納豆をおいしく食べるためのうつわ かもしか道具店「なっとうバチ」に惚れた
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スーパーでもコンビニでも、手軽に買える栄養食品の納豆。毎日の食卓にのぼるからこそ、この道具を目にしたときは、ときめいた!
三重県菰野町にある山口陶器のオリジナルブランド「かもしか道具店」の「なっとうバチ」は、名前のそのまま納豆のためにつくられました。
そして、使い始めて早数ヶ月。会う人、会う人に紹介したくなる道具になりました。
いつも納豆を食べるとき、どんなふうにしますか?
パックにタレやからしを入れて混ぜる派もいれば、容器に移し替える派の方もいるはず。それで十分、不足なしと言われれば、その通り。
でも、かもしか道具店の「なっとうバチ」だからこその上質な納豆体験、あるいは「納豆新大陸!」と呼びたくなる時間があるのも、また事実なのです。
混ぜやすい持ち手、掌に収まるサイズ感、注ぎやすい片口つきと、堅実な機能性は見ての通り。
これは何より、内側のミゾが、すごい。ぱっと見ではわかりにくい「内側」にこそ気が利いている、なんとも小粋な道具なのです。
まぜるほどに空気が入って、ふわふわに仕上がる。
納豆を入れて数回かきまぜるだけで、感じるちがいに箸の先からわくわくが伝わってきます。一回、二回、三回‥‥内側のミゾが空気をふくみやすくして、やわらかい粘り気をまとったふわふわ納豆に仕上がっていくのです。
はじめて食べたとき、その食感に驚きました。なめらかなやわらかさが心地よく、大豆の美味しさの輪郭がより際立つような発見もありました。
ふだんと同じようにかきまぜるだけ。それなのに、ふだんの何倍も美味しくなる。「パックでまぜればいいじゃない」と思っていた過去の自分にはもう戻れない。まるで、小粋な工芸に魔法をかけられたような心持ちでした。
そして、このミゾは洗うときにも真価を発揮。スポンジを沿わせるだけで気持ちよく粘り気が落ちていきます。
贈り物の悩みが減りました。
食べてよし洗ってよし、そして飾らない道具としての佇まい。食卓を選ばない使い勝手の良さが魅力の「なっとうバチ」ですが、それゆえに贈りものにもぴったりでした。
最近は、友人の結婚話を耳にするたび、「ふだんは納豆食べる?」と聞いてしまう私がいます。「納豆が得意ではない妻が、これなら美味しいと言っていた」と聞いたときは、心で深く頷きながら喜んだものです。
正直言って、胸をなでおろしています。これでもう、贈り物に悩むことが減りそうだからです。
電動でもなければ、何かを劇的に変えることはないかもしれない。でも、暮らしの景色をスッと心地よくしてくれる。上等なふだん使いの道具の魅力をあらためて感じながら、今日も納豆を混ぜています。
<掲載商品>
かもしか道具店 なっとうバチ ふつう(中川政七商店)
かもしか道具店 なっとうバチ こぶり(中川政七商店)
文:長谷川賢人