高山のさんまちに行ったら撮りたい、歴史の色気ただよう格子からの眺め

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高山・ふるまちの格子

みごとなほど、気品と古格がある。

司馬遼太郎は『街道をゆく』で、飛騨高山をそう称しました。高山駅からすぐの「さんまち通り」には、心惹かれる酒蔵、飲食店、ギャラリーなどがたくさん。江戸後期から明治時代に建てられた古い町家が、趣のある風景を作っています。

木彫りの猫に招かれて
飛騨の香りが漂います
酒造の杉玉もちらほらと

すっと一直線に連なる町家の整然とした美しさ。高山では隣家と軒の高さを揃えることが、江戸時代からある暗黙の決まりで、町家の連なりを「町並み」と呼んでいたそうです。

冬になれば、建物の黒さに映える雪の白さも目に留まります。その景観は、重要伝統建造物群保存地区に指定され守られており、高山はミシュランが発行する旅行ガイドでも三つ星を獲得しました。

町家の特徴といえば、第一にあげられるのが格子です。さんまちでもたくさんの種類が見受けられ、格子から眺める景色にはどこか落ち着いた印象を感じます。

高山ならではの伝統技術とされるのが「千鳥格子」。格子のます目を作る一本の角材に、複数の溝を均一にほり、パズルのように組み合わせて作るそうです。

千鳥格子が名を挙げたのは奈良時代。平城京の造営時に、木材が有名な飛騨地域が派遣した職人の腕が抜きんでており、彼らが「飛騨の匠」称賛されたことによるのだとか。匠の秘法が、さんまち通りの趣きを一層引き立てているようです。

伝統の息吹感じる格子を通して、古い町並みを見てみると、ひと味違うさんまちを楽しめます。そこで今回は、外観からではなく、あえて「内側」から格子のフィルターで、さんまちに溢れる気品と古格を切り取ってみました。

喫茶去「かつて」

喫茶去「かつて」は一面が格子戸
格子戸ごしのさんまち通り
すだれが光と影を演出してくれています
人力車が見えたら、絶好のシャッターチャンスです
2階は座敷。ゆっくりくつろいで、格子から町行く人を観察など

料亭「洲さき」

料亭「洲さき」は伝統的な数寄屋造りで、作家の司馬遼太郎も訪れた場所
格子と庭が調和しています
待合室から廊下を挟んで木々が。細かな格子がきれいです
玄関の格子の間に雪が降っていました

旅館かみなか

「旅館かみなか」国の有形文化財に指定されている老舗旅館。部屋の入口も格子戸造り
お部屋の窓際の椅子に座って、本を片手に町の風景を眺めながらうとうとするのも贅沢

 

町全体に古い町並みを残す高山は、路地を入ってみても、中心地を少し離れてみても、その雰囲気はどこまでも続くかのようです。
「飛騨へは、ゆるゆるとゆくことにする。」と始まる司馬遼太郎の旅のように、のんびりとした気分を味わえる高山の町並み。伝統息づく町で、格子から匠の技に思いを馳せる、粋な旅はいかがでしょう。

 

撮影協力

喫茶去かつて

喫茶去かつて
住所:岐阜県高山市上三之町92
営業:10:00-17:00 水曜日定休

 

洲さきの外観

料亭洲さき
住所:岐阜県高山市神明町4丁目14番地
電話:0577-32-0023
営業:(昼)11:30~14:00 (夜)17:00~(最終入店は19:00まで)

 

旅館かみなか

旅館かみなか
住所:岐阜県高山市花岡町1-5
電話:0577-32-0451

 

文 : 田中佑実
写真 : 今井駿介