テーブルで行うお茶の稽古って?「茶論 (さろん) 」東京日本橋店で「新しい茶道」を体験
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「抹茶は好き。作法にどぎまぎせずに、サッと飲んだり点てたりできたらかっこいい。
でも‥‥」
正座は苦手。覚えることが多くて、師弟関係も大変そう。
そんな何かと敷居の高いイメージのあった茶道を、テーブルで気軽に学べるお店が東京日本橋にあります。
その名も「茶論 (さろん) 日本橋店」。
2018年4月に奈良にオープンした奈良町店に続いて、同年9月に東京へ初進出した、お茶の稽古・喫茶・茶道具のお店です。 (日本橋店では現在、稽古とお茶道具の販売のみ)
2019年9月20日には大阪・心斎橋に中川政七商店との一体型店舗もオープンしたばかり。各地に続々と「テーブルで行う新しい茶道」が広まりつつあります。
運営するのは、お茶道具にも用いられる「奈良晒」の商いで奈良に創業した中川政七商店グループ。
「テーブルで行う茶道」、一体どんなものなのか。さんち編集部で体験稽古に行ってきました!
駅直結、茶論 日本橋店で体験稽古
やってきたのは東京メトロ「日本橋」駅直結の⽇本橋髙島屋S.C.新館。エスカレーターでお店のある4階に向かうと、立派な石造りのお店が見えてきました。
編集部を代表して「初級コース」の体験稽古に参加するのはデスクの清原。
実は元茶道部なのですが、社会人になってからはお茶を点てる機会もなかなか無かったと言います。
清原「もうすっかり離れてしまっているので、久々にお抹茶が飲めるの、嬉しいです」
一度はお茶を経験したことがあるけれど、という人、意外と多いかもしれませんね。早速店内に入ってみましょう!
ネット予約で通う茶道教室
店内は日本的な趣のあるカフェといった雰囲気。
「いらっしゃいませ」
レストランのように、カウンターで受付します。
実は体験稽古の申し込みはネット予約。本番のコースでも固定のお稽古日はなく、稽古が始まる2時間前まで予約可能なのだそう。今までの「茶道教室」のイメージとのギャップに驚きました。
アートギャラリーのような「見世」
「お席にご案内するまで、よかったら店内をご覧になってお待ちください」
スタッフさんが指し示したのは、お茶を楽しむ道具や器が並ぶ「見世 (みせ) 」のゾーン。
ぶらぶらと眺めているうちに、
「お待たせしました。こちらへどうぞ」
お店の奥、「稽古場」へ案内されました。
障子も畳もありません。本当に、テーブルの席で、いよいよ稽古が始まります!
師弟関係や流派を持たずに学ぶ茶道
西さん「今日の稽古を担当させていただく西です。よろしくお願いします」
茶論ではいわゆる「先生」との師弟関係はなく、「講師」は部活で言うところのコーチといった関係性だそう。
「◯◯流」といった流派も茶論にはなく、各派に通じる茶道の基本を教えてくれるというのがユニークです。
白湯にシソを浮かべた「香煎 (こうせん) 」で喉を潤していると‥‥
流れるような手つきでお茶を点ててくれました。所作がとてもきれいです。
西さん「どうぞ」
清原「美味しい。抹茶味のものって最近多いですけど、本物の抹茶をいただけるって、嬉しいですね」
座学はスライドで
雰囲気もほぐれたところで、ここからは初級コースを少し先取りして、茶道の歴史を学ぶ座学の時間。
前方の大きな画面スライドを使って講義が進んでいきます。
本当に何から何まで現代的です!
Q&A形式で西さんとも会話をしながら進み、教室は終始なごやかムード。
清原「知っていると、ちょっと鼻が高くなりますね。人に教えたくなります」
茶道の基礎知識を身につけて、最後はいよいよ自分でお茶を点てます!
自分で点てたお茶は美味しい。
稽古のしめくくリは自分でお茶を点ててみる体験です。
お味はいかがでしょう。
清原「自分で点てると格別に美味しく感じます (笑)
それと、自分でやってみると西さんのお点前の所作が改めて、きれいだったなぁと。もっと自分もきれいにできるようになりたいって思いますね」
西さん「ありがとうございます。そういう、おもてなしを志す『心』と、先ほどの座学で学んだような『知』、お点前などの『型』、この3つをバランスよく学ぶことを、茶論では大事にしているんです」
カリキュラムは裏千家・芳心会を主催する木村宗慎氏監修のもの。
気軽に学べるシステムで、茶道の基本をしっかり学べる、というのが嬉しく思いました。
体験を終えて‥‥
あっという間の90分の体験稽古でした。
清原「お店の雰囲気も稽古の内容も、固すぎず・カジュアル過ぎずなのが私にはほどよく感じました」
不思議と「喫茶」や「見世」も、体験を終えた後ではまた違って見えてきます。
稽古は最終19:15スタートの回まであるので、仕事帰り、デパートに寄ったついでに通えるというのも嬉しいところ。
他にも月謝でなくチケット制なこと、お店を変えても稽古の続きができるなど気軽に学べる仕組みに、「茶道をもっと身近に楽しんでほしい」という心意気を感じました。
茶道に興味はあるけれどちょっと敷居が高いなぁ、と感じている人には、ピッタリかもしれません。一度体験してみては?
<取材協力>
茶論 日本橋店
東京都中央区⽇本橋2-5-1 ⽇本橋店髙島屋S.C.新館4F
https://salon-tea.jp/
営業時間:「稽古」14:30~16:00、17:30~19:00、19:15~20:45/「見世」12:00~20:00 *売り場によって営業時間が異なります
定休⽇:施設の店休⽇に準ずる
~2019年9月20日、大阪に「茶論心斎橋店」がオープン!~
今秋グランドオープンする「大丸心斎橋店 本館」に、茶論の3店舗目となる「茶論心斎橋店」がデビュー。 グループ会社の中川政七商店の店舗を併設した、初の一体型店舗です。
■オープン日:2019年9月20日(金)
■住所:大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 大丸心斎橋店 本館8F
■営業時間:「稽古」10:00~21:00/「見世」10:00~20:30
海外からのお客さんもお茶に親しめるよう、当日参加可能な、気軽にお茶を点てられるワークショップ(英語対応あり)なども開催予定とのこと。テーブルスタイルの茶道と約1,500点の暮らしの道具が一度に楽しめる空間に、一度足を運んでみては。
中川政七商店 大丸心斎橋店・茶論 心斎橋店
【住所】大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-7-1 大丸心斎橋店 本館8F
【営業時間】中川政七商店 10:00~20:30
茶論 10:00~21:00(稽古)、10:00~20:30(見世)
【オープン日】2019年9月20日(金)
【定休日】館に準ずる
【HP】
中川政七商店:https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/default.aspx
茶論:https://salon-tea.jp/
文・写真:尾島可奈子
画像提供:道艸舎
*こちらは、2018年9月26日公開の記事を再編集して掲載しました。今はお菓子などで気軽に抹茶を味わえますが、自分で点てて飲む抹茶は格別です!