寒い夜も快適に眠る。寝巻きにプラスする定番アイテムを紹介

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こんにちは。細萱久美です。

2月は旧暦で如月。若干読みにくい漢字ですが、「きさらぎ」と読みます。響きの美しい言葉ですね。

語源には「衣更着(衣を更に着る)」「生更木(草木が生えはじめる)」ほか諸説ありますが、旧暦の2月は現在の3月半ばにあたるので、「寒さがぶり返して、一旦脱いだ衣を更に着る月」という意味がしっくりきます。

新暦の2月は全国的に1月に次いで寒く、地域にもよりますが降雪日や雪の量は2月が最も多いそう。体感的にも雪が多いように感じます。

芯まで冷える日も少なくない2月は、寒がりの私は防寒対策が欠かせません。家で過ごす際や睡眠時も、なるべく快適でいられる工夫をしています。

寒い時期は、寝る前に生姜紅茶を飲むのも体内から温まるので習慣にしていますが、寝間着にプラスして定番となっているのが今回ご紹介する「あしごろも」です。

あしごろもは、靴下の生産量日本一の産地、奈良県広陵町にある岡本株式会社が展開するブランドです。岡本は靴下専業メーカーとしては国内最大手で、扱うブランド数も多く、量販店やスポーツアパレル系に強い企業です。

量産に強いイメージの中で、ある意味逆を行く、オーガニックでアナログなブランドのあしごろもも展開しているのは興味深いところです。

あしごろもは靴下を中心に、腹巻き、腹巻きパンツ、レッグウォーマーなどインナー寄りのアイテムが充実しており、一番の特徴は百年無農薬の自然栽培綿を手紡ぎした糸で編まれている点です。

熟練の職人でも1日に200グラム、靴下にして3足分しか紡げないそうで、中川政七商店の手績み手織り麻にも相通じるものがあります。

甘撚りに手紡ぎすることによって、ふっくらと空気を含んだ糸になりますが、どうしても不均一の太さになり、編み機に通すのも一苦労。そこで岡本の靴下製造60年以上のノウハウが活かされ、編み機をゆっくり回すことで、柔らかく編み上げることが出来るとのこと。

時間も掛かれば大量には作れない、でもこの肌触りの良さは類を見ないあしごろもブランドを大切に育てていることに、商売のバランスを感じたり、アナログ好きな私は単純に好感を抱いています。

睡眠時の寒さ対策に欠かせないアイテム

ラインナップの中でも、睡眠時の寒さ対策に欠かせないのが、「おやすみソックス」と「あったか腹巻」。

ソックスは名前にも付いているように、おやすみの際におすすめです。厚手なので温かく、履き口は緩めで締め付け感は一切ありません。ルームソックスとしても優秀ですが、断然おやすみ時にお試しいただきたいです。

寝ている時は無意識なので、窮屈感や蒸れなどの不快感があると、いつの間にか脱いでしまいますが、おやすみソックスだと朝まで脱ぐことなく、眠りをサポートしてくれます。

そして、あったか腹巻は手編みでは?と思うほどのボリューム感と、良い意味での不均一感が特徴。若干の伸縮糸が入っているのと、ゆったり編んでいるので、びっくりする程伸びが良く、しかも締め付けはありません。

手紡ぎの糸は空気を含むことで温かく、通気性も保たれるので、素肌に付けても蒸れずに馴染みます。乾燥や蒸れ、締め付けなどの刺激がすぐにかゆみになる体質なので、それらに悩むことなく安眠を助けてくれるのはありがたいです。

褒め過ぎのようですが、強いて言えば、かなりナチュラルなデザインなので私の外着にはちょっと向かないのと、甘撚りのためか少し毛玉になりやすいのですが、家で履く分には問題ありません。

一つの機能に発揮していれば十分と言えます。また、このあしごろもには、種類によって補修糸も付いているので穴があいても補修して長いこと使えます。いまだ穴があいたことが無いのですが、あいても確かに捨てられない、自然のぬくもりを感じさせる如月の暮らしの道具です。

<掲載商品>
岡本株式会社
あしごろも

細萱久美 ほそがやくみ
東京出身。お茶の商社を経て、工芸の業界に。
お茶も工芸も、好きがきっかけです。
好きで言えば、旅先で地元のものづくり、美味しい食事、
美味しいパン屋、猫に出会えると幸せです。
断捨離をしつつ、買物もする今日この頃。
素敵な工芸を紹介したいと思います。

文・写真:細萱久美

※こちらは、2017年1月10日の記事を再編集して公開しました。寒い日が続きます。備えを万全にお過ごしください

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