非公開ゾーンに特別潜入!菅原工芸硝子のシークレット工場見学で、私たちは何を見たのか
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「ここから先はすみませんが、撮影NGでお願いします」
11月のよく晴れた日曜日。
さんち編集部は6名の読者の方とともに千葉・九十九里の菅原工芸硝子さんを訪れていました。
目的はさんち2周年を記念して企画したシークレット工場見学ツアー。
昨日のレポート前編では、菅原裕輔社長直々に工場内を案内いただき、人気の「富士山グラス」などのガラス作りを間近で見学したところまでお届けしました。
前編はこちら:「ガラスは液体?シークレット工場見学で知った真実」
ひと通りものづくりの様子を見終えたところであったのが、冒頭のアナウンス。
5000アイテムを揃える菅原さんのものづくりを支える、心臓部を見せてくれるというのです。
一同、期待と緊張を胸に社長のあとに続きます。
撮影NGのとある場所へ
菅原さんが誇る5000のガラス製品のアイディアは、全て職人から生まれます。彼らがデザインから発想し、チームとなって製品を生み出すのです。
その自由な発想を大事にするため、外部発注では時間もコストもかかる型を自社で製造しています。
通常は一般の方をまず入れないという型倉庫を、特別に見せていただきました。
実験段階のものも「まずは作ってみよう」とすぐ型を起こすそう。所狭しと型が並んだ倉庫はひっそりとしていましたが、ゼロからものを生み出す静かなエネルギーに満ちているようでした。
さらにもうひとつ、社外の人は通常立ち入れない開発室へ。
菅原さんでは、休みの日でも職人さんが自由に道具や材料を使うことができます。
そこで生まれたものをこの開発室に置いておいて、開発会議の時に検討するのです。室内にはずらりと新製品の卵たちが並んでいました。
創作のルールはたった二つ。暮らしの中で使えるものであること。一人で完結せず、みんなで作ることを前提にすること。
「ガラスで何かやりたいことがあるなら、うちで実現できるようにと思っています。
休憩時間も、しっかり休んでと言っているのに、空いた時間ですぐ職人たちは創作に没入してしまいます。本当にガラスが好きが集まっていますね」
毎年大量の提案が出る新商品の選考会議で候補を絞り込む作業は、いつも菅原さんの頭を悩ますそうです。
いよいよガラス作り体験へ!
ここからはいよいよツアーのお楽しみ、ガラス作りの体験へ。徳利、カップやピッチャーなど、事前に選んでおいた形と色で一人一人ガラス作りに挑戦です。
指導してくださるのは、先ほど熟練の技を見せてくださった塚本さん!普段は体験の担当はされないそうですが、今回特別に対応くださいました。
ひとつ出来上がるたびに、「お〜」と歓声と拍手が。
編集部として何より嬉しかったのが、参加されている皆さんの笑顔。
「自分で作ると、かわいい」と一人の方が話してくれました。
これこそ、工芸産地を旅して好きになる「さんち旅」の醍醐味。自分の目で見て、耳で聞いて、熱気を肌で感じる体感は、現地でしか味わえません。
何気なく使っている暮らしの道具が、一層愛おしくなる瞬間です。
作品が完成するのは3時間ほど後。
それまでランチとお買い物を楽しみます。敷地内にはガラスの器を活かしたカフェと、さっき目の前で作られていた器を実際に購入できるショップが併設されているのです。
こうしてあっという間に1日が過ぎて行きました。
帰りには無事完成した自分の作品と、菅原さんからお土産もいただいて、九十九里をあとにします。
1日の感想なども分け合いながら、3連休最終日の渋滞も乗り越えて、無事東京まで戻ってきました。
編集部にとっても、参加者の方にとっても初めての「さんち旅」ツアー。
体験では見守り役だった編集部メンバーはまず、改めて体験に来ようと決意を新たにしています。
こうして足を運ぶごとにその土地のものづくりが好きになっていく体感は、誰より編集部が感じている事かもしれません。
またやってほしい!との嬉しい言葉もいただいたので、またパワーアップして企画したいと思います!
ご参加いただいた皆さん、そしてご応募いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
<取材協力>
菅原工芸硝子株式会社
千葉県山武郡九十九里町藤下797
http://www.sugahara.com/
文:尾島可奈子
写真(一部除く):西木戸弓佳
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菅原工芸硝子 富士山グラス
4,153円(税込)