奈良吉野のとろけるあんぽ柿に濃厚バター、一期一会の小皿料理

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こんにちは。さんち編集部の杉浦葉子です。
旅先で味わいたいのはやはりその土地ならではの料理です。あとは地酒と地の器などがそろえば、もうこの上なく。産地で晩酌、今宵は古都奈良で晩酌を。

奈良を味わう、たったひと言の注文。

「奈良の美味しいお酒とお料理を。」

注文はこれだけで、あとは店主におまかせ。旅先ではきっと、こんなお店が良いのです。

———熱燗でいいかしら、それともぬる燗?

店主がすすめてくれた奈良の地酒は、豊澤酒造の「豊祝・上選」。大吟醸だとお酒だけで満足してしまうから、うちのお料理と一緒にいただくならこれがちょうどいいの、と。

それもそのはず。こちらのお料理は店主が同じお酒を味わいながらこしらえたもの。お酒とお料理が合わないはずがないんです。

いつも決まったお品書きがあるお店ももちろん良いけれど、その季節に愉しめるその土地のお料理をちょこちょこといただけるお店も嬉しいもの。奈良でいただける小皿料理がつぎつぎと運ばれてきます。

つやつやトロリとした吉野のあんぽ柿にコクのあるバターをはさんだ一品は、奈良の作家・久岡冬彦さんのお皿で。こっくり深い色あいの釉薬に、はっとするような柿色が美しく、目でも愉しめます。

小ぶりでやわらかな茄子にはたっぷりのもろみ味噌。こちらのお皿も奈良の作家で、勝尾孝子さんのもの。お料理とうつわの雰囲気がなじむのは、奈良でつくられたお皿が多いからでしょうか。しっくり。

奈良漬とクリームチーズの和えものも間違いなくお酒にぴったり。お料理をちびちび、お酒もちびちびと。至福です。

ひと皿ひと皿、この時この場所でしか味わえないのだと思うと、旅の醍醐味、一期一会を感じます。

そして、いっしょに旅する相手はきっと気のおけない間柄。この日の旅のあれこれから昔の懐かしい話まで、話の尽きない晩酌に。訪れた季節、一緒に味わったもの、話したこと、まるごと全部が旅の記憶になるはず。

よい奈良旅になりますように。ごちそうさまでした。

こちらでいただけます

お酒と小皿料理 元林院 京富
奈良県奈良市元林院町8
0742-22-8681

文・写真:杉浦葉子