フィリップ・ワイズベッカーが旅する たった一刀で形づくる、木彫りの亥を求めて
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![](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC01935.jpg)
日本全国の郷土玩具のつくり手を、フランス人アーティスト、フィリップ・ワイズベッカーがめぐる連載「フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり」。
いよいよ最終回となる連載12回目は、亥年にちなんで「奈良一刀彫りの亥(イノシシ)」を求め、奈良の大林杜寿園を訪ねました。それでは早速、ワイズベッカーさんのエッセイを、どうぞ。
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![奈良のせんとくん](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00158.jpg)
亥に会うため、奈良に来た。
いったい何処に隠れているのだ?鹿の存在は、あちこちにあるが。
![横断歩道を渡っている鹿](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/10/IMG_5096.jpg)
横断歩道にて。
![奈良の道路に描かれた鹿のマーク](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00198.jpg)
道路上にて。
![鹿をかたどった彫刻](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00191.jpg)
私たちが訪ねた一刀彫り職人の工房のウインドーにまで‥‥。たまげた!
![職人](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/IMG_5055.jpg)
あぁ、やっと!亥が現れた!
職人は、すでに作業にとりかかっている。
一刀彫りという技術で、楠の塊を彫っている。
![一刀彫りで作られた木の犬と道具](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00168.jpg)
しかしこれはデモンストレーション用で、実のところ、今は戌を制作中だという。
![犬の写真](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00171.jpg)
この写真がお手本になっているということか。ふむ‥‥。
![干支の木彫り人形](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00176.jpg)
板の上に並べられたのは、戌、亥、そして干支の仲間たちだ。
![](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/DSC00203.jpg)
訪問は終わった。私の眼差しは、あちらこちらをさまよい、止まる。
![お茶会の様子](https://story.nakagawa-masashichi.jp/wp-content/uploads/2018/09/IMG_5158.jpg)
鹿(そして亥)の国の訪問の後は、中川政七商店本社での忘れがたいお茶会だった。
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文・デッサン:フィリップ・ワイズベッカー
写真:フィリップ・ワイズベッカー、貴田奈津子
翻訳:貴田奈津子
Philippe WEISBECKER (フィリップ・ワイズベッカー)
1942年生まれ。パリとバルセロナを拠点にするアーティスト。JR東日本、とらやなどの日本の広告や書籍の挿画も数多く手がける。2016年には、中川政七商店の「motta」コラボハンカチで奈良モチーフのデッサンを手がけた。作品集に『HAND TOOLS』ほか多数。