宮城「首振り仙台張子」のひつじを求めて
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日本全国の郷土玩具のつくり手を、フランス人アーティスト、フィリップ・ワイズベッカーがめぐる連載「フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり」。
連載8回目は未年にちなんで「首振り仙台張子」を求め、宮城県仙台市にある「高橋はしめ工房」を訪ねました。それでは早速、ワイズベッカーさんのエッセイを、どうぞ。
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仙台。朝の7時。ホテルの部屋の窓から。これから次の十二支の動物に会いに行く。
小さな愛らしい未!インターネットではじめて見たときすぐに惹かれてしまった。
お盆の上に、仲間と一緒に乗っている。こうしてみると、美味しいお菓子のようで、食べたくなってしまう!
生まれてくるときは、コロコロした小さな胴体だ。
メス、ピンセット、ハサミ‥‥。手術室で、彼らを形づくるために必要なものだ。
さて。辛抱強く、何を待っているのだろう?
むろん、頭だ。
‥‥そして角!
とても可愛らしい。でも、お友達だったクジラが、愛好者が少ないという理由でつくられなくなったことを、ちょっと悲しんでいるのかもしれない。
話はそれるが、この小さな台、大好きだ。
掃除機の管を利用した、吸引のシステム。素晴らしい!
11時50分。取材は終わり、そろそろお腹もすいてきた。
近所に安くて感じのいい食堂があった。
食べ物は美味しく、その上、罫線好きの私にぴったりの場所だった!!
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文・デッサン:フィリップ・ワイズベッカー
写真:フィリップ・ワイズベッカー
翻訳:貴田奈津子
Philippe WEISBECKER (フィリップ・ワイズベッカー)
1942年生まれ。パリとバルセロナを拠点にするアーティスト。JR東日本、とらやなどの日本の広告や書籍の挿画も数多く手がける。2016年には、中川政七商店の「motta」コラボハンカチで奈良モチーフのデッサンを手がけた。作品集に『HAND TOOLS』ほか多数。