なので、電車と組み合わせて使えば効率的に見どころを回ることができそうです。移動は電車派、の方はぜひ利用されてみては。

ミュージアムショップには様々な用途で用いられる1300点の漆器が並ぶ
ミュージアムショップには様々な用途で用いられる1300点の漆器が並ぶ
茶室「漆黒庵」。実際に利用することもできる (要問合せ)
茶室「漆黒庵」。実際に利用することもできる (要問合せ)

うるしの里会館の情報はこちら

【午後】生まれ変わった老舗漆器工房でワークショップも楽しめる
漆琳堂 (しつりんどう)

「うるしの里会館」から徒歩3分ほどの場所にあるのが、1793年の老舗、漆琳堂 (しつりんどう) の直営店。もともと顧客向けの展示場だった店舗を2016年7月、「ショップ」、「ショールーム」、「ワークショップ」、「工房見学」の機能を持つ空間にリニューアルしました。

なかではポップな色合いの漆を用いたオリジナルブランド「aisomo cosomo (アイソモ コソモ) 」、「お椀や うちだ」をはじめとした商品の販売や約1000種以上の漆器の展示のほか、「お椀の拭き漆」体験や「金継ぎ教室」も楽しめます。「RENEW×大日本市鯖江博覧会」期間中もワークショップが開催されますのでお楽しみに。

ポップなカラーが特徴のオリジナルブランド「aisomo cosomo」と「お椀や うちだ」のお椀
ポップなカラーが特徴のオリジナルブランド「aisomo cosomo」と「お椀や うちだ」のお椀
漆琳堂の女性職人が作る漆を使ったアクセサリー。今後、広く販売を予定
漆琳堂の女性職人が作る漆を使ったアクセサリー。今後、広く販売を予定

漆琳堂の情報はこちら

【午後】独時のセンスが光るセレクトショップ
ataW (アタウ)

旅の楽しみの一つが買い物、という方も多いのではないでしょうか。河和田地区の玄関口に位置するataWでは、福井でつくられたものはもちろん、国内外の作家による食器や洋服、日用品、家具、アクセサリー、デザインプロダクトなど、幅広い商品を扱っています。

見た目の美しさや機能だけでなく、作家のものづくりの考え方や手法、ストーリーなどを重視してセレクトしている商品は、普段使いできるものから、これはどんな使い方をするのだろうと想像力をかき立てるものも。一つひとつ商品を手にとってじっくり眺めたくなる、そんなお店です。

関坂漆器独自のプロダクトも。イギリスのデザイナーIndustrial Facility (インダストリアル・ファシリティ) と協働で作られた「STORE (ストア) 」は、業務用漆器の技術を活かした多目的容器

ataWの情報はこちら
>>>>関連記事 :デザインとアートの間を行き来する「ataW」

【夜】移住者たちも足繁く通う河和田の社交場
やきとり&ホルモン ファミリー居酒屋 くめちゃん

夜は地元の人たちが集う居酒屋「くめちゃん」へ。ここは地元の社交場のような場所で、河和田に移住した人たちもよく通うそうです。焼き鳥やホルモンをつつきながら座敷席で打ち上げや宴会で盛り上がるもよし、1人でカウンターに座って隣の人と語らうもよし。気さくな大将や地域の人々と言葉を交わしていると、初めて訪れても昔馴染みのような居心地の良さを感じられるはず。楽しい河和田の夜を過ごすのにぴったりのお店です。

開店早々から賑わうカウンター
開店早々から賑わうカウンター

やきとり&ホルモン ファミリー居酒屋 くめちゃんの情報はこちら

【宿】旅人とまちをつなぐ場所
福井ゲストハウス SAMMIE’S

エントランスの看板

たっぷり河和田エリアをめぐった1日目。再びJR福井駅方面へ向かいます。本日のお宿は2015年8月にオープンした「福井ゲストハウス SAMMIE’S」です。DIYでモダンに改装された空間は、初めて訪れてもどこか懐かしさが漂う雰囲気。オーナーの咲子さんに今日あった出来事を話したり、福井のおすすめ情報を聞いたりしながら、翌日の行き先を決める人も多いそうです。オーナーの人柄とまるでおばあちゃんの家に来たかのような居心地の良さに、次回もまた泊まりたくなること必至です。

宿泊者が集うリビング
宿泊者が集うリビング
福井の観光情報が豊富に揃う
福井の観光情報が豊富に揃う

福井ゲストハウスSAMMIE’Sの情報はこちら


2日目:めがねのまちと紙の神様がいる里をめぐる

【朝】84歳のマスターが腕を振るう絶品カレー
迦毘羅(かびら)

福井で朝を迎えたのならぜひ訪れてほしいのが、創業56年の歴史を持つ老舗喫茶「迦毘羅」。福井の歓楽街「片町」の入り口、大通りを1本入った路地にあり、現在84歳のマスターが半世紀以上にわたって自慢のカレーライスとコーヒーを振る舞っています。お店は朝9時から営業しているので、朝食にもぴったり。マスターがつくる「スペシャルカレー」の味に魅了され、福井県民はもとより、県外からも多くのリピーターが訪れるのだそうです。

訪問時には必ず食べたい「スペシャルカレー」 (1100円・税込) 。

【午前】めがねショップで自分のぴったりのめがね探し
めがねミュージアム

メガネオブジェ

カレーで元気をつけたら、鯖江市街地へ。鯖江ではまちのあちらこちらにめがねを見ることができます。なかでも「めがねミュージアム」はめがねショップ、体験工房、めがね博物館からなるめがね尽くしの施設。これは訪れないわけにはいきません。

ミュージアム内のめがねショップでは、福井県内のメーカー約40社が製造する3,000本以上の最新・人気フレームを展示販売。眼鏡士によるめがね選びや、視力検査、めがねのクリーニング・フィッティング・調整など、快適にめがねをかけるためのサポートが受けられます。これを機に自分にぴったりのめがねを探してみてはいかがでしょうか。

めがねミュージアムの入り口

めがねミュージアムの情報はこちら

>>>>>関連記事 :「めがね尽くしの街!鯖江にいると何から何までめがねに見える」

【お昼】110年以上続く、なつかしくて美味しい老舗食堂
味見屋

2日目のお昼は、鯖江市民に「地元のおすすめのお店」を聞くと必ず名前が挙がる「味見屋」に行ってみましょう。明治30年代から110年以上続く老舗の店内では、中華そば、オムライス、しょうゆカツ丼など定番メニューが約80種類!どれを注文しようか迷ってしまうかもしれません。なかでも毎朝手打ちされるという自家製の麺を使った中華そばにはファンも多く、お昼の時間帯には行列ができるほどの人気ぶりです。

しょうゆカツ丼(730円)も人気メニューの一つ

【午後】紙の神様が祀られる神社へ
岡太(おかもと)神社・大瀧神社

ここからは越前エリアに足を伸ばします。やってきたのは越前和紙の産地、今立地区にある岡太神社・大瀧神社。ここには越前和紙発祥のきっかけとなったお姫様、川上御前が「紙の神様」として祀られているのです。国の重要文化財にも指定されている社殿の荘厳な佇まいは、見るものを圧倒するほど素晴らしく、細かな彫刻もぜひ目を凝らして眺めたいところです。

境内入り口には大きな杉の木がそびえ立っています
緻密な彫刻は永平寺の勅使門を作り上げた宮大工、大久保勘左衛門によるもの

岡太神社・大瀧神社の情報はこちら

【午後】越前和紙のすべてを知ることができる
越前和紙の里

1泊2日の旅もいよいよ終盤です。最後に訪れたのは岡太神社・大瀧神社から車で5分ほどの場所にある「越前和紙の里」。ここでは、「和紙の里通り」を中心に、昔ながらの和紙づくりを見学できる「卯立(うだつ)の工芸館」や越前和紙の歴史を学ぶことができる「紙の文化博物館」、紙漉き体験ができる「パピルス館」など越前和紙の魅力を体感できる施設が点在しています。

3つの施設をじっくり回るためにも、ぜひ時間に余裕を持って訪れたいところ。歴史ある越前和紙に詳しくなって、旅の最後を締めくくるのはいかがでしょうか。

伝統工芸士が紙を漉く様子を見学することもできます。
パピルス館内の和紙ショップではさまざまな和紙の商品を購入することができます

和紙の里の情報はこちら
>>>>>関連記事 :「紙の神様に会いに行く。越前和紙の里でまち歩き」

旅の最後にもう一箇所立ち寄りたい方には「猫寺」で有名な御誕生寺(ごたんじょうじ)もおすすめです

越前漆器、めがね、和紙をはじめさまざまなものづくりの産地が集積している鯖江・越前エリア。今年10月に行われる「RENEW×大日本市鯖江博覧会」は、普段は公開されていない工場もその門戸をあけ、実際のものづくりの現場を見学・体験できる、まさに特別なイベントです。 (10月12日 (木) ~15日 (日) 開催) 。

ものづくりの今に触れる、驚きと発見に満ちた産地旅へ。ぜひこの機会に鯖江を訪れてみてはいかがでしょうか。

さんち 鯖江ページはこちら

撮影:石原藍、いつか床子、上田順子、小俣荘子、川内イオ
写真提供:ataW

RENEW×大日本市鯖江博覧会

RENEW×大日本市鯖江博覧会

10月12日 (木) ~15日 (日) に福井県鯖江市で「RENEW×大日本市鯖江博覧会」が開催されます。

期間中「さんち〜工芸と探訪〜」のスマートフォンアプリ「さんちの手帖」は、
「RENEW×大日本市鯖江博覧会」の公式アプリとして見どころや近くのイベント情報を配信します。

また、すべての見どころで「旅印」を集めると「漆琳堂」×「tokyobike」の自転車がもらえる企画も実施します。

多彩なコンテンツで“工芸と遊び、体感できる”イベントです。ぜひお越しください!

【開催概要】

開催名「RENEW×大日本市鯖江博覧会」
開催期間:10月12日 (木) ~15日 (日)
開場:福井県鯖江市河和田地区・その他
主催:RENEW×大日本市鯖江博覧会実行委員会

オフィシャルレセプション:10月12日 (木) 19:00~@鯖江市河和田地区内 PARK

 

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